2006/10/15

来客2人  来客・取材

今日は午前中にナイーブアート作家のHさん、午後に日本ジャーナリスト専門学校の学生Nさんが来館しました。

ナイーブアート作家のHさんの用件は「《原爆の図》と対決してみたい」との趣旨で、丸木美術館での個展開催の申し入れでした。活動の記録ファイルや実際の作品などを見せて頂きながら、丸木美術館の企画展決定までの過程を説明し、企画委員会に諮る必要があることをお伝えしました。丸木美術館の企画で個展を開催することは決して簡単ではないのが現状です。それは作品の良し悪しとはまったく別の問題なのですが、しかし、作家の側からは、現場にいる学芸員のぼくが「選定している」と見えるかも知れません。H館長がよく企画委員会などで「美術館は作家を選定しなければならない」という趣旨の発言をしますが、ぼく自身がどう望もうと、学芸員という仕事は否応なしに「選定」を逃れることはできないのかと重い気持ちになりました。
以前、企画委員長のM理事から聞いた話で、M理事が美術館の庭でドングリを拾っている最中に、俊さんから「形の良いドングリばかり拾って、形の悪いドングリは拾わないのね?」と声をかけられてドキッとした、というエピソードが、頭の隅をよぎります。

日本ジャーナリスト専門学校のNさんは、学校の課題で“原爆”をテーマに取材をしているとのことで、「丸木美術館で働くようになったきっかけは?」「反戦平和に対して丸木美術館はどのような役割を果たしているか?」「丸木夫妻の思いを今の若者は継承できているか?」などの質問を受けました。
個人的には、丸木美術館の最も重要な役割は、《原爆の図》を多くの人が見ることのできる場を提供し続けることだと思います。そして、丸木位里、丸木俊という二人の画家が、原爆という生涯をかけても描き尽くせないテーマを相手に、どのように立ち向かい格闘し続けたのか、その生き方を伝え残すことだと思います。
《原爆の図》から受ける衝撃の大きさは、もちろん個人差があるのは当然ですが、しかし多くの来館者に接する立場から見て、世代によって大きな差があるとは思いません。戦争を知る世代も知らない世代も、それぞれが《原爆の図》と対峙することで、心のなかに何かしらの思いが生まれることでしょう。絵を見る前と見た後では、きっと世界が違って見えるはずです。それを一つに束ねることはできないし、簡単に「若い世代は戦争への意識が希薄だ」とは思えない。そんな内容のことをお話しました。
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