2012/12/12

ポレポレ坐「エンサイクロペディア・シネマトグラフィカ」連続上映会@屠畜  他館企画など

丸木美術館の閉館後に、東中野のポレポレ坐へ駆けつけて、「20世紀の映像百科事典エンサイクロペディア・シネマトグラフィカを見る 連続上映会@屠畜」を観ました。

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「エンサイクロペディア・シネマトグラフィカ」(EC)とは、私も今回の企画で初めて知ったのですが、ドイツの国立科学映画研究所で1951年にはじまったプロジェクトで、世界じゅうで撮影された2000タイトル以上の映像記録を集積したアーカイブだそうです。
日本でも1970年より下中記念財団(平凡社の創立者下中弥三郎を記念した教育・出版への助成を目的とした財団)によって、アジアで唯一のフルセットの映像が管理・運用されているそうですが、現在、ドイツのECプロジェクトは解散し、日本でも16mmフィルムの上映機会がほぼ途絶えている状況とのこと。

今回は、「屠畜」をテーマに、以下の4本の映像記録を上映。

@中央ヨーロッパ・チロル/ヴィルアンダースの家庭の屠殺 ベーコンとソーセージづくり
A北ヨーロッパ・ノルウェー/サミ人/初秋のトナカイの狩り集め、耳への刻印、去勢、屠殺と解体
B北ヨーロッパ・ノルウェー/サミ人/トナカイ肉解体
C西ニューギニア・中央高地/ファ族/豚の屠殺と料理


さらに特別上映として、現在、纐纈あや監督が撮影中の映画『ある精肉店のはなし(仮)』のラッシュフィルムを観せて頂きました。

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ゲストは、人類学者・外科医の関野吉晴さん、北出精肉店店主の北出新司さん、写真家・映画監督の本橋成一さん。
世界各地の屠殺の映像を観ながら、さまざまな視点の専門家が「これはこういう作業をしているところで……」とか「シベリアのトナカイの屠殺の場合は……」と言った具合に、補足の説明を加えてくださるという、たいへん興味深い、時間を忘れてしまうような3時間でした。

生きものの命を頂き、食べるための“肉”へと解体していく……というと、グロテスクな映像のようなイメージが浮かぶのかもしれませんが、その作業のあまりの手際の良さ、そして所作の美しさが、映像を観終わったあとも、ずっと心に残っています。
纐纈監督の映画も、これは絶対観なければ、と期待の高まるラッシュフィルムでした。

イベントの最後に、司会のNさんに紹介されて、現在丸木美術館で開催中の本橋成一写真展「屠場」について少し話をさせていただきました。
そのとき、ふと口をついた「全部つながっている」という言葉。
丸木夫妻の《原爆の図》も、本橋さんや纐纈さんの「屠場」も、全部つながって、現代の社会と“いのち”を考えるための鏡なのだと思います。

この「エンサイクロペディア・シネマトグラフィカ」連続上映会の第2回は、年明けに「アフリカの音楽・芸能」をテーマに行う予定だそうです(日程未定)。
ぜひ、また足を運んでみたいと思っています。
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