2013/3/14

群馬県立近代美術館「破壊された都市の肖像」展  他館企画など

午後から、群馬県立近代美術館で開催中の「破壊された都市の肖像」展(3月24日まで)を観に行きました。

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この企画は、もともと群馬県立近代美術館が「戦争と平和」をテーマに収集した作品と、故砂盃富男コレクションの寄託作品から構成されています。
そのため、決して規模の大きな展覧会というわけではないのですが、パブロ・ピカソのスペイン内戦におけるゲルニカ爆撃を主題にした絵画《ゲルニカ》のタピスリ(つづれ織り、世界に3点しか制作されていないうちの1点)や、オシップ・ザッキンのドイツ軍によるアムステルダム空爆を主題にした彫刻作品《破壊された都市》、ヘンリー・ムーアがロンドン空襲の際に地下鉄に避難した母子を描いた《奉献(三人の女性と子供)》、そして井上有一の前衛書《東京大空襲》連作などが展示された、なかなか見応えのある内容でした。

最初の部屋の中央には、ザッキンの《破壊された都市》がそびえたち、その背後にピカソの《ゲルニカ》のタピスリが重なるように見えます。非常に迫力のある空間です。
福澤一郎の《敗戦群像》や鶴岡政男の《夜の群像》などの見慣れた作品も、この空間に展示されると、複雑な意味を帯びて見えてきます。浜田知明の版画《初年兵哀歌 風景》が展示されていたのも印象的でした。「都市の破壊」とは、もちろん、加害者の記憶としての破壊、という面も含まれています。

そして、井上有一の《東京大空襲》連作30点が天井から吊るされ、壁面に《噫横川國民學校》の展示された空間は圧巻でした。

猛火狂奔襲難民 親庇愛児縋親
米機殺戮十萬人 江東一夜化地獄

昭和二十年三月十日 東京大空襲
余前夜有一録本所区横川国民学校宿直 終生不可忘


生々しく表現された前衛的な書の迫力。
静寂の中でそれぞれの作品が風にかすかに揺れる様子は、焦土となった東京の下町の風景を思い起こさせるようでもあり、死者たちの追悼碑のようでもあります。
このところ、「非核芸術」について考え続けていましたが、「非戦」というテーマも含めて、芸術表現とは記憶をつなぎとめるものであり、個人が自由を手にする手段なのだということを、あらためて考えさせられます。
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2013/3/14

『東京新聞』に「非核芸術案内」最終回掲載  執筆原稿

2013年3月14日付『東京新聞』4面「3.11後を生きる」欄に、「非核芸術案内」が掲載されました。
昨夏に5回、そして今春に6回、計11回続いた連載の最終回です。
紹介した作品は、1959年に粟津潔・杉浦康平が共同制作した第5回原水爆禁止世界大会ポスター《原水爆禁止+核武装反対!》と、新井卓の銀板写真《第五福竜丸元乗組員・大石又七》。
グラフィックデザイナーの粟津潔と、三軒茶屋の芸術スペースKENを主宰する粟津ケンさんの父子の物語を中心に、現在上映中の映画『〜放射能を浴びた〜X年後』などの紹介も盛り込みながら、渾身の思いを込めて、核に抗する芸術の意味を問う文章を書きました。
自分なりに、最終回にふさわしいまとめ方ができたのではないかと思っています。

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本当は、まだまだ紹介したい非核芸術がたくさんあるのですが、連載の流れのなかでどうしても紹介しきれない作品がでてきてしまい、それだけが心残りです。
また、いつか発表の機会がありましたら、続きの非核芸術を取りあげていきたいと思っています。
お世話になった担当のH記者はじめ東京新聞の皆さま、そして快く連載に協力して下さった作家および関係者の皆さまに、心より御礼を申し上げます。どうもありがとうございました。
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