2015/11/4

『《原爆の図》全国巡回―占領下、100万人が観た!』刊行のお知らせ  書籍

8月末刊行予定が大幅に遅れていた拙著『《原爆の図》全国巡回―占領下、100万人が観た!』(新宿書房)が、ようやく丸木美術館に入荷しました。

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表紙は第2部《火》。帯に俊さんの1950年代の原爆の図展スケッチが配されて、ちょうど、人びとが絵を見上げているようなデザインになっています。

図版掲載多数、年表、地図、そして記録映画『原爆の図』(1953年、今井正・青山通春監督)のシナリオも収録しています。資料の文言の統一や校正作業などで予想以上に時間がかかってしまいましたが、粘り強く編集してくださった新宿書房の村山恒夫さん、そしてブックデザインの鈴木一誌さん、山川昌悟さんら関係者の皆さまに、まずは心から御礼を申し上げたいと思います。

1950年代はじめの原爆の図巡回展の足どりを、現時点でできる限り掘り起こしたつもりですが、こうした本は刊行したことで新たな事実がわかることも多々あります。
本書に記されていない情報をお持ちの方は、ぜひ丸木美術館までご一報頂ければと思います。

丸木美術館での販売分には、先着150冊まで、貴重な記録映画『原爆の図』(1953年)のDVDが付録でつきますので、ぜひお求めください。

新宿書房から直接お求めの方は、こちらから。
http://www.shinjuku-shobo.co.jp/2003Top2.html

どうぞ皆さま、広くご紹介ください。よろしくお願いいたします。
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2015/11/4

『東京新聞』に原爆の図米国展紹介  掲載雑誌・新聞

【戦後の地層】〈和解と愛国〉(1)原爆“「米兵の死」 泣き崩れ”
 ―『東京新聞』2015年11月4日朝刊1面

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『東京新聞』の大型連載企画【戦後の地層】の最終シリーズとしてはじまった〈和解と愛国〉の第1回で、原爆の図米国展のエピソードが紹介されました。
ワシントンD.C.アメリカン大学の展覧会で《米兵捕虜の死》の絵の前で崩れるように座り込んだ退役軍人と、ボストン大学の展覧会のエピソードです。

以下のWEBサイトで記事全文を読むことができます。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/Postwar70th/sengonotisou/CK2015110402000190.html

原爆の図に関連する個所を抜粋して紹介いたします。

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 その白髪の老人は、退役兵が好む、「WWII」(第二次世界大戦)と刺しゅうされた濃紺の野球帽をかぶっていた。今年六月、米国ワシントンのアメリカン大学で開かれた原爆展初日。歩行器に支えられた老人は、「米兵捕虜の死」という絵の前で泣き崩れた。

 広島出身の画家、丸木位里・俊夫妻が描いた連作「原爆の図」の一枚。広島の捕虜収容所にいて犠牲となった米兵を描く。報道陣に取り囲まれると「私がこの絵のようになるかもしれなかったんだ」「日本は、中国で何をしたんだ」とまくしたてた。名前は言わなかったが、九十四歳で元通信兵であることは明かした。駐留したのは、広島に原爆を落としたB29爆撃機エノラ・ゲイが飛び立ったテニアン島だった。

 翌朝再び訪れた老人は、静かに同じ絵に見入った。


(中略)

 白髪の元兵士の心を乱した「米兵捕虜の死」を丸木夫妻が描いたのも米国での体験がきっかけだった。

 原爆の図は一九七〇年、米国で初めて公開された。「程度の悪い美術品よりもっと悪い。反感をもよおさせる」(ニューヨーク・タイムズ)と酷評された。

 夫妻は帰国後、広島で亡くなった米兵捕虜を描き始める。原爆は国籍に関係なく人を殺すということを訴えるのが目的だったが、捕虜は市民が石を投げて殺したという証言を聞く。「捕虜の死因については現在、諸説あるが、夫妻が戦争の加害についても描く転機となったのが、その一枚でした」(岡村幸宣・原爆の図丸木美術館学芸員)

 痛みを伴う歩み寄りが積み重ねられてきた原爆展。絵とともに米国の開催地を巡った岡村は、対立を解きほぐす時間の力も感じた。ワシントンに続いて会場となったボストン大学で、地元で摩擦が起きないか若い現場責任者を気遣うと、屈託ない答えが返ってきた。「これだけ世界は小さくなって人は行き来しているのに、(自国の考えに)こだわるのって通らないよね」


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この他にも、アメリカン大学の展覧会オープニングで挨拶をされた広島の被爆者・山本定男さんがエノラ・ゲイを見学した話や、1995年にスミソニアン航空宇宙博物館で中止に追い込まれた原爆の被害展示を引き受けたアメリカン大学の展覧会のノートに記された感想をたどりながら、国境を越えて原爆を見つめる人びとの思いを丹念に取材した、素晴らしい記事です。

書き手は木原育子記者。どうもありがとうございました。
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