2015/6/14

【米国出張7日目】レバノン人画家アトリエ/ワシントンからボストンへ  調査・旅行・出張

アメリカン大学ではじまった「原爆の図展」の反響が、日本で続々と出てきているようです。

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米・ワシントンで「原爆の図」を初展示
 ―6月14日NNNニュース(広島テレビ提供) 
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20150614-00000010-nnn-int

広島、長崎の被爆70年にあわせて原爆の悲惨さを描いた絵画「原爆の図」が、アメリカ・ワシントンで初めて公開された。
「原爆の図」は広島出身の画家・丸木位里さんと妻の俊さんが描いた作品。高さ180センチ、横720センチからなるびょうぶには、原爆投下直後、炎の中で苦しむ人々の姿などが描かれている。
アメリカでは原爆投下を正当化する意見も根強い中、展示の企画者は「若い世代に見てほしい」と呼びかけている。
展示を企画した早川与志子さん「若い人たちが70年前に実際に何が起きたのかということを、芸術の力を借りて平和への道を築くきっかけになってほしい」
展示は8月16日まで行われる予定。

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今朝は、昨夜のレセプションで出会ったレバノン人画家シャウィー・フレンChawky Frennの家に招待され、朝一番にTさんHさん夫妻、写真家Sさんとともにホテルを出発。

大学美術館から車で15分ほど、ワシントンD.C.近郊の集合住宅の一室に案内されました。1981年に渡米してきたというシャウィーは、ジョージ・メイソン大学の美術学校教授をしながら、米国社会が内包している矛盾を絵画によって可視化する活動を続けているそうです。

私たちの来訪をとても喜んで、たくさんの果物やお菓子でもてなしてくれました。とりわけ、食後に入れてくれたトルコ風のエスプレッソ・コーヒーは、薄味のアメリカン・コーヒーにやや辟易していた身には、とても嬉しく感じました。

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部屋の壁には彼自身の作品や恩師の油彩画などとともにケーテ・コルヴィッツの版画の小品が1点ならび、まるで小さな画廊のようです。

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「《原爆の図》にはとても共感した。政治的ではない、human rights―人権を描いた作品だ。昨日はこの国に来て初めて原爆の話を聞いた。ワシントンD.C.にはホロコースト博物館があるというのに、なぜ原爆博物館がない?」
興奮する彼の話を聞きながら、画集や実際の作品も見せてもらいました。

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ネイティブ・アメリカンの骸骨の上に立つジョージ・ワシントン像。理想を掲げる合衆国憲法の条文が記されたポスターの上に描かれた泣き叫ぶアラブの子どもの絵。米国国旗で包まれた死者の像。
複雑な米国社会のなかで、自らの故国を思いながら、孤独な“戦い”を続けている彼にとって、《原爆の図》は魂の部分で分かり合える仲間のように思えたのでしょう。

この作品で米国社会で認められるのは大変だ……と思いつつ、それでも大学教員として生計を立てることのできるこの国の懐の深さに、日本だったら果たしてどうだろうかと、つい考えてしまいます。

その後、シャウィーの車でアメリカン大学美術館に送ってもらい、《原爆の図》の前で少しだけ絵について語りあいました。
彼もまた、20世紀のひとつの潮流である社会派リアリズムの仕事を引き受け、継続している芸術家なのだということを、あらためて感じました。

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この日は、熱心に核問題を取材して全米を飛び回っているA新聞のT記者と、少し落ち着いて話をすることもできました。T記者は、いかにもジャーナリストらしい鋭い分析力と取材力を持つ記者で、話をしているとこちらも非常に勉強になります。
6月2日付『朝日新聞』朝刊に掲載された彼のピーター・カズニック教授へのインタビューは、非常に読み応えのある内容で、原爆の図展開催についても触れています。
http://www.asahi.com/articles/DA3S11785770.html

昼過ぎにアメリカン大学美術館を出た後は、ホテルで明日帰国する写真家のSさんと別れ、TさんHさん夫妻とともに夕方のレーガン空港発の便でボストンへ移動。

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飛行機の窓の下には、ニューヨークのマンハッタンが見えました。

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ボストンのホテルに到着すると、TさんHさん夫妻の古い友人で、今回、ボストン大学へ展覧会の話の橋渡しをして下さった81歳の経済学者Jさんとともに港のすぐ近くのレストランに行きました。
Jさんは貧困に苦しむアフリカ諸国を救うための経済の研究を続けてきた方で、今もウガンダに飛んで行ったり、現役で仕事を続けているそうです。

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ボストンに来たからにはロブスターを食べた方がいい、というわけで、美味しいロブスター料理を頂きました。
疲れが出たのか、少し体調を崩していたのですが、よくやく体も元に戻ってきました。

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窓から見える港の夜景も美しいです。
明日は、ボストン大学へ行き、ワシントンの次の展覧会の打ち合わせを行います。
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