2009/1/31

若州一滴文庫T学芸員来館  館外展・関連企画

冬。丸木美術館の来館者は一年でもっとも少ない季節ですが、この時期は来年度の企画展に向けて、館内外でいろいろと動きがでてきます。

今日は福井県から若州一滴文庫のT学芸員が来館されました。
作家の故水上勉さんが主宰する若州人形座の拠点として建設されたという若州一滴文庫
来年度は、4月から9月までの半年間にわたって、原爆の図複製パネルを中心とした「丸木位里・俊展」を計画中です。
展示品は毎月入れ替わり、8月には原爆の図第1部《幽霊》、第2部《火》の原寸大複製画とともに、丸木スマの原画も2点ほど展示される予定です。
写真パネルや複製画を使った大規模企画というのは珍しい試みですが、原画の展示に比べて安価で開催できるので、アイディアとしては面白いところ。

水上勉さんは丸木スマの絵の大ファンで、画集や雑誌に文章も書いて下さっています。
ゆかりの地での展覧会を、きっと喜ばれているのではないでしょうか。
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2009/1/28

大津定信展取材  来客・取材

現在開催中の企画「大津定信展」。
大津さんは名古屋在住の作家さんなのですが、毎週水曜日に名古屋から丸木美術館まで通って来て下さいます。71歳なのに(という言い方も失礼ですが)とてもパワフルでエネルギッシュ!
今日も空いている時間に姿が見えなくなったと思ったら、下の川に降りて靴を脱いで水のなかに入り、写真撮影をされていました。

今日は午後に名古屋から中日新聞のM記者が取材に来て下さいました。
そして3時にはテレビ埼玉のスタッフも取材のため来館されました。
被爆地の水や土、炭を使った作品が、《原爆の図》の美術館で公開されることに意味がある、と多くのメディアが注目して下さっているようです。

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写真はテレビ埼玉の取材風景。
明日29日(木)の午後9時30分からのニュースで放映予定です。
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2009/1/27

平野亮彩展のお知らせ  企画展

3月7日(土)から3月22日(日)まで、1階展示室にて特別展示として「炎える王道楽土―平野亮彩・絵の素顔―」展を行います。

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先週の土曜日には、市内に住む平野さんの家から絵を搬入し、作品写真を撮影しました。

平野亮彩(りょうさい)さんは1922年静岡県生まれ。戦後上京し、大日本印刷の画室に勤務して画家の小山田二郎と親交を深めました。その後、東京印書館に勤務し、1960年頃より百科事典のイラストを描きます。「おいてけぼり」(1975年世界文化社『日本の民話9 近畿地方1』収録)など児童書も手がけています。1970年代に丸木夫妻と出会い、勧められて東松山に転居。以後は、丸木夫妻を中心とする「臥竜会」に参加し、発表を続けました。今回発表する《炎える王道楽土》は6曲1双のたいへん見ごたえのある大作。生前の丸木夫妻の助言をもとに、日華事変における旧日本軍の侵略行為を描いた意欲作になります。
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2009/1/24

美術館クラブ「ゆかいな額シリーズ1」  ワークショップ

毎月恒例の丸木美術館クラブ工作教室。
今回は「ゆかいな額シリーズNo.1プルトップ編」。
川越のカルディア会の皆さんが用意して下さった、プルトップを丁寧にカンヴァス地の布でつないで板の四方に貼った額を使って、アルミ缶の切れ端をコラージュして絵を作るという工作です。
案内人は画家の草薙静子さん。10人ほどが参加して楽しく遊びました。

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途中から、元実習生の女性が小さな娘さんを連れて参加してくれました。現在は北海道に住んでいるので、美術館クラブ参加者としては史上もっとも遠距離からの参加かも知れません。
工作のあとは、妻Tの差し入れによるチョコレートケーキを食べながら、皆で床の間に作品をならべて鑑賞しました。

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美術館クラブのおかげか、すっかり工作が得意になった4歳の息子Rも、元気にとびまわりながら皆の作品を見ていました。
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2009/1/23

新年の挨拶回り  他館企画など

今日は丸木美術館の休みをとって、いつもお世話になっているよその美術館をまわり、新年のご挨拶を兼ねて企画展を見てきました。

午前中は埼玉県立近代美術館。現在、「都市を創る建設への挑戦」という組織設計の企画展を開催中です(25日まで)。
昨年、「丸木スマ展」を担当してくださったO学芸員にご挨拶をして、少し雑談。「今年度の企画では、丸木スマ展がいちばん評判がよかった」とおっしゃって下さいました。埼玉近美の学芸室では、いつも皆さんが優しく迎えて下さいます。

その後は歩いてうらわ美術館へ行き、「氾濫するイメージ―反芸術以後の印刷メディアと美術1960's-70's」というたいへん興味深い展覧会を観ました(25日まで)。
絵画がアートシーンの前線から後退を余儀なくされたかのように思われた1960年代から70年代にかけて、しかし印刷メディアでは、アングラ演劇や舞踏、さらに安保闘争や学園紛争などの時代と切り結んだヴィジュアル・イメージが「氾濫」していたというコンセプトの展覧会。赤瀬川原平や横尾忠則、つげ義春らの多様な表現には、あらためて圧倒されます。図録もよく売れたようで、品切れになっていたのが残念でした。

午後は渋谷へ移動して松濤美術館で「素朴美の系譜」展という、これまた興味深い展覧会を観ました(25日まで)。迫真的な写実を追及する傾向のある世界の美術のなかで、素朴な味わいに富んだ絵画が時代を超えて描かれる日本の特殊性について再考しようという展覧会。江戸中期の禅僧・白隠の禅画は見応えがあり、近代では長谷川利行の油彩画や谷中安規の版画などが目を引きます。
昨年、「大道あや展」でお世話になったT学芸員にもご挨拶をしました。

最後は世田谷美術館へ行き、「十二の旅:感性と経験のイギリス美術」という企画展(3月1日まで)と、収蔵品展の「難波田史男展」(2月27日まで)を観ました。
旅をテーマに、ターナーやコンスタブルからチャールズ・ワーグマン、バーナード・リーチ、ヘンリー・ムーアなど英国作家の作品を紹介する企画展。異色だったのはモナ・ハトゥームというパレスチナ人でした。美術を学ぶためにロンドンに旅行中、故郷のレバノンで内戦が勃発し、家族と離れ離れになったという彼女のヴィデオ作品は、祖国の母から娘に宛てて書かれた手紙を淡々と読み上げるという内容。出品者中唯一の「望まない旅」の生々しい現実に、現在のパレスチナの状況を重ね合わせて胸が痛みました。
世田谷ではいつもたいへんお世話になっているN学芸員、S学芸員、A学芸員らにご挨拶。心に元気をもらって帰ってきました。
皆さま今年もよろしくお願いいたします。
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2009/1/17

大津定信展オープニング  イベント

午後1時から大津定信展のオープニングが行われました。
さいわい好天に恵まれ、風もほとんど吹かない絶好のパフォーマンス日和。
名古屋から駆けつけた知人・関係者に見守られながら、大津さんは地面に広げた和紙に、次のような歌を大書しました。

都幾川の川面が映す丸木の館
平和の風につぼみふくらむ


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さらに、気合いの声とともに「反戦反核」の文字も。

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大津さんの人柄が直に伝わってくる清々しいパフォーマンスでした。
その後、M理事ご家族が準備してくださった料理を囲みながら、展覧会の盛況を祈って皆で乾杯を行いました。
寒い季節ですが、すっきりとした空間に見事に作品の迫力を収めた展覧会になっているので、ぜひ一人でも多くの方に足を運んで頂きたいと思います。

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会場風景と作者の写真です。
ふだんは柔和な表情で笑顔の絶えない大津さんですが、作品については、言葉ではなく全身から被爆者を悼むことに対する覚悟が伝わってくるように感じられます。
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2009/1/16

大津定信展展示  ボランティア

今日は名古屋から大津定信さんが来館し、企画展示室で作品の展示を行いました。
展示の手伝いとしてM岡くん、N川さん、初参加のM山さんに加え、前回企画展で活躍された伊東さんも来て下さいました。

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展示室の壁面に上から連なる「命」の文字。そして周囲には、広島の爆心地から採取した土や木炭、満潮時の元安川の水を用いた平面作品がならびます。
今回から企画展示室のパーテーションを撤去したため、空間が広くなり、とても迫力のある見やすい展示になったのではないかと思います。

また、常設スペースには丸木スマ作品に加え、丸木位里・丸木俊の個人制作の水墨画や油絵の大作をならべました。こちらも見ごたえのある作品ばかりです。《原爆の図》で知られる丸木夫妻の、もうひとつの画家としての世界を垣間見ることができるのではないでしょうか。

明日は午後1時から大津定信展のオープニングイベントが行われます。
「人間の命の尊厳」を追求する大津さんの、渾身のパフォーマンスも見られることでしょう。
とても楽しみにしています。
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2009/1/15

大津定信展搬入  企画展

本日午前中に、次回企画「大津定信展」の作品搬入がありました。

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大津定信さんは愛知県名古屋市在住の71歳の前衛書家・現代芸術家です。
「文明は資源の枯渇を招き、環境と心を破壊している。その弊害がもたらした恐ろしい核兵器は、無差別無抵抗の殺人、人類最大のテロの兵器であり、地上から絶滅させなければならない」と考える彼は、広島の爆心地で採取した土や砂を使い、一貫して原爆をテーマにした作品を作り続け、国内外で平和を願うパフォーマンスを行ってきました。
画面の上に被爆した土や砂を敷きつめ、自身の指や顔など全身を使って被爆者の姿をかたちづくり、「平和」の文字を同一の画面に日本語、英語、アラビア語など多数の言語で記し、あるいは大量の紙に「命」の字を書いて周囲を燃やし、力の限り全身でストレートなメッセージを発し続けています。
《原爆の図》を常設展示する丸木美術館において、彼のメッセージがどのように響き、新たな意味を持つことができるか、ぜひ多くの方に見届けていただきたいと思います。

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会期は1月17日(土)から2月28日(土)まで。
初日は午後1時から大津さんのパフォーマンスとオープニング・パーティが開かれます。針生一郎館長もオープニングに参加し、挨拶をする予定になっています。
どうぞ皆さま、足をお運び下さい。
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2009/1/13

パレスチナ・ガザの子どもたち  他館企画など

10日(土)はニュース発送作業、11日(日)、12日(月/祝)は企画展展示替とここ数日慌ただしい日々を過ごしています。
今日は休館日ですが、午後1時頃に日本テレビ「思いッきりイイ!テレビ」の「きょうは何の日」で丸木俊が紹介されました。2000年の今日は丸木俊の命日だったのです。
コーナーを担当したディレクターさんは、年末年始にかけて何度も丸木美術館まで足を運び、丁寧なVTRを作って下さいました。短い時間ではありましたが、丸木俊がいかに原爆の図に向かうようになったのか、とてもよくわかる内容だったと思います。
できれば生放送のスタジオで、出演者の誰かが「ぜひ実物を見て欲しい」とか「現在のパレスチナの状況を重ね合わせる」とか発言してくれたらいいのにな……と思って見ていたのですが。

そして今日から、丸木美術館でもたびたび報告をして下さっているフォトジャーナリスト豊田直巳さんの写真展「パレスチナ・ガザの子どもたち」がはじまっています。
年末からはじまったイスラエルによるパレスチナ攻撃。メディアを通して目にする傷ついた人びとの姿には心を痛めますが、まだまだ知らされていないこともあるのでしょう。まずは現状を知ることが大切だと思います。
以下は転載です。お近くの方はぜひ足をお運び下さい。

   *   *   *

イスラエルによるパレスチナ攻撃が行われています。 私に何ができるかと思ってきました。
そしてささやかながら私にできることは、今、イスラエルの砲爆撃にさらされ、殺されている人々がどういう人たちなのかを、日本の方々にもご覧いただき、彼ら、彼女らの声に耳を傾ける場を提供することと考えました。

緊急事態の中での準備で、時間も手間もない中、こちらも緊急で進めております。
是非、会場に足をお運びください。
また、ご友人に、この写真展の案内などを、広げていただければ幸いです。
2009年1月8日 豊田直巳


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豊田直巳写真展 パレスチナ・ガザの子どもたち  in MARU 
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期間2009年1月13日(火)〜25日(日)*16日はライブにつき休み   
会場 Gallery&Bar MARU 
火〜金 17:00〜21:00   土・日11:30〜21:00 月休

西武新宿線 東村山駅下車 西口徒歩1分
東村山市野口町1-11-3 tel&fax 042-395-4430     *入場無料

スライドトーク 「パレスチナとイスラエル」
1月24日(土)19:00〜  参加費〜1ドリンク付1000円

豊田直巳 東村山市在住 日本ビジュアルジャーナリスト協会会員
『パレスチナの子供たち』『大津波アチェの子供たち』(第三書館)『子どもたちが生きる世界はいま』(七つ森書館)『イラク 爆撃と占領の日々』(岩波書店)

http://www.ne.jp/asahi/n/toyoda/
http://senka-kodomotachi.cocolog-nifty.com/blog/4/index.html
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2009/1/8

中村正義の美術館図録  執筆原稿

今日の午前中に『丸木美術館ニュース』第96号が納品されました。
一昨日あたりから急ピッチでニュース発送準備が進んでいます。
発送作業は10日(土)。ボランティア募集中です。

   *   *   *

昨年の暮れ、川崎市にある中村正義の美術館の館長のN子さんから、突然、原稿を依頼されました。
美術館を紹介する図録の在庫が切れたので、新しい図録を作成することになり、そこでぼくに、図録に掲載する文章を書いて欲しいとのことでした。
ここ数年、企画展のたびに足を運んではいるものの、中村正義については専門の研究をしているわけではありません。
なにしろ中村正義といえば、日本の絵画史の流れのなかに、他に類のない特異な足跡を残した画家。過去には針生一郎氏はじめ、粟津潔氏や水沢勉氏など錚々たる方々が文章を残されています。
それなのに、ぼくなんかが書いていいのかという気持ちもあったのですが、「一鑑賞者としての視点から書いてもらえれば」と言って下さったので、エッセイふうのものでよいならと、思い切って書かせて頂くことにしました。
そのため、年末年始からずっと頭のなかは中村正義のことでいっぱいになり、なかなか筆が進まず悶々としていたのですが、今日ようやく文章を手もとから離す決心がつきました。
小さな美術館で同じ画家の絵を繰り返し見ることの意味を、多くの方に感じてもらえればいいなと思って書いた文章です。

新しい図録は、春頃に刷り上ってくると聞いています。
ぼくが中村正義の美術館から学んだことを、少しでもお返しできたらうれしいです。
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2009/1/4

日本テレビ「おもいッきりイイ!!テレビ」撮影  TV・ラジオ放送

1月13日(火)午前11時55分から放送される日本テレビ「おもいッきりイイ!!テレビ」の取材スタッフが来館し、《原爆の図》や丸木俊作品などの収録撮影を行いました。
1月13日は丸木俊の命日にあたります。番組では、「きょうは何の日」というコーナーで、丸木俊の足跡を10数分の枠で紹介して下さるとのこと。
今日は俊の姪にあたるH子さんが丸木俊の思い出を語り、岡村は《原爆の図》や丸木俊作品、絵本『ひろしまのピカ』などの特徴について解説しました。

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スタッフの皆さんはとても感じのよい方できびきびと動き回り、撮影もスムースに進みました。
13日の放送、どうぞお見逃しなく。
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2009/1/4

生子貴子親子展  特別企画

仕事始めの今日から、丸木美術館に隣接する野木庵で「生子貴子親子展」がスタートしました。
この展覧会は、国立市にあるギャラリーじゃらんじゃらん小舎の店長・永松生子さんと永澤貴子さんの親子展。宮澤賢治の世界をモチーフにした絵画や陶芸、立体造形など、さまざまな表現の可能性を楽しむ二人の作品がならび、にぎやかで心温まる雰囲気の展示になりました。

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初日はオープニング・パーティが行われ、川越のMさん一家特製のカレーをはじめ、たくさんの美味しい料理が来場者をお出迎え。妻Tも丸木美術館の鳩の焼印を押したどら焼きを差し入れました。
さいわい、申し分ないほどの青空に恵まれ、来場者の皆さんは素敵な作品と野木庵(100年以上前の元茅葺農家)の雰囲気、美味しい料理をたっぷりと味わっていました。

展覧会は1月12日(月/祝)まで行われます。
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