2011/7/9

KEN映画上映会「クラシック&アヴァンギャルド」  他館企画など

午前中、来年度のカレンダー制作に向けての打ち合わせを行いました。
今年は丸木夫妻の絵本原画がテーマです。
午後にはデザイナーのM理事が《12のつきのおくりもの》、《赤神と黒神》など掲載作品の写真を撮影。なかなか良いカレンダーになりそうです。

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夕方には、「針生一郎展」に出品された粟津潔のシルクスクリーン作品を返却するため、三軒茶屋のスペースKENへ行きました。
KENでは、「クラシック&アヴァンギャルド」と題する映画上映企画を3週にわたって開催中。

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第1回目の今日は、「映画の創造と日本の実験映画のあけぼの」というテーマで、日本の実験映画の草分けの飯村隆彦さんが所蔵されている貴重なフィルム――世界最初の映画となったリュミエール兄弟の作品集や、“特撮映画の父”と言われるジョルジョ・メリエスの代表作『天文学者の夢』(1898年)、『月世界旅行』(1902年)など19世紀末から20世紀初頭の作品――の上映に加え、飯村さんが手がけた1960年代の実験映画が御本人の解説つきで上映されるというとても興味深いな企画でした。

“映画の父”と言われるリュミエール兄弟が、トマス・エジソンの発明した「キネトスコープ」を改良し、スクリーンに投影できる映画を世界で最初にパリで公開したのが1895年。
駅のプラットフォームに蒸気機関車が到着する光景や、工場から仕事を終えた従業員が出てくる姿などを、ワンシーン・ワンショットの固定画面で撮影したわずか数分のショートフィルムでしたが、初めて大画面で動く映像を観た観客は迫り来る汽車を恐れて客席から飛び退いたそうです。
もちろん、迫力という点では現代の映像とは比べようもなく、画面自体も明るくないので、飯村さんがおっしゃったように「100年前と近似的な状況を観る側が作り出す努力が必要」なのですが、映画の“原点”の表現は、むしろある種の“新しさ”を含んでいる印象を受けました。
実際、飯村さんによれば、現代美術家アンディ・ウォーホルがエンパイヤ・ステートビルを固定カメラで延々と撮影し続けた有名な実験映画『エンパイヤ』(1964年)は、リュミエールの影響を受けつつ、コンセプトを拡大して制作したものではないか、とのこと。
“クラシック”と“アヴァンギャルド”は正反対のようで実は近い位置にあるのかも知れません。

飯村さんの初期作品のなかでは、『リリパット王国舞踏会』(1964年)が興味深かったです。
映画の主人公「K氏」として風倉匠、通行人として赤瀬川原平が登場し、ハプニング的映像の連続が、1960年代のネオ・ダダ/反芸術運動の雰囲気を色濃く伝えてくれます。
飯村さん自身が作品について記した文章(『あいだ』2008年8月20日号掲載)も見つけました。
http://takaiimura.sblo.jp/article/20057344.html

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KENでは、7月16日(土)に「映画の創造と日本の実験映画とビデオアートのあけぼの」と題し、トマス・エジソンの作品集や飯村さんの映像舞踏(土方巽暗黒舞踏)などを上映。
さらに7月23日(土)には「初期アニメーションと『映画的黙想のために』」と題し、ウォルト・ディズニーらの初期アニメーションと飯村さんの『映画的黙想のために』を上映するそうです。
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