2013/3/17

壺井明特別展トークイベント「福島の現状と活動を知る」  イベント

午後2時から、特別展示「壺井明 無主物」の関連企画として、トークイベント「福島の現状と活動を知る」が行われました。

この企画は、特別展示中の《無主物》を描いた壺井明さんが、いま、福島で起きている問題を生の声で聞いてもらいたいとの思いで企画したものです。

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ゲストは、福島市から米沢市に避難された主婦のSさんと、ふくしま共同診療所の杉井吉彦医師、避難プロジェクト@ちばの木内敦子さん。
会場には約50人の聞き手が集まり、小さな展示室はいっぱいになりました。

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最初に話して下さったのは、福島市から子どもを連れて避難されたSさん。
日常生活の場から高い放射線量が検出され続ける中で、福島では被ばくについての話題が避けられ、その不安から人間関係の分断が起きているという内容です。
避難区域が日に日に広がっていくなかで、子どもたちを守りたい一心で、泣きながら車に乗って福島を離れたという話。
本当に子どもたちを被ばくから守ろうという気があるのかどうか、首を傾げるような対応が続く学校に質問に行ったところ、「原発は国策だからあなたにも責任がある」と言われたという話。
今ここにいる子どもを守らないで「少子化問題」を説く政治家には失望しか感じないという思い。
そして、福島では子どもたちの甲状腺を診てくれる病院がなく、ようやく市民の募金によって開設した民間診療所は、政治的な中傷を受けてたいへんな思いをしているという報告。

福島では自分の思っていることも言えず我慢して生きている人がたくさんいる。何よりも大事なのは、一人の子どもの命を救うこと。そのために尽力してくれている医師や病院関係者を、外部の人が簡単に中傷することに心から憤っている……そう、Sさんは訥々と語りました。診療所の価値は、それを必要としている私たちが決める、と。

東京から福島に通って診療を行う杉井医師も、「いま、福島の子どもたちと向き合わなければ、何のためにこれまで医療を学んできたのか」という思いで、ふくしま共同診療所に参加した医師のひとりでした。

福島の人びとの声を聞き、それを絵物語として作品化していった壷井さんは、その一方で、やはり直接、福島で暮らす人や支援を続ける人の声を、より多くの人に届けたいという気持ちがあったようです。
有名になった人の話を聞くことも大切。けれども自分は、ふだん声を届けることができないような立場の人の声を聞く機会を設定したい……この企画を提案したときの壷井さんの言葉を思い出します。
小さな企画ではありましたが、非常に充実した良い時間だったように思います。
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