2015/6/15

【米国出張8日目】ボストン大学打ち合わせ/ボストン美術館  調査・旅行・出張

ボストン滞在2日目。米国へ来て初めての雨。
午前中、地下鉄(途中から路面電車)に乗って、Boston University West駅へ。

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9月から展覧会を予定しているボストン大学へ、打ち合わせのため訪れました。
大通りに面した、石造りの風格のある建物です。

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展覧会を予定しているのは、ボストン大学アート・ギャラリー。
アメリカン大学ほど立派な設備が揃っているようには見えませんが、歴史を感じさせる雰囲気がボストンらしく、とても気に入りました。
芸術学部の学生たちが同じ建物の中で活動していて、若者たちとの距離が非常に近いのも好感が持てます。

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ギャラリー担当のJさんたちスタッフが笑顔で迎えて下さいました。
最初に驚いたのは、同行したHさんが「ボストンは私たちにとって特別な場所です。なぜなら、1988年に丸木夫妻がマサチューセッツ芸術大学で名誉博士号を受賞したからです」と話したところ、二人とも当然のように知っていたことでした。

それどころか、私が「できれば会期中に1988年に公開されたジャン・ユンカーマン監督の映画『HELL FIRE―劫火 ヒロシマからの旅』を上映して欲しい」とリクエストすると、すでに米国版の映像を入手していた上に、大木正夫作曲の交響曲第5番「ヒロシマ」の存在まできちんと調べていたのです。

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「『原爆の図』を展示するにあたって、絵画に加えて、映画や音楽など多角的な角度から紹介したい」というJさんの言葉は、とても嬉しく心に響きました。
大木正夫という作曲家が、映画『原爆の図』(1953年、今井正・青山通春監督)の映画音楽を担当し、それをもとに交響曲まで制作していたことは、日本でもあまり知られていません。

アメリカン大学のオープニングでHさんがスピーチをした際、「原爆の図》の芸術性は人の心を動かす」と語っていましたが、どちらかといえば「戦後70年に原爆投下の是非を問う」という政治的な展覧会となったワシントンD.C.の展示に対し、ボストン大学は《原爆の図》の芸術性に焦点を当て、原爆を表現し伝えることの意味を深める内容になります。

会期は9月10日から10月18日まで。10日のオープニング・レセプションでは、私も芸術的視点から《原爆の図》を語る講演を行うことになりそうです。

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会場は、部屋の中央にならぶ円柱の存在や、微妙に幅が足りない壁面の問題もないわけではありませんが、何とか6点の《原爆の図》を展示することは可能な広さでした。

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知識人が多いとされるボストンの街で、27年ぶりの《原爆の図》がどのように見られるのか。
日本でもまだ企画されていないような、《原爆の図》に対する敬意がひしひしと伝わってくる内容の展覧会なので、非常に楽しみになってきました。

   *   *   *

ボストン大学の打ち合わせの後は、ボストン美術館を訪れました。
日本美術の非常に良質なコレクションで知られるボストン美術館。
玄関で、TさんHさん夫妻と古くからの友人のJさん(昨日とは別の方)と待ち合わせ、美術館の中に入ります。

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現在、企画展として、日本の写真家がとらえた震災以後をテーマにした「In the Wake Japanese Photographers Respond to 3.11」(7月12日まで)を開催中。

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荒木経惟や川田喜久治、畠山直哉、志賀理江子ら、さまざまな世代の17人の写真家の作品が展示されています。NHKがヘリコプターで上空から撮影した津波の臨場感あふれる映像も流れていました。

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そのなかに、丸木美術館でも個展を行った新井卓の銀板写真も展示されていました。
今回は、その新井さんに紹介されたキュレーターのAさんにお会いし、少しだけご挨拶をさせて頂きました。

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「ひとりひとりの反応はよくわからないけれど、予想以上に大勢の観客が見てくれて手応えを感じている」というAさん。
震災の被害写真だけではなく、さまざまな角度、視点から表現としてあらわれた「3.11」の影響を見せようという興味深い企画で、この機会に見ることができて良かったです。

   *   *   *

ちょうど開催中だった「HOKUSAI」展(8月9日まで)も見てきました。
さすがに人気の北斎の企画展。ディスプレイにもたっぷりと予算をかけています。

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「富士」や「滝」などいくつかのセクションに分かれた展示は、日本ではむしろ見られないくらい作品の質も素晴らしく、大勢の観客が惹き込まれるように見入っていました。

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美術館が閉館した後は、フランス料理店で美味しい魚料理のディナーを頂き、ボストン在住のJさんに案内されて、マサチューセッツ街にあるWally's Cafeという小さなジャズ・クラブに向かいました。

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このジャズ・クラブは、1947年に開店した歴史ある店で、若い音楽家の発表の場として長く活動を続けてきたそうです。
もともとは道路の反対側にありましたが、1977年に現在の場所に移転してきたとのこと。

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チャーリー・パーカーやビリー・ホリディ、アート・ブレイキーといった著名な演奏家・歌手も、この店に出演したことがあるそうです。

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この日は高校生の若者たちのセッションでした。
大人たちが酒を楽しみながら静かに演奏に耳を傾ける光景からは、当たり前のように街の文化を守り育てていく人びとの姿勢を考えさせられ、とても気持ちの良い夜になりました。
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