2013/12/19

世田谷美術館「実験工房展」/「はだしのゲンを読むプロジェクト」  他館企画など

午後から世田谷美術館「実験工房展 戦後美術を切り拓く」を見たあと、旧知の学芸員Nさんと雑談。

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実験工房の活動は非常に興味深いのですが、展覧会としては、絵画や立体などの作品が少なく、音楽や映像、プログラムなどの資料が軸になってしまうので、構成の難しい企画だと思いました。それでも松本俊夫の映画『銀輪』などは面白く、図録は充実していて資料価値も高いと思います。
Nさんたちが準備を進めているという次回企画展「岸田吟香・劉生・麗子 知られざる精神の系譜」展も楽しみです。

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午後7時半からは、高円寺で山下陽光さんの特別企画「はだしのゲンを読むプロジェクト 中沢啓治没後一周忌」に参加。
出演は、岩波ブックレットの刊行でもお世話になった広島平和記念資料館・情報資料室の菊楽忍さんと、みち(屋宮大祐)さん(はだしのゲンデザイナーズリパブリック)。
菊楽さんは、生前の中沢啓治さんが広島平和記念資料館に一括寄贈された貴重な原画のなかから、絵本版『はだしのゲン』の画像を紹介され、本来のご専門というチェコの建築家ヤン・レツル(原爆ドーム/産業奨励館の設計者)と丹下健三(広島平和記念公園・平和記念資料館の設計者)の因縁の三題噺なども面白く聞かせて頂きました。
「はだしのゲン 公式サイト」を運営されているというみちさんの発表は、インターネットにおけるはだしのゲン表現論という斬新なもの。とりわけ、中川翔子まで参入したという「ドングリまつり」(ドングリは、『はだしのゲン』に登場する少年キャラクターの一人)の話は、ふだん触れる機会のない非常に新鮮かつ興味深い内容でした。

司会の山下さんの計らいで、私もトークに少しだけ参加。
岩波ブックレット『非核芸術案内』の紹介をさせて頂き、その場で販売も行ったのですが、多くの方にお求め頂き、たいへんありがたかったです。

最後にスペシャルゲストとして、静岡県焼津市で生まれ、つまり、10代後半でビキニ事件を体験し、その後カープに入団して広島で暮らすという運命をたどった70代後半の某元プロ野球選手が出演。戦後の広島のヤクザ抗争や野球賭博についての、すでに時効だからこそ語れる生々しい体験談に加え、福島の被ばくをめぐる独特の過激とも感じられる“思い”を語り、存在感を放っていました。

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山下さんは、来年1月18日から3月28日にかけて、広島県福山市の鞆の津ミュージアムで、「山下陽光のアトム書房調査とミョウガの空き箱がiPhoneケースになる展覧会」という興味深い企画を開催されます。近年、原爆投下直後の広島で原爆ドーム前に現れた古書店「アトム書房」についての調査を精力的に進めている山下さんの、独特のユーモアを放つ視線が、どのように展覧会として結実されるのか、たいへん楽しみです。
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