2015/12/11

ギャラリー・ヒルゲートにてトーク「新しい反核の時代と《原爆の図》」  講演・発表

トランクいっぱいに自著を詰めこみ、雨上がりの東京を後にして京都へ。

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寺町通りのギャラリーヒルゲート。お店の看板は水上勉さんの筆です。

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夕方、トークはおかげさまで盛況。
「新しい反核の時代と「原爆の図」―戦後70年・アメリカ展の報告―」と題し、おもにアメリカ展の報告を中心に話しました。
会場では新著『《原爆の図》全国巡回』と『非核芸術案内』も売って頂き、サイン会までして下さいました。
ヒルゲートでトークをするのは『非核芸術案内』を刊行した2013年12月以来で、つまり、オーナーのHさんは新著が出るたびにトークに呼んで下さっているのだと、今さらながら気がつきました。
温かい心遣いが本当に嬉しく、身に沁みます。

関西周辺からおいで下さった方がた、東京から来られた方。もっとも遠くはフィレンツェから。皆さん、本当にありがとうございました。
京都は、1951年7月に当時の丸物百貨店で京大生たちが綜合原爆展を開催した、《原爆の図》にとっても縁の深い地です。小学生のときに原爆展をご覧になったという、京都を代表する名酒館のTさんも来場して下さいました。

Tさんを連れて丸物百貨店に行ったご両親は「幽霊を見に行く」とだけ言っていたため、見世物小屋のような気分で、原爆の展示とはまったく思わなかったそうです。会場で真剣に解説をしている学生たちのおかげで、初めて原爆を知ったのだとか。
占領下のプレスコードの時代、一般の人たちの認識はそうだったのかもしれません。
「しかし、丸物の原爆展が原点になって、いまの私を作ったのです」としみじみおっしゃり、とても良い話を聞いたと嬉しくなりました。
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2015/12/11

都美セレクショングループ展「戦争画STUDIES」  他館企画など

今日から京都・福岡へ新刊書籍の行商を兼ねたトークと国際会議の旅。
新幹線に乗る前に、東京都美術館で12月20日まで開催されている都美セレクショングループ展「戦争画STUDIES」へ行きました。

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若い世代が中心となって企画し、1年かけて調査・研究した成果を「「戦争画」から導き出される美術と歴史と社会の関係を批評的な視点で捉え」るという内容で、炭坑展でお世話になった辻耕さんや、実力者の豊嶋康子さん、村田真さんも出品されています。

展覧会の見どころのひとつは、大川美術館からお借りしてきた、清水登之の《育夫像》が展示されていることでしょう。それも、テレビや雑誌などで紹介されてきた青い背景の油彩画だけでなく、これまで公開されていなかったという未完成作3点も合わせて展示されています。

軍人に憧れ、戦争画を描いた登之(その戦争画は栃木県立美術館で公開中)は、1945年6月に息子の戦死の報を聞き、深い悲しみに沈みながら息子の肖像を描き続け、その年の暮れに急逝します。
今回の展示では、青い背景の《育夫像》の裏板に登之が丹念に記した息子の経歴も読むことができるようになっています。
画面下部がぽっかりと空白になっている不思議な未完成作は、いったい何を描こうとしていたのでしょうか。

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大川美術館所蔵の油彩画は監視係が必要とのことで、辻さんが監視を兼ねて会場で油彩の作品模写をされていました。その4点の写真撮影は不可とのことだったので、辻さんの模写を撮影させていただきました。

その他の展示では、戦前・戦中に欧米以外の地域に渡航した美術家の渡航先と渡航理由を埼玉県小川町の和紙(戦時中、風船爆弾の素材にもなった)に墨で記し、地図に貼りつけた豊嶋康子さんのインスタレーション《前例》も目を惹きました。
中国・満州を中心に、東アジアを訪れた美術家は非常に多く、もちろん「完全版」ではないのでしょうが、パラオには丸木俊の名もありました。

東京国立近代美術館所蔵の戦争画153点を20分の1に縮小・模写したという村田真さんの《プチ戦争画》(しかし、ほとんど裏返してあり、画面は見えまえん。美術館で常時見られる作品の少なさを物量で見せる作品とのことです)や、1950年代に朝鮮戦争に従軍し、あるいは沖縄に駐留した米兵の個人的な写真各100点(ネットオークションで購入したそうです)をスライド上映する飯山由貴さんの映像作品なども興味深いものでした。

会期中には勉強会・イベントもいろいろあるようですが、日程が合わず参加できないのが残念です。
詳しい情報はこちらから。
http://8085201d220a1227.lolipop.jp/SSpressrelease.pdf
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2015/12/9

原爆文学研究会国際会議のお知らせ  講演・発表

今週末は、京都ギャラリー・ヒルゲートの後、福岡で原爆文学研究会の国際会議へ行きます。
岡村は2日目のセッション2「原爆を視る」にコメンテーターとして登壇します。
コメンテーター初体験なので今から緊張していますが、優秀な映像研究者の鷲谷花さんがパートナーなので救われています。
新著『《原爆の図》 全国巡回》の行商ツアーに行く、というのが正直なところかもしれません。
いつもながら充実したラインナップの皆さんの発表は、とても楽しみです。

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第49回原爆文学研究会「国際会議:核・原爆と表象/文学─原爆文学の彼方へ─」

○日時 2015年12月12日(土)〜13日(日)
○会場 九州大学西新プラザ大会議室(福岡市早良区西新2-16-23)
○主催 科学研究費(基盤B)「核・原爆と表象/文学に関する総合的研究」(代表:川口隆行)

○タイムテーブル

【1日目】12月12日(土) 13:00〜17:50

12:00 会場

13:00 開会の辞(趣旨説明)  川口 隆行(広島大学)

13:20 セッション1 移動する原爆-文学   司会 中谷 いずみ(奈良教育大学)

「投下する」側の「記憶」──2015年・日本からの再検証  島村 輝(フェリス女学院大学)

核時代の英米文学者──Hermann Hagedorn, The Bomb that Fell on America(1946)の日本語訳(1950)について  齋藤 一(筑波大学)

ジェラルド・ウィゼナーの『ヒロシマ・ブギ』──大田洋子と「ネイティヴ・サヴァイヴァンス」  松永 京子(神戸市外国語大学)

コメンテーター 吉田 裕(東京理科大学)/中野 和典(福岡大学)

16:00 休憩

16:20 特別講演   司会 李文茹(淡江大学)

大海に浮かぶ夢と放射能の島々  シャマン・ラポガン(小説家)

コメンテーター  高野 吾朗(佐賀大学)

17:50 1日目閉会

18:00 懇親会  九州大学西新プラザ展示コーナー


【2日目】12月13日(日) 10:00〜16:40

10:00 セッション2 原爆を視る   司会 楠田 剛士(宮崎公立大学)

原爆写真というメディアと〈詩〉  野坂 昭雄(山口大学)

「キノコ雲」と隔たりのある眼差し──戦後日本映画史における〈原爆〉の利用法  紅野 謙介(日本大学)

「核の不安」から「核の無関心」へ──アメリカのポピュラーカルチャーにおける核のイメージの変容  マイケル・ゴーマン(広島市立大学)

コメンテーター  岡村 幸宣(原爆の図丸木美術館)/鷲谷 花(早稲田大学演劇博物館特別招聘研究員)

12:40  休憩

14:00 セッション3 冷戦文化と核   司会  川口 隆行(広島大学)

核と自由──1960-1970年代の日米における公民権/反戦/反核運動  アン・シェリフ(オバリン大学)

〈核のない平和〉と〈核による平和〉──冷戦期日本の平和論と安全保障論から  山本 昭宏(神戸市外国語大学)

コリア核マフィアの始まり──雑誌『学生科学』(1965)を中心に  林 泰勲(韓国朝鮮大学校人文学研究院PD)

コメンテーター  市川 浩(広島大学)/高 榮蘭(日本大学)

16:40 閉会の辞  長野 秀樹(原爆文学研究会世話人代表・長崎純心大学)
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2015/12/8

ギャラリー・ヒルゲートの展覧会とトークのお知らせ  館外展・関連企画

本日より、京都のギャラリー・ヒルゲートにて、「丸木位里没後20年 丸木位里・俊・スマ・ひさ子4人の絵画展」が開催されています。

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会期は12月8日(火)〜13日(日)、午後12時から7時まで(最終日は5時まで)です。
地図などの詳しい情報は、画廊のWEBページをご覧ください。
http://www.hillgate.jp/

12月11日(金)には、午後6時から午後8時まで、ヒルゲート夜話市民講座Bコースとして、「新しい反核の時代と「原爆の図」―戦後70年・アメリカ展の報告―」と題するお話をいたします。
参加費は1,000円(学生500円)、定員40名(要予約)茶菓子付きです。
会場では、新刊の『《原爆の図》全国巡回』も販売されていますので、ぜひお近くの方は、ご来場ください。

追記:12月9日付『朝日新聞』京都版で紹介されました。
http://digital.asahi.com/articles/ASHD842K9HD8PLZB00C.html?_requesturl=articles%2FASHD842K9HD8PLZB00C.html&rm=326
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2015/12/7

青年劇場スタジオ結企画第6回公演「あの夏の絵」のお知らせ  講演・発表

休館日。夕方、秋田雨雀・土方与志記念青年劇場のスタジオ結企画第6回公演「あの夏の絵」(福山啓子作・演出)の通し稽古を見学してきました。

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広島市内にある高校の美術部が被爆証言を絵にする活動に取り組むという、実話をもとにした舞台です。
絵を描くという地味な内容をどう演じるのか、なかなか難しいのではないかと思っていたのですが、若い役者さんが熱演し、爽やかな作品になっています。

12月11日から20日までの公演ですが、15日(火)19時の部のアフタートークにゲスト出演する予定なのです。聞き手は福山啓子さん。稽古のあとで、ご挨拶をさせて頂きました。
トークでは、「原爆を描くこと」の意味についてや、アメリカ展で感じたことなどを話すことになりそうです。
詳しい内容は青年劇場のWEBサイトをご覧ください。
以下は、WEBサイトより、アフタートークのゲスト一覧です。

12月12日(土)14:00の部
 宇都宮未来さん(広島市立基町高校3年生)
 橋本一貫さん(広島市立基町高校美術部顧問)

12月15日(火)19:00の部
 岡村幸宣さん(原爆の図丸木美術館学芸員)

12月16日(水)14:00の部
 山田みどりさん(東京被爆二世の会副会長)

12月19日(土)19:00の部
 小倉康嗣さん(立教大学社会学部准教授)

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2015/12/6

今日の反核反戦展トークイベント  イベント

午後から、「今日の反核反戦展」のトークイベント。
池田龍雄さん(画家)と毛利嘉孝さん(東京藝術大学)の対談「美術と戦争」、A3BC版画ワークショップ報告会、そしてアーティストトークの3本立てです。
今年はいろんなことが同時進行で、反戦展は実行委員会の皆さんと同僚の事務職員Yさんにすっかりお任せしっぱなしでした。

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池田さんは、杖をつきながらもお元気で来館されて良かったです。
毛利さんのお話しも聞きたかったのですが、あまり時間がなくて残念でした。

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A3BC版画ワークショップの報告会は、ぜひ聞いておきたくて駆けつけました。
ドイツや沖縄で行ったワークショップの現地報告、やはり抜群に面白かったです。



その報告でも上映された沖縄・辺野古キャンプシュワプゲート前でのA3BC版画ワークショップの様子を撮影した動画がこちら。制作はRe:HENOKOの居原田遥さんです。

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鳥獣戯画を模して海猿を退治する光景を描いた木版画の横断幕は、辺野古で何者かに破られてしまったのだけど、その現物を修復して展示しているのも現場感があって良かったですね。

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そして、もはや恒例となりつつある「アート流しの小畑和彦による弾き語り」を見届けて、事務所に戻って雑務を続けました。
来年はもっとゆっくりイベントに寄り添えると良いのですが。
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2015/12/1

TBSニュース番組で「原爆の図ニューヨーク展」紹介  TV・ラジオ放送

ニューヨークのブルックリンにあるパイオニア・ワークスで開催中の「原爆の図展」。
オープニング直前にTBSの取材を受けたものの、パリ連続襲撃事件のため放送は流れたと思っていましたが、12月1日夕方のニュースで放送されたようです。

TBSの動画サイトで、その内容を見ることができます(おそらく期間限定)。
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2648628.html

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 画家の夫婦が30年以上にわたり被爆直後の様子を描き続けた絵画が、ニューヨークで展示されています。

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 「原爆の図」は、画家の故・丸木位里・俊夫妻が原爆投下直後の広島の様子を30年以上にわたって描き続けたものです。その作品の一部が今、ニューヨーク・ブルックリンで展示されています。

 「美しい絵ですが、主題は悲しく、直視するのがつらいです」(展示に訪れた人)

 会場では、画家夫妻と面識のあるカナダ在住の被爆者が、現地の高校生を前に核兵器の問題と向き合うよう訴えました。

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 「人々が核について学ぶことを怠り、無責任だったことをとても悲しく思います」(カナダ在住の被爆者・サーロー節子さん)

 「爆撃機の上からの視点で、アメリカの人はどうしても見てしまう」(「原爆の図」丸木美術館・岡村幸宣学芸員)

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 「アメリカが最初の原爆投下国となったことは、悲劇的な過ちだったと思います。自ら学ぶためここにきました」(展示に訪れた人)

 今回の展示はワシントン、ボストンでの公開に続くもので、今月20日までの予定です。


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1分13秒の短いニュースでしたが、放送されて良かったです。
取材して下さった現地スタッフの皆さんに感謝。
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