2014/4/12

神戸散策/ギャラリーあしやシューレ「安藤栄作展」トーク  調査・旅行・出張

朝一番に、ギャラリーあしやシューレのTさんにお誘いされて、横尾忠則現代美術館の企画展「横尾探検隊 LOST IN YOKOO JUNGLE」のオープニングレセプションに参加しました。

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美術家・グラフィックデザイナーとして精力的に活動を続ける横尾忠則さんの幼少期の原体験をモチーフにした絵画作品を紹介する企画展。ターザンや海底2万マイル、少年探偵団などの作品から生み出される世界観が、横尾芸術の根幹を成していることがよく伝わってくる企画展でした。

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「安藤栄作展」のオープニングの準備があるというTさんとここでいったんお別れをして、私は道路をはさんですぐ隣にある神戸文学館へ。
1904年に建てられた関西学院大学のチャペルを再利用した、入館無料の施設です。

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とても小規模の展示ではありますが、神戸ゆかりの文学者は非常に多く、案外見応えがあります。展示室の隅には岡部伊都子さんの書斎の机と椅子なども展示されていました。
とりわけ、無料で配布されている8種類の文学散歩地図が個人的にはたいへんありがたかったです。

「堀辰雄の『旅の絵』、宮本輝の『花の降る午後』などを歩く」(中央区)、「竹中郁の『私のびっくり箱』、灰谷健次郎の『太陽の子』などを歩く」(兵庫区)、新田次郎の『孤高の人』、吉川英治『新・平家物語』などを歩く」(長田区)、山本周五郎の『須磨寺附近』を歩く」(須磨区)……といったモデルコースの中から、今回は野坂昭如の『火垂るの墓』を歩く灘区のコースを選びました。

JR六甲道駅から野坂昭如の母校・成徳小学校を経て、石屋川を渡った先にある御影公会堂へ。
御影公会堂は1933年の完成で、1945年の神戸大空襲と1995年の阪神・淡路大震災をくぐりぬけて今も現役で使われています。

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 草の根たよりに堤防を這いずり上る。上ってみると御影第一第二国民学校御影公会堂がこっちへ歩いてきたみたいに近く見え、酒蔵も兵隊のいたバラックもさらに消防署松林すべて失せて阪神電車の土手がすぐそこ、国道に電車三台つながって往生しとるし、上り坂のまま焼け跡は六甲山の麓まで続くようにみえ、その果ては煙にかすむ
(野坂昭如『火垂るの墓』より)

焼け野原にぽつりと立つ御影公会堂の風景は、高畑勲監督のアニメ映画『火垂るの墓』でも印象的に描かれていました。

石屋川を下ると、そのアニメ映画『火垂るの墓』のモニュメントもありました。

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清太と節子がホタルを捕まえて遊んでいる場面が刻まれています。
この場所からは、川をはさんで御影公会堂がよく見えました。
周囲は公園になっていて、まだ桜が散らずに残っていました。
子どもたちが歓声をあげて遊んでいる光景は、戦争の記憶とは対照的に感じられます。

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その後、清太たちのお母さんが息を引き取ったとされる「御影国民学校」(現在の御影小学校)も見に行きました。御影小学校の門柱は、国民学校時代のまま残されているそうです。

駅へ戻る帰り道に、ふと、「大震災復興拠点之地」という石碑を見つけました。

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福島で被災した彫刻家の安藤栄作さんが、「関西で震災っていうと、今でも東北ではなくて阪神大震災を言う場合があるんだよね」とおっしゃっていましたが、今自分が立っている場所は、20年前の悲しみの地でもあることをあらためて考えさせられました。

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最後に、阪急夙川駅の近くにある、カトリック夙川教会を訪れました。
ゴシック風の尖塔が空に向かってそびえたつ優美な聖堂は、1932年の建築。
かつて遠藤周作が洗礼を受け、須賀敦子が通っていたこともあるそうです。

   *   *   *

午後3時半からは、ギャラリーあしやシューレで「安藤栄作展 Shambhala シャンバラ」のオープニングとして、安藤さんと私のトークイベントを行いました。

まずは安藤さんの福島での生活から、震災を経て奈良に移住するまでの足取りを、作品の画像をまじえてスライドトーク。
もちろん、昨年春に丸木美術館で開催した「光のさなぎたち」の展示も紹介されました。
今回の個展では、その作品の一部が会場に設置されています。

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その後は私も話に加わって、対談のような形式で、伝説の理想郷「シャンバラ」を軸に話をすすめ、丸木美術館の活動や安藤さんの美術館への印象なども話題にのぼりました。
会場の方からの発言も相次ぎ、とても気持ち良いトークイベントになりました。
このトークの内容は、ギャラリーあしやシューレで文字起こしをして冊子にする予定だそうなので、楽しみにしていてください。

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トークの後は、レセプションと記念撮影。
関西の方々とお話をして、また新たなつながりが深まりました。
ご来場いただいた皆さま、そしてトークに呼んで下さった安藤さん、ギャラリーあしやシューレのTさんに、心より御礼を申し上げます。
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