2015/10/6

東京都現代美術館「ここはだれの場所」/神奈川県立近代美術館「若林奮展」  他館企画など

午前中、東京都現代美術館「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」(10月12日まで)へ。

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会田誠の作品の撤去問題が話題となった展覧会ですが、個人的には、以前に沖縄県立博物館・美術館のT学芸員から伺っていた、ヨーガン・レールの展示を観ておきたいと思って足を運びました。

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2014年に不慮の事故で亡くなったデザイナーのヨーガン・レール。沖縄に移住した彼は、美しい島の海岸に流れ着くプラスチックのゴミを集めて作品に再生させ、自然環境の破壊へ継承を鳴らしていました。
「ただ美しいだけのオブジェではなく、もう一度人の役に立つ実用的なものに変えましょう。これは、ものを作ることを仕事にしている私の小さな抵抗です」という言葉が胸に響きます。

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話題の会田誠の展示は、写真の「文部科学省に物申す」という《檄》も刺激的でしたが、もうひとつの問題作、《国際会議で演説をする日本の総理大臣と名乗る男のビデオ》(2014年)が、非常に興味深かったです。
安倍総理に扮し、つたない英語で「あらゆる国は鎖国せよ」と熱弁する名演技は、とぼけたような笑いに包みながらもグローバリズムの本質をついた批判になっていて、最後まで惹き込まれるように観てしまいました。

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所蔵品展示の「MOTコレクション 戦後美術クローズアップ」も、香月泰男や浜田知明、石井茂雄、桂ゆき、井上長三郎、鶴岡政男らそうそうたる顔ぶれの、しかし、決して広く知られているわけではない作品を紹介して戦後美術史を見つめるという見ごたえ十分の内容です。

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午後は神奈川県立近代美術館葉山に移動して、「若林奮 飛葉と振動」展を観ました。

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鉄を素材に用いた彫刻家として国際的に知られる若林奮の回顧展。
個人的には、高校の先輩でもある若林さんの名前を知るきっかけになった、日の出町のゴミ処分場問題のさなかに作られた森のなかの庭《緑の森の一角獣座》(こあの名前をつけたのも、やはり高校の先輩である吉増剛造)がクローズアップされていたことに感慨を覚えました。

当時、美術大学の学生だった自分にとって、芸術が社会と切り結ぶことの意味、そして無力さ、無力のように見えて、物理的に失われても記憶に残り続ける芸術の力を考えさせられる最初の体験だったのです。

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夕方からは、平塚市美術館で来年度企画の打ち合わせ。K館長、H館長代理、K学芸員と駅前の魚の美味しい店で夕食を頂き、充実した一日に嬉しい気分で帰宅しました。
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