2011/11/9

『世界は恐怖する 死の灰の正体』上映会のお知らせ  イベント

11月12日(土)午後2時より、丸木美術館にて『世界は恐怖する―死の灰の正体』(1957年、亀井文夫監督)の映画上映会を行います。
上映は都立第五福竜丸展示館。上映後には同館の安田和也主任学芸員が現在の視点から映画の補足解説を行って下さいます。
参加は自由、当日の入館券が必要です。

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『世界は恐怖する―死の灰の正体』は、第五福竜丸事件で知られるビキニ環礁の水爆実験など、米ソ核開発競争が激化する1950年代に、いち早く放射能の生物への影響を記録し、空気中や雨水に含まれる放射能の分析や、遺伝的な影響、広島長崎の被爆者の取材、未来の放射能汚染の予測など科学的視点をふんだんに盛り込んだ画期的な作品です。

解説は徳川夢声、制作には勅使河原宏も参加し、地球化学者の三宅泰雄、物理学者の武谷三男など当時を代表する数多くの科学者が協力。そして、動物への放射能実験の様子や顕微鏡で撮影した細胞の突然変異などの画面に、しばしば印象的にモンタージュされるのは丸木夫妻の《原爆の図》です。

朝、元気にラジオ体操をする子どもたちの深呼吸に、そしてチリや雨水にまじって田、畑の土に、稲に、野菜に、牛乳に、しのび込む目に見えない“死の灰”の恐怖。
“死の灰”を実験的に体内に注ぎ込まれたネズミやウサギは、骨ガンや白血病をひき起こします。死んだ人の骨を焼いてみると成人より幼児に多いという調査結果や、放射線が遺伝子を傷つけ、障碍を持って生まれてくる新生児の姿は、映画を観る者に衝撃を与え、とりわけ福島第一原発事故後の現在では、“これから起こりうる過去”として私たちにのしかかってきます。

皮肉にも、福島県相馬郡原ノ町、つまり現在の南相馬市に生まれた亀井監督は、映画の最後に次のようなメッセージを残しています。

死の灰の恐怖は、人間が作りだしたものであって、地震や台風のような天災とは根本的にちがいます。だから人間がその気にさえなれば、必ず解消できるはずの問題であることを、ここに付記します。

放射能のもたらす恐怖に警鐘を鳴らし、核廃絶を願った亀井監督。
半世紀以上の歳月を経てもまったく古びていない内容の名作ドキュメンタリ映画を、いま、私たちはどのように観るべきなのか。
深く考えさせられる内容の映画ですので、ぜひ多くの方にご覧頂きたいと思います。
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