2015/8/16

【米国出張@】ワシントンD.C.「原爆の図展」最終日  調査・旅行・出張

ワシントンD.C.のアメリカン大学美術館で行われている「原爆の図展」の作品撤去に立ち会うために、昨日から米国に来ています。
展覧会最終日の今日は、開館1時間前に美術館に到着して、午後4時の閉館まで一日じゅう美術館内で過ごしました。

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午前中は、観客も少なかったので、ゆっくり作品と向き合う方が長かったかもしれません。
午後も、すごくたくさんの観客、というわけではありませんでしたが(この時期の丸木美術館の方が混雑しているでしょう)、会場に人が途絶えることはありませんでした。

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観客は、やはり白人系の夫婦・家族連れが多く、全体の6割程度。
非白人の観客は、ほとんど日本人でした。
朝一番に来て下さったのは、日本からアメリカに仕事に来ていた博物館教育の先生。
米国在住の芸術系の大学教授や、立教大学ラテンアメリカ研究所の研究員、立命館大学からアメリカン大学に留学している学生も美術マネジメントを学んでいる友人を連れて来てくれました。
話をしてみると共通の知人がいたりして、米国に行っても世界は広いようで狭いものです。

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午後には、ピーター・カズニックさんも会場に姿を見せて下さいました。
会期中の観客の反応は概ね好意的。「真珠湾攻撃の視点がない」などの批判もあったけれど、ごくわずかだそうです。
会場に置かれた感想ノートの内容もほとんどが好評でした。日本語の感想も書かれていて、なかには中国語と思しき感想もありました。

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カズニックさんによれば、観客からの疑問として多かったのは、「なぜ《米兵捕虜の死》に女性が描かれているのか」という問題だったそうです。
それは丸木夫妻が1971年に広島で聞き取りをした際、「捕虜のなかには女性がいた」との証言を聞いたためなのですが、その後の調査によれば、実際には女性兵はおらず、おそらく若い白人兵が女性のように見えたのだろうと言われています。
まあ、この作品に限らず「歴史的真実」と「芸術的真実」は、必ずしも常に一致するというわけではないのですが、なかなか答えに難しい問題です。

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つい先日まで日本に滞在していたカズニックさんは、広島、長崎をはじめ、名古屋、長野など各地を講演で飛び回っていました。
その間にオバマ大統領がアメリカン大学で講演をするという機会があり、もしオバマが「原爆展」を見るのであれば(大学側から招待状は出していました)、予定を変更して帰国し、会場の案内をするつもりでいたそうですが、残念ながら実現しなかった、とのこと。
この話題は、日本でも紹介されていましたが、オバマが展覧会を見ないことは、やはり事前にわかっていたようです。

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それだけ慌ただしい日本滞在のなかで、しかし、(お互い野球好きということもあって)カズニックさんは「広島カープと阪神タイガースの試合を8月5日に見た。2-8で負けてしまったけど」と、ニヤリと笑いながら報告して下さいました。
「ピースナイターに負ける(カープは8月6日とあわせて「ピースナイター」という企画を行ったものの、無残に連敗)なんて、カープは良くない」と答えると、「いや、今年だけじゃない、去年も一昨年も、ずっとカープの状態は良くない」と厳しいお言葉。それだけ心にかけてくれているということなのでしょう。

そんな話をしているうちに、午後4時を迎え展覧会は無事に終了。
明日は朝から作品撤去・梱包作業を行います。
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