2011/7/23

館内説明と第8部《救出》  来客・取材

午前中は三多摩ヒロシマ子ども派遣団、午後には大東文化大学教育学部の学生が来館。
それぞれ《原爆の図》の前で館内説明を行いました。
どちらの団体も毎年続けて来館して下さっています。

丸木美術館の館内説明は、基本となる形はあるのですが、そのときどきの社会状況や団体の構成などを考慮して、初めて絵を観る人がどうすれば作品理解を深めることができるのか、少しずつ内容を変えて工夫をしながらお話しています。
そのため、何度か説明をお聞きになっている方は、「今回は前の説明と違ったので、新しい発見があった」とおっしゃって下さることもあります。

近ごろは、原爆の図第8部《救出》を導入にお話をすることが多くなりました。
なぜ《救出》なのかというと、この作品の左半双部分には、原爆投下数日後に広島市内へ救援活動に入った「入市被爆者」が描かれているのです。
炎が燃えさかるわけではなく、余白の多い、一見静かな画面なのですが、この余白の部分には、目に見えない放射能があったはずです。
この余白から想像力を広げれば、ヒロシマと現在のフクシマがつながっていきます。

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その上で、丸木夫妻がどれほどの思いで《原爆の図》を描く決意をしたのか、丸木夫妻に悲しい記憶を語った人たちがどんな願いを込めたのかとお話すると、60年前に描かれた作品が、ぐっと身近に感じられるようです。

   *   *   *

夕方には、7月26日から行われる長野県松本市浅間温泉の神宮寺での《原爆の図》展示に合わせて、館内の一部展示替えを行い、丸木スマの作品計16点を展示しました。

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このところ大がかりな企画が多かったので、丸木スマの展示室ができるのは久しぶりです。
代表作《簪(かんざし)》や《内海の魚》をはじめ、《めし》、《おんどりめんどり》といった色鮮やかな生きものたちの作品、季節にあわせた《夏みかん》などがならぶと、部屋が急に明るくなったような気がしました。
「ひろしま忌」に合わせて、スマが原爆を描いた作品《ピカの時》も展示しています。
この展示は、神宮寺から《原爆の図》が戻ってくる8月8日までご覧いただけます。
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