2016/11/28

『琉球新報』連載「落ち穂」第12回 芸術のサーカス小屋  執筆原稿

2016年11月28日付『琉球新報』連載「落ち穂」第12回 芸術のサーカス小屋

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ガルシア・ロルカ没後80年企画のキャラバン・ラ・バルラッカの催しのことを書きました。
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2016/11/27

国際日本研究センター「3.11以後のディスクール『日本文化』」  調査・旅行・出張

京都市郊外の国際日本文化研究センター(日文研)で行われた研究会「3.11以後のディスクール『日本文化』」にて、Chim↑Pomの卯城竜太くんとともに3.11後のアート活動について発表しました。

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私がChim↑Pomとかかわったのは、2011年12月の丸木美術館での個展のときでしたが、当時の彼らの活動や、その後の展開を振り返るという貴重な機会をいただきました。

私の報告はChim↑Pomも含めた「3.11」後の非核芸術の紹介。
そして卯城くんの報告は《SUPER RAT》からはじまり、《ヒロシマの空をピカッとさせる》を経て福島原発事故後につながるChim↑Pomの活動について。

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卯城くんの報告で興味深かったのは、国外で数多く展示されてきた《気合い100連発》など福島原発事故をテーマにした映像作品が、「安倍政権になってから」放射能、福島、慰安婦、朝鮮といった「NGワード」へのチェックが厳しくなり、国際交流基金の主催事業での展示ができなくなったという話でした。

このあたりの話は、昨夏開催された10周年展「耐え難きを耐え↑忍び難きを忍ぶ」でも作品として展示されています。
http://www.chimpom.jp/project/10th.html

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期せずして、なのですが、今回の報告では、公立美術館や国際美術展なども含めて、3.11後の日本の「公」がどちらの側を向いているのか、という違和感が、互いの発表の中で、共通の問題として浮かび上がってきたように思いました。

現在のChim↑Pomは、独自の活動拠点をつくり、寄付などの資金調達の道を拓いて、表現活動の幅を広げています。
Chim↑Pomの後に続く若い世代のアーティストたちにとっても、「オルタナティブ・スペース」と「D.I.Y」は、今の困難な時代を切り拓くためのキーワードであるようです。

考えてみれば、丸木美術館そのものが、半世紀前にアーティストが「D.I.Y」で作り上げたオルタナティブ・スペースの先駆なのでした。
紆余曲折の結果、Chim↑Pomが丸木美術館にたどり着いたこと、今の若いアーティストたちが丸木美術館で展示をすることは、歴史的に見れば必然のようでもあります。
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2016/11/24

『東京新聞』夕刊に壷井明紹介  掲載雑誌・新聞

これが福島の現実 避難者、農家、声なき声…ベニヤに描く
 ―2016年11月24日付『東京新聞』夕刊

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201611/CK2016112402000254.html

丸木美術館の企画展には間に合いませんでしたが、『東京新聞』に壷井明の《無主物》関連記事が掲載されました。取材は出田阿生記者です。

以下、記事からの一部抜粋です。

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 東京都内の公園に、幅三メートルにもなる作品がいくつも並んだ。仮設住宅で暮らす避難者、原発作業員、農家…。それぞれベニヤ板三枚に油絵の具で描かれている。モノトーンの暗い画面に、血液のような赤が目を引く。その迫力に道行く人が思わず足を止めると、壺井さんが「これね、福島の絵なんですよ」と話し掛けた。

 通り掛かった初老の夫婦は「熊本から来たんだけど、うちの家も地震で被害受けて。どこでも起きることだと思う」と話した。横浜市の専門学校生(19)は「最近、メディアは福島の話を取り上げない」と憤った。

 作品は「無主物」と題した連作。これまで十一点を制作した。渋谷の繁華街、名古屋の公園…。各地でゲリラ的に絵を展示する。「絵に目を留めた人に、福島で僕の聞いてきた話を伝える。事故から五年で復興の話ばかり強調されるけど、被害は全く終わってない」

 ふだんは介護施設で働いている。原発事故直後の二〇一一年八月、ゴルフ場から放射能汚染で訴えられた東京電力が、飛散した放射性物質について、所有者のいない「無主物」だと主張した。その無責任さに衝撃を受けた。福島に通い、制作を始めた。

 作品には死者も描かれる。黒っぽい背中を見せて倒れているのは福島県川俣町の女性。夫と一時帰宅中、自宅の庭で焼身自殺した。

 「この女性は避難を強いられるまで一度も故郷を離れたことがなかった。その話をしてくれた福島の住職は、僕の目の前で、こらえ切れず突っ伏して泣いた。人の死や苦しみは感情を伴っているのに、メディアでは数字や無機質な情報になってしまう」

 壺井さんは言う。「除染は表土をはげばいいというが、農家の人は『農業は土づくり。一センチの土に百年かかる』っていう。そんな、マスコミが取り上げない言葉を拾って絵にして、福島の外で伝えていく。売れないし、人を心地よくするわけでもない。アートなのかもわからないけど」

 「無主物」は十月初めから一カ月以上、原爆の図丸木美術館(埼玉県東松山市)でも展示された。岡村幸宣学芸員は「壺井さんの絵は、声を出せない人の声をすくいあげている。それは原爆の図の作者である丸木位里、俊夫妻に通じる」と話す。


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2016/11/23

バルラッカ特別企画「fiesta LORCA !」  イベント

1936年8月19日、スペインの詩人ガルシア・ロルカは、故郷グラナダの近郊でファシスト党員に銃殺されました。
今年はロルカの没後80年に当たります。

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そのロルカの思いを受け継ぎ、不穏な時代の動きに抗しようという「芸術のサーカス小屋」キャラバン・ラ・バルラッカの催しが、丸木美術館で行われました。
企画は音楽家の二瓶龍彦さんです。

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まずは「ゲルブ・アル・リシャット・アンサンブル(砂漠の音楽隊)」の演奏で幕が開きます。
歌は祥子さん、パーカッションは田中甚兵衛さん、ギターは二瓶龍彦さん。
丸木美術館の空間が、ここではないどこか、異界に向かって開いていくような演奏です。

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続いて85歳のパフォーマー・黒田オサムさんが「労働者諸君!」と叫び、天衣無縫の踊りでアナキスト大杉栄を顕彰します。
いつもながら、見事な身のこなし。息も切らさず踊りを終えた黒田さんは、「これね、体にいいんですよ」と、こちらもいつもながらの力の抜けた発言。

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休憩をはさんで後半は、モンゴル民謡オルティンドー歌手の伊藤麻衣子さんと、馬頭琴奏者のアマルジャルガル・ドルギオンさんのステージ。
目の前に、無限に広がる草原が広がるような歌と演奏です。
そして、今年5月5日の開館記念日で観客を唸らせた、ドルギオンさんの超絶技巧の喉歌ホーミーも披露。またしても、会場全体が揺さぶられました。

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そして、イベントを締めくくったのは、ピアニストの谷川賢作さん。
最後に、「偽善のようですが……」と笑わせながら、ジョン・レノンの「イマジン」と「鉄腕アトム」をメドレーで演奏しました。
「鉄腕アトム」を作詩した谷川俊太郎さんは、言わずと知れた賢作さんのお父さまです。

♪空を超えて ラララ 星のかなた

鍵盤の上の指を止めて、ゆっくりと歌いはじめた賢作さんのアトムは、胸に深く沁みました。
会場全体が渦を巻くように、アトムの歌に惹き込まれていきました。

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決して観客の数は多くなかったのですが、公演後、二瓶さんは「これからもよろしくお願いします」と言って下さいました。
丸木美術館のこの空間が、これからも「芸術のサーカス小屋」の重要な拠点のひとつとして活用してもらえるのであれば、それはたいへん嬉しいことです。
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2016/11/19

「今日の反核反戦展2016」オープニング  企画展

心配された雨も何とかあがり、午後から「今日の反核反戦展2016」のオープニングイベントがはじまりました。

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実行委員の石川雷太さんの司会により、はじめに、実行委員長の増田敏郎さんの挨拶がありました。

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実行委員の皆さんが用意した食事と飲み物を頂きながら、出品作家のパフォーマンスがはじまります。最初は毎年恒例の奈良幸琥さんのパフォーマンス「白き龍に捧ぐ」。

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続いては、THaNATOS6というグループ。岩田恵さんの箏と阿部大輔さんの尺八演奏、そして目羅健嗣さんの紙芝居です。

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呼びかけ人を務めて下さっている画家の池田龍雄さんの挨拶もありました。

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さらに、トビハさんの舞踏。

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SYプロジェクトによる『ゼロベクレル プロジェクト』のパフォーマンスが続きます。

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日本憲吉(村田訓吉)さんによる『表現の魂・表現の自由を叫ぶ/日本国憲法前文朗読』も行われました。

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同時並行して、八怪堂では、☆A3BC反戦・反核・版画コレクティブによる版画ワークショップも開催中。

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最後は、美術館の新館ロビーに移動して、こちらも毎年恒例、黒田オサムさんによる「ほいと芸」です。
「今日の反核反戦展」は、年明け1月14日まで続きます。
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2016/11/15

講演会「日米開戦の日にヒロシマを考える」のお知らせ  講演・発表

12月8日に《原爆の図》のお話をします。場所は小金井市公民館東分館。
以下はWEBサイトからの転載です。

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【講演会】日米開戦の日にヒロシマを考える〜丸木位里、丸木俊の《原爆の図》を通して見えてくる「戦争」〜

【11/16(水)9:00より受付開始(申込み先着順)】

原爆投下後の広島を描いた丸木位里、丸木俊による《原爆の図》をご存知ですか?
昨年アメリカで行われた《原爆の図》の巡回展を担った原爆の図丸木美術館学芸員の岡村幸宣さんに、《原爆の図》やその巡回の意味についてお話しを伺います。
1941年(昭和16年)の日米開戦から75年目の12月8日に、《原爆の図》を通して「ヒロシマ」「戦争」を考える講演会です。

〈講師〉原爆の図丸木美術館 学芸員 岡村幸宣(おかむら ゆきのり)さん
〈日時〉2016年12月8日(木)午後6時〜8時
〈場所〉小金井市公民館東分館2階学習室(小金井市東町1-39-1 東センター内)
〈定員〉40名(小学生以上の方)
〈参加費〉無料
〈申込み〉直接図書館東分室カウンターか電話(042-383-4550)で11/16(水)9:00より受付開始(申込み先着順)
http://east.ntk-koganei.org/
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2016/11/14

『琉球新報』連載「落ち穂」第11回 現代の「民話」  執筆原稿

2016年11月14日付『琉球新報』連載「落ち穂」第11回 現代の「民話」

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盛況だった「壷井明展」のことを書きました。
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2016/11/13

今日の反核反戦展/富山妙子特別展展示作業  企画展

今日の反核反戦展2016の展示作業日。
大勢の出品作家さんが出入りして、企画展示室は一日中活気にあふれていました。

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実行委員形式になって3年目。皆さんが協力しながら展示を進めて下さっているので、私の方は特別展示の富山妙子展を担当。
と言ってもこちらの方も多摩美術大学美術館のK学芸員とボランティアの皆さんががんばって下さったので、何だかあちこち飛び回っているうちに、いつの間にか展示は終わっていました。

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全体的に、たいへん熱量のある展示になっていると思います。オープニングパーティは11月19日です。
どうぞ皆さま、ご来館下さい。
http://nonukes.nowar.maruki.net
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2016/11/12

富山妙子展作品集荷  調査・旅行・出張

午前中から富山妙子さんのお宅にお伺いして、特別展示「終わりの始まり、始まりの終わり」の作品集荷。
95歳の富山さんは、今展のために旧作だけでなく、新作の油彩画を2点出品されます。
まだ油絵具の乾ききっていない作品から、その驚くべきバイタリティが伝わってきます。

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12月3日に予定しているイベント「何も信じられない時代に何を語る?」について、富山さんは「なんだか本当にタイトル通りの時代になってきましたでしょう、嫌になってしまう」と、3度も繰り返しおっしゃっていました。

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ご自分で切り貼りして作られた展示プランは、そのものが何だかコラージュ作品のようで、お預かりするだけで身が引き締まります。
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2016/11/10

小川高校出張授業  調査・旅行・出張

午後、東武東上線に乗って、わずか2駅、埼玉の小京都・小川町へ。

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今年もまた、埼玉県立小川高校で沖縄戦についての出張授業です。
このタイミングで沖縄戦のことを話すのは複雑ですが、逆に伝えたいことがいろいろあるような気もします。

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例年の会場は町立の公民館でしたが、今年は高校の格技場。
修学旅行を間近に控えた学年全員が、畳の上に集まってくれました。

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小川高校は、丸木美術館の理事を務めて下さった故・栗原克丸先生が図書館運動に尽力された独立型の図書館があることで知られています。
みずから詩人として活動されていた栗原先生のご息女は、やはり詩人の木坂涼さん。
そして、そのお連れ合いもまた詩人のアーサー・ビナードさんで、丸木美術館とのつながりは深いのです。

静かに、じっくりと授業を聞いてくれた小川高校の生徒の皆さん。
沖縄の日々をたっぷり楽しみつつ、その奥に潜む戦争の記憶にも思いを寄せて、実り多い修学旅行になると良いですね。
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2016/11/5

岡崎弥保さん「絵本 無主物」朗読  企画展

毎年恒例、東松山市主催のスリーデーマーチも晴天で無事に終了し、この日は午後から俳優・語り手の岡崎弥保さんの「絵本 無主物」朗読会。

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なんと作家の壷井明さんがピアノ演奏を担当し、その音楽をバックに岡崎さんが《無主物》の物語を朗読するという、興味深い企画でした。
いつも波乱含みの「壷井明展」らしからぬ、美しく破綻のない公演に、休憩時間には絶賛の声も多く聞こえてきました。

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ところが、そんな穏やかな会場の空気も、後半の壷井さんのトークで一変します。
福島の子どもたちをめぐる医療問題と、その支援の場に複雑に絡んでくる政治的立場の関係を、壷井さんが批判的に語ると、会場にいたある女性が、激しく憤りました。
福島で被災し、今もさまざまな葛藤を抱え続けている母親だったのです。

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「思想ではなく、子どもたちの健康の問題」と訴える母親の強い思いに心を打たれ、しかし、思想に取り込まれることを拒否する壷井さんの気持ちも理解できる、という難しい状況。
もともと彼女は壷井さんとも交流があり、決して険悪な関係ではなかったのですが、二人の議論は30分以上も続き、簡単には結論が出ない様子でした。

本質的な問題点は、もっと別のところにあるのでしょう。
にもかかわらず、各所でこうした人間関係の分断を生み続けていることこそが、原発というシステムの大きな問題点なのだろうという気もしました。
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2016/11/3

『ベオグラード日誌』の山崎佳代子さん来館  来客・取材

『ベオグラード日誌』(書肆山田、2014年)で第66回読売文学賞を受賞された詩人の山崎佳代子さんが、丸木美術館に来館して下さいました。

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ベオグラード在住の山崎さんは、旧ユーゴの紛争も間近に体験されており、《原爆の図》に関心を持って、来日の機会にわざわざ訪ねて下さったのです。
館内をじっくりと時間をかけて絵を見てまわり、その後、あふれるように感想を話して下さいました。
その感想からは、作品の持つ表現の深さ、テーマの普遍性に、強く反応されていることが伝わってきました。

『ベオグラード日誌』は、異国に生きる詩人の、一見ささやかな日常の記録。しかし、そのあちこちに、世界の軋み、不穏な気配がひそんでいます。

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 英語、独語、仏語、露語などの「大きな言語」という大窓から、世界を観るだけでは見えないことが数えきれないほどある。セルビア語をはじめとした「小さな言語」の小窓から眺めやれば、世界は思いがけない表情を見せる。人の心の底を見つめるときも、同じだろう。多くの人々がニューヨークの9月11日やフクシマの3月11日を記憶する。だが、記憶に刻まれるべき日付は無数にある。コソボ、イラン、イラクをはじめ、記憶されないだけではなく語ることさえ許されぬ悲劇の日付が、次々と世界史に書き込まれていく。

 しかし国や言葉を越えて、心を開き合える仲間に巡り合うことは、なんという喜びだろうか。人と人との巡り合い、繋がりこそが、眼に見えない小さい力、しかし、それだからこそ内なる世界を少しずつ変える力となるのではないだろうか。この小さい力さえあれば、様々な土地の歴史に刻まれた記憶の豊かさに触れ、命の重さの等しさを感じとり、自然の力の深さを確かめ合うことができる。生活というささやかな営みに潜む、無数の小さな力が結び合うとき、何かを変えることができる。


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2016/11/1

『琉球新報』「落ち穂」連載第10回 「平和」の辛さ  執筆原稿

2016年11月1日付『琉球新報』「落ち穂」連載第10回 「平和」の辛さ

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「人類館事件」から吉見百穴、やきとりまで。
「平和」の影の、複雑な歴史の辛さ。
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