2008/9/30

「南洋群島展」沖縄巡回と講演のお知らせ  館外展・関連企画

今春、町田市立国際版画美術館で開催された「美術家たちの「南洋群島」」展が、高知県立美術館を経て、11月7日から2009年1月18日まで沖縄県立博物館・美術館で開催されます。

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赤松俊子(丸木俊)の「南洋群島」滞在時の油彩画やデッサンが多数展示される展覧会です。
開催地の沖縄県立博物館・美術館は、昨年秋にオープンした新しい美術館。今回は、町田や高知で展示された作品に加えて、沖縄出身の美術家・儀間比呂志の作品をあらたに充実させて展示構成を試みるそうです。

会期中には、毎週水曜日の午後6時半から企画展を主題にした美術講座が7回にわたって開かれます。11月19日の第5回講座には、「赤松俊子、人と芸術」と題して岡村が講演を行うことになりました。
赤松俊子の画業の、とりわけ「女絵かき」として一人前の画家に成長していくまでの過程を、南洋の絵画を中心に紹介する予定です。
個人的には8年ぶりの沖縄行き。「ゆいレール」というモノレールも通り、県立博物館・美術館もかなり展示が充実しているとのことなので、久しぶりの沖縄を今から楽しみにしています。
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2008/9/28

遊びの学校「こころ座」公演  イベント

丸木美術館の企画ではないのですが、川越を拠点に活動している「遊びの学校」のイベントが行われ、日高市の「こころ座」のKさんが、八怪堂で語り舞台をして下さいました。

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先日もNHKの「ラジオ深夜便のつどい」に出演されるなど、「こころ座」の活動は注目を集めています。
「寿限無、寿限無……」など早口言葉や、「三枚のお札」の昔話など、観客を巻き込んで楽しませる語りの技は、本当に「さすが!」と思わせるものでした。

8月の「丸木俊 絵本の世界」展ギャラリー・トークにもわざわざ来て下さったKさん。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
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2008/9/27

理事会/「シシュポス ナウ」展承認  企画展

午前中、私立美術短大の学生や、東京、富山のバスツアーなど3件の団体が続けて来館し、2階の《原爆の図》の前で館内説明を行いました。

午後からは丸木美術館に隣接する野木庵で理事会が開催されました。各委員会報告や来年度の体制など、閉館時間をすぎるまで様々な話し合いが行われました。
次回企画展「シシュポス ナウ」展で行われる大胆な展示やイベント計画なども、一応の承認を得ました(後日詳細)。その報告を受けて、参加作家たちのモチベーションもかなり上がっているようです。学芸員としてはちょっとドキドキの展覧会なのですが……

ちなみに参加作家のひとり、佐々木裕司さんのパフォーマンスがYou Tubeで見られます。
名づけて「受け身絵画」。

こちらが「Across the River」編


こちらが「Crosswalk」編


そして「On the Canvas」編。これは丸木美術館のイベントでも見られるかも知れません。
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2008/9/26

クレアこうのす「大塚直人展」  他館企画など

いつもワークショップでお世話になっているM年山さんに頼まれて、午前中に鴻巣市の文化施設クレアこうのすに行き、大塚直人さんの展覧会の展示作業を行いました。
大塚さんの展覧会は毎年恒例。心に障碍を持つ大塚さんと、彼を支えるたくさんの人たちの心温まる展覧会です。
今年は9月26日から10月3日までの開催となります。

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地元ボランティアのDさん、K林(M)さんもいっしょに展示作業を行いました。
午後はK林(M)さんといっしょに埼玉県立近代美術館で開催中の「アーツ・アンド・クラフツ{イギリス→アメリカ}」展に行きました。
今年の夏にたいへんお世話になった埼玉県立近代美術館。お礼も兼ねて学芸室に顔を出すと、スマ展担当のOさん、Mさんはご不在でしたが、HさんとSさんが「アーツ・アンド・クラフツ」展の話など、興味深い話をして下さいました。
木版画家のK林(M)さんからは、ウィリアム・モリスの木版技術について専門的な説明もして頂いて、思わぬ充実した午後になりました。
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2008/9/23

第五福竜丸展示館/中村正義の美術館  他館企画など

9月23日はビキニ事件で亡くなられた第五福竜丸の無線長・久保山愛吉さんの命日です。
午前中、東京江東区の第五福竜丸展示館に行き、「平和を語る第五福竜丸の集い」に参加しました。丸木美術館からは常務理事のT田さん、評議員のO関さん、S谷さんご夫妻や友の会の方々が参加しました。

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今年の5月5日の開館記念日に丸木美術館で講演をして下さった元第五福竜丸乗組員の大石又七さんや、第五福竜丸展示館を支える多くのボランティアの方々が集まるささやかな会で、紙芝居あり、歌あり、トランペットやアコーディオンの演奏ありの楽しい会でした。
展示館では、ちょうど今日から企画展「原爆ドームと第五福竜丸 市民が守った平和遺産」がはじまり、丸木美術館から貸し出している第五福竜丸の模型(大石さんの指導により和光中学の生徒が作成したもの)も入口に展示されていました。

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お昼には、大石さんを中心にまぐろのバーベキューなどを食べる「マグロ塚の会」が行われましたが、ぼくは早々に失礼して、川崎市の中村正義の美術館へ移動。
丸木夫妻と深く交流のあった異端の日本画家・中村正義。こちらの美術館も、今日が開館記念日になります。
開催中の「正義のふる里」の展示を見ながら、館長のN子さんと近況報告を交わしました。
第五福竜丸も、正義美術館も、手作り感の伝わってくる施設で、こうした場所をまわっていると、何だか勇気づけられ、力が湧いてくるような気がします。

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2008/9/20

丸木美術館クラブ「駅弁パッケージを面白くする」  ワークショップ

今回の丸木美術館クラブ工作教室は、木工作家の遠山昭雄さんの案内で、「駅弁パッケージを面白くするのだ!」。
M年山さんがどこからか?集めた全国のユニークな駅弁容器(牛の面、ダルマ、フグ、天狗など)に色を塗って、楽しいオリジナル容器にしよう、というものです。

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毎回感心するのですが、M年山さんはどこからこういう材料を集めてくるのでしょう。
本当に不思議……というか、こうした面白い廃品があちこちから集まってくるネットワークを構築し、機能させていることが不思議だと思います。
笑いながら手を動かして、ゆったりと過ごす時間は、月に一度の楽しみです。
今回の妻Tの差し入れは、甘さ控えめあっさり味のスイートポテトでした。

   *   *   *

次回の美術館クラブは11月15日(土)、布作家の青海しとみさんの案内で「きもの地を楽しくアレンジしよう」。参加者募集中です!
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2008/9/19

丸広東松山店・俊絵本原画展  館外展・関連企画

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9月11日(木)から22日(月)まで丸広百貨店東松山店4階催事場で「丸木俊 絵本原画展 ―花のささやき 動物のまなざし―」が開催されています(午前10時から午後7時30分まで、最終日は5時まで)。
先日、新たに見つかった『七いろの花びら』の絵本原画を額装して初出品しているのが見どころです。また、水彩画の小品や新作版画なども展示販売しています。

今日、丸木美術館の閉館後に自転車でかけつけると、母屋のH子さんがいて「『丸木俊 絵本の世界』の小冊子、売れてるよ!」と教えて下さいました。
丸木美術館が発行している小冊子も販売しているのです。

小さな会場なので出品数はそれほど多くありませんが、お近くの方はぜひお運び下さい。
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2008/9/18

渋谷・世田谷・池袋めぐり  他館企画など

午前中、渋谷に出て渋谷区立松濤美術館で開催中の「大道あや展」へ。
新日曜美術館の放送以来、入場者が3倍に増えたとのことで、会場はとても混雑していました。絵を見ながら会話の弾んでいるグループも多く、会場全体がざわざわとした雰囲気で、聞こえてくる会話を楽しみながらあらためてじっくりと作品を鑑賞しました。

同じ渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムでは、「ジョン・エヴァレット・ミレイ展」を開催中。10年ほど前に何度かロンドンのテート・ギャラリーで観た彼の代表作《オフィーリア》と、久しぶりに再会。こちらもかなり混雑した展覧会でした。《オフィーリア》はそれほど大きな作品ではないのに、柵が遠くて、細部を近づいて見られなかったのがちょっと残念でした。

午後には世田谷美術館に行き、「ダニ・カラヴァン展」を鑑賞。ダニ・カラヴァンは建国前のイスラエルの地に生まれ、平和や土地の記憶などをテーマにスケールの大きな環境彫刻を作り続ける国際的な現代美術家です。今回の展覧会は彼自身が会場デザインを手がけたとのことで、学芸員の話によると、「ものすごくたいへんだった」とのことですが、緊張感のあるインスタレーションはさすがと思わせるものでした。
その後、いつもたいへんお世話になっている学芸員のSさんやNさんと歓談し、企画に関する重要な相談にも乗って頂きました。また、10月31日(木)には「文化ボランティア全国フォーラム」の分科会が世田谷美術館で開かれ、丸木美術館も参加することになっているため、ボランティア担当学芸員のAさんにお会いして当日の打ち合わせを行いました。

夕方からは池袋に移動して来年度の丸木美術館企画展を決める企画委員会に出席。H館長、M企画委員長はじめ企画委員の皆さんと意見交換を行いました。

   *   *   *

昨夜は、私的にボランティアとして関わっている川越スカラ座(NPOが運営している映画館)で、是枝裕和監督のトークイベントがありました。今回上映しているのは『歩いても 歩いても』という家族ドラマ。是枝監督はカンヌ映画祭で受賞して話題になった『誰も知らない』で知られており、この日も会場は超満員でした。イベント後には、是枝監督を囲む打ち上げ会にも参加しました。
そんなこんなで少々疲れ気味のこの頃です。
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2008/9/17

実習生日誌より  学芸員実習

ここ数日の慌ただしさですっかり時間が空いてしまいましたが、9月7日に武蔵野美術大学のA賀くんが学芸員実習を終えました。
画家を志しているA賀くんは、黙々と展示などの作業を手伝ってくれました。8日間実習お疲れさまでした。どうもありがとうございました。
彼の日誌から、少し長くなりますが、一部を引用します。
丸木美術館の一面をよくとらえている視点だと思いました。

 実習中、朝、美術館に来てまずはじめにする作業は掃除でした。ほうきとちりとりを持って夜のうちにたまったゴミを掃いていくのですが、美術館のクリーム色のリノリウムの床に似つかわしくないものが歩いていることがあります。ゴミと見間違える程小さなものからひとめでそれと分かる程の大きさのものまで、それは虫たちです。美術館の展示室のなかでバッタを見たのははじめての経験でした。何というか、彼らは作品を観賞しに来たのではないかというような雰囲気さえ感じました。「あたりまえだろ」と言わんばかりに自由に行き来しているのです。そしてこう思いました。美術館の建物や雰囲気や作品達がこれをゆるしているのではないか、ゆるすというよりは、そんな事はあたり前で、むしろ木々に囲まれた森の中にこの美術館が建っているという事を森や自然などの環境の方が認めている。ちゃんと受け入れている。そのかわりに美術館の中だって自由に通らしてもらうぞ、という感じ。これは、丸木夫妻やスマさんの作品のある美術館だからこそ、彼らの寛容さを美術館そのものが受け継いでいるのだと思いました。
 人間は安心・安全・快適を求めるものです。これの邪魔になるようなものは極力排除しようとします。掃除という事でさえそういう類のものです。家はどんなに古くても、人の住んでいる間は生きていて、人が住まなくなると急速に朽ちるといいます。家が死ぬのです。しかしそれは、死ぬという事ではなく、まわりの環境にかえっていく、自然のありのままの状態に近づいていくに過ぎない事なのだと思います。それを人間は一生懸命になって安心・安全・快適の為に排除をしています。そうして欲しいものは自然から好きな分だけ、もらうだけもらい、いらないものは自分達のテリトリーの外部へポイと捨てるのです。自然のありのままの状態から、人の使いやすいように組み換えて、元にはもどさない。元にもどす事はできない程不自然につくりかえてしまうのです。この不自然さは人間の内部にまで及んでいます。環境の内に人間がある以上、そこでは環境を吸い、環境を食べているのだから、環境がくるいだせば、人間の内的自然だってくるわないはずがないのです。人間は人間のありのままの状態を取り戻すことができるのでしょうか。どうしたらより安心で、安全で、快適になるかなどと考えているうちは到底かなわない事だと思います。だけど僕には、これを解決するようなアイデアはありません。唯、考えられる可能な事といえば、今ある自然な状態のものを今ある状態のまま、不自然につくりかえたりせずに付き合っていく。そして自然と変化していくものにはそれと同じペースでこちらも変化していくという事ぐらいなのではないでしょうか。
 虫=自然(環境)と考えた時に、丸木美術館のあり方、環境との付き合い方、時間の流れ方など、見えてくる事が色々あると思います。そうして、その見えてきたものは悪くない、それどころか手本にすべきモデルとして考えられる程のものなのではないかとさえ思います。都会のよく整備された美術館とはやはり違うのだけれど、こういうような事も丸木美術館の魅力のひとつなんだなと感じました。
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2008/9/15

反戦展オープニング【追記】  イベント

反核反戦展のオープニングに参加して下さった美術研究家のTさんが、ご自身のブログ日誌に当日の様子を記して下さいました。Tさんは、丸木位里も強く影響を受けたシュルレアリスムの先駆者・瀧口修造の研究で知られている方です。
「ああいう熱気あふれるイベントは久しぶりのような気がします。独立して運営されているそちらの館ならではでしょう」とTさん。遠いところをおいで下さり、本当にありがとうございました。

画家の池田龍雄さんからTさんが伺ったという戦争の体験談も興味深かったです。特攻隊として出撃寸前で終戦を迎えた池田さんは、郷里の佐賀に帰る途中で腐臭の漂う広島駅を通り、新型爆弾の威力をまざまざと感じたとのこと。今回の反戦展では、出撃を前にして詠んだ辞世の句をテーマにした《散りそこねた桜の碑》という作品を出品して下さっています。

Tさんのブログは、こちらでご覧になれます。

http://d.hatena.ne.jp/selavy/20080914
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2008/9/14

特別展示イスワント・ハルトノさん  企画展

現在、2階のアートスペースで、「今日の反核反戦展2008」の特別展示として、インドネシアの作家イスワント・ハルトノさんのインスタレーションを展示しています。

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イスワント・ハルトノさんは1972年生まれの若手芸術家。
昨年ギャラリイKで“靖国”をテーマに発表し、H館長の推薦で特別展示をすることになりました。
ギャラリイKでは「太平洋戦争」時代の古写真に自分の姿を写し込むという《Mellow》という作品を展示しましたが、今回の《Void》は立体展示。
一瞬、本物の人間と見紛うような等身大の人形が2体――イスワントさん自身がダグラス・マッカーサーと昭和天皇に扮した姿で向き合っているその真ん中に、原子爆弾とキノコ雲が一体化したような造形物が置かれています。

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写真は右に見えるのがイスワントさん、左がマッカーサー風の人物像。

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こちらは左に見えるのがイスワントさん、右が昭和天皇風の人物像です。

部屋に入ると、一瞬ぎょっとしてしまうほど精巧な作りです。
本当はイスワントさんは、原子爆弾を天井に吊り上げて、二人の人物像の視線の先に原子爆弾がある、という展示にしたかったようです。そして、キノコ雲の下に鑑賞者が潜り込むことのできるように、と。
残念ながら、重さ50kgを超えるような造形物を天井から吊るのは、丸木美術館ではあまりに危険が大きく、その構想は断念せざるを得ませんでした。イスワントさんの狙いがよくわかるだけに、本当に残念でしたが。

オープニング前日、9月12日の展示作業には、ボランティアとして地元のJさんと若手作家のN川くん、M岡くんも手伝いに来てくれました。
展示作業中、人形に服を着せている場面は、なかなか不思議な情景でした。

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イスワントさんは今日の昼に東松山を離れて、東京に向かいました。
特別展示は「今日の反核反戦展」と同じ期間、10月25日まで開催されます。
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2008/9/13

今日の反核反戦展オープニング  イベント

午後2時から企画展「今日の反核反戦展2008」のオープニングが行われました。
心配された天気もなんとか持ちこたえ、多数の出品作家や関係者が参加して下さいました。

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針生一郎館長と池田龍雄さんの講評や特別出品のインドネシア人作家イスワント・ハルトノさんの挨拶、そして出品作家のパフォーマンスがイベントを盛り上げます。

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初参加のbug-depayseは、観客を巻き込んで《原爆の図》を観るというパフォーマンスを行いました。

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毎年「白き龍に捧ぐ」のパフォーマンスを行っている奈良幸琥さんは、今年は初めて念願の《原爆の図》の前で舞いました。
第1部《幽霊》のモノクロ画面を背景に白装束が映えて、幻想的な空間を生み出していました。

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初参加の南阿豆さんは小高文庫を舞台にして笑いと驚きのパフォーマンス。

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村田訓吉さんも毎年恒例のバーニングアート。

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イベントの最後を飾ったのは、最近は国際的にも活躍されている黒田オサムさんの“革命”パフォーマンスでした。

会場には、出品作家のほか、イスワントさんの展示でお世話になったギャラリィKのUさんはじめ多くの関係者の姿が見られました。
瀧口修造の研究で知られる美術研究家のTさんも来て下さいました。
「近頃の美術館はおとなしくなっているけど、ここはパワーがあっていいですね」とTさん。
今年は数人の出演者が《原爆の図》の前でパフォーマンスを行いましたが、そのせいか、《原爆の図》に“守られている”という思いを強く感じる反戦展のオープニングでした。
《原爆の図》によって生み出され、守られている空間があるからこそ、集まることのできる人びとがいるのですね。
出品作家の方々のあいだでは、「反戦展の作品の質」の問題―どう高めていくのか、そもそも“高める”という考え方に意味があるのか、という議論もありましたが、難しい問題はともかくとして、一年に一度、自由と平和を愛する表現者たちが、自分の思うままに内なる衝動を発露させる展覧会があるというのも、何だいいものだな……と思ったりもしました。
もっとも学芸員としては、ある意味で一年でもっともたいへんな一日、でもあるのですが。
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2008/9/12

石内都さん来館  来客・取材

2005年のヴェネツィア・ビエンナーレで個展を開催した写真家で、昨年1年間広島をテーマに被爆者の遺品を撮影し続けた石内都さんが来館されました。
石内さんは今年の11月15日から来年1月11日にかけて、目黒区美術館で「ひろしま/ヨコスカ」と題する展覧会を行います。
今日は目黒区美術館のM学芸員の提案で、展覧会の図録収録用のインタビューの会場として、丸木美術館を使用されるとのこと。もちろん、《原爆の図》の鑑賞も大きな目的です。

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石内さんはじめ、アシスタントの方やインタビューをされるライターさんなど、計6名をご案内して館内を回りました。
作家ならではの鋭い感覚で、丸木夫妻の共同制作に向かう姿勢について思うところを語る石内さん。目黒区美術館のM学芸員も日本美術史の流れの中で《原爆の図》を観ることの意味の大きさを再確認されたようです。
ちなみにM学芸員は学生時代にH館長の教え子だったそうで、石内さんは佐喜眞美術館館長のお連れ合いと学生の頃からの友人だったとのこと。お二人とも丸木美術館とは深い縁があったのですね。

館内見学の後は、流々庵で埼玉名物の冷汁うどんを召し上がり(美味しいものが大好きという石内さんにも好評の様子で安心しました)、その後は原爆と石内さんの写真を巡るインタビュー。

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ぼくは残念ながら、明日からはじまる「今日の反核・反戦展」の展示準備のため、インタビューに立ち会うことはできなかったのですが、目黒区美術館の展覧会を楽しみにしたいと思います。

「またきっと、どこかで縁があるでしょうね」と笑顔でお帰りになった石内さん。明るくお話好きで、とても親しみやすい方でした。そして、やはり周囲の人を引き込むような、優れた作家特有のパワーとオーラがありました。
貴重な機会を設定して下さった目黒区美術館のMさんには、心から感謝を申し上げます。
どうもありがとうございました。
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2008/9/11

萬年山亮平 個展  ボランティア

昨日の午後は、東京・国立市のギャラリーじゃらんじゃらん小舎で行われている「萬年山亮平 個展」を観に行きました。

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丸木美術館のイベントやボランティアの日などで美味しいお昼ごはんを提供してくれるMさんご一家の息子さんの個展です。
亮平くんは美術大学のデザイン科を卒業後、蕎麦屋で修業をして、現在は保育園の給食を作っています。今回の個展は、最近はじめた陶器の小品が中心。ギャラリーじゃらんじゃらん小舎の陶芸教室に参加した際、余った粘土で箸置きサイズの「顔」を作ったところ、これがとても面白かったので、本格的に「顔」シリーズの制作をするようになったとのことです。
中村正義の《顔》のような、どこかの民俗造形のような、不思議な形と色彩が印象的でした。

また、ギャラリーじゃらんじゃらん小舎のご主人のNさんは、大道あやさんが越生にお住まいだった頃にとても親しくされていたそうで、あやさんの思い出話もいろいろとお聞きすることができました。ギャラリーの2階は小さな隠れ家のような喫茶店になっていて、絵本も楽しめます。
お近くの方はぜひ足をお運びください。

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萬年山亮平 個展
2008年9月10日(水)-9月15日(月)pm12:00-pm8:00(15日は5:00まで)
ギャラリーじゃらんじゃらん小舎
国立市東2丁目5-20 tel&fax 042-577-3908
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2008/9/10

「ちひろと水墨」展打ち合わせ  館外展・関連企画

12月3日から来年1月31日まで、ちひろ美術館・東京で開催される企画展「ちひろと水墨」に出品する作品選定のため、ちひろ美術館のY学芸員と安曇野ちひろ美術館のT副館長が来館されました。

絵本画家として今も多くの人に親しまれている、いわさきちひろ。
敗戦後すぐにちひろが疎開先の長野から上京してきたとき、当時椎名町のアトリエに住んでいた丸木夫妻は彼女の生活の面倒を見てあげたそうです。その後、ちひろは丸木夫妻が主宰する早朝デッサン会に参加し、俊を師として絵を学びました。
当時のデッサン会に参加していた若者のなかでも、ちひろはとりわけ俊と仲が良かったようで、俊も「私が宮澤賢治を好きになったのはちひろさんの影響」と回想しています。
丸木夫妻とちひろの交流は長く続き、彼女は俊の人物デッサンに大きな影響を受け、また、位里の水墨画から、滲みやたらし込みという後に彼女の水彩の特徴となる実験的な画法を学んでいたのです。

今回の「ちひろと水墨」展では、ちひろが目にしていたと思われる位里の水墨画《臥牛》《鵜》など6点と、デッサン会で丸木夫妻がちひろをモデルに描いた作品3点が出品される予定です。
また、今後も両館で共同して、俊とちひろが深く交流していた時代について関係者からの聞き取り調査などを進めていきましょうという話にもなりました。
そうした調査の結果を生かしながら、将来的に「ちひろと丸木夫妻」展が実現できたらとても良いなと思っています。

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写真は、いわさきちひろをモデルにした丸木俊のデッサン。1947年10月2日という日付が入っています。「ちひろと水墨」展には同じ日付の入った位里のデッサンも出品されるので、2点を比較してみるのも興味深いでしょう。
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