2017/3/1

【広島出張初日】広島丸木スマ作品調査  調査・旅行・出張

朝一番の飛行機で広島に行き、三岸節子記念美術館のS学芸員、奥田元宋・小由女美術館のN学芸員とともに、広島市内の個人宅で丸木スマ作品調査を行いました。

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最初は市内西区三滝町のお宅。
押入れの中の箱から出てきたという作品を拝見し、もっとも驚いたのは、未見のスマ作品《ピカドン》が発見されたことです。
所蔵されていた方も最近まで知らなかったそうで、おそらく未公開なのでしょうが、今まで見てきたスマさんの原爆の絵の中で、もっとも臨場感がありました。

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描かれているのは三滝橋でしょう。橋をわたる人の群れ、川に入る人びと、「幽霊」のように手を半分前に出して歩く人、頭を抱えて座っている女性。これらのイメージは、スマのデッサンの中に個々のモチーフとして見ることができます。

注目すべきは、画面左端の女性。
小学館から刊行された丸木スマ画集『花と人と生きものたち』(1984年)にも収められていますが、この女性のイメージは、従来は横向き、つまり地面にうずくまるように描かれていると思われていました。

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しかし、新たに発見された《ピカドン》を見ると、実は縦向き、膝を立てて座っていることがわかります。
《ピカドン》では小さな子どもを抱いているようにも見えますが、どうでしょうか。胸もとが剝き出しになっているのかもしれません。

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また、大塔書店版『丸木スマ画集』の表紙に使われている、《菊と蝶》も見つかりました。
その他にも、気になる作品はいくつかあるのですが、いずれ、まとめて公開する機会を設けたいと思っています。

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また、丸木位里の1948年第2回前衛美術展出品作《牛》も出てきました。
かなりの大作ですが、こちらは、発表後に背景を緑色に彩色した可能性もあります。
その他にも、エルンストを思わせる抽象的な表現の墨絵も見つかり、今後の調査を進めていきたいところ。
日本画のエキスパートであるN学芸員のお力もお借りすることになるでしょう。

     *     *     *

その後は、安佐南区長楽寺の個人宅にお伺いして、丸木スマ作品をじっくり見せて頂きました。

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まだまだ未見の作品がたくさんあることを、あらためて確認する調査でした。

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ユーモラスな河童の絵、見ているだけで笑い出したくなりますね。

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着物の布地を使って軸装した作品もあり、これらは表装も含めてひとつの作品といった印象を受けます。

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時間を忘れて調査に没頭しました。
あらためて、丸木スマの作品の魅力、奥の深さを再確認した思いです。
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