2012/7/15

熱気あふれる被爆ピアノコンサート  イベント

午後2時より、丸木美術館開館45周年記念被爆ピアノコンサートが開催されました。

クリックすると元のサイズで表示します

当初120席を用意した会場には、当日券を求める方が予想以上に多く来て下さったこともあって、160人を超える超満員。会場は、文字どおり“熱気”にあふれかえりました。
なにしろ冷房がないので、扇風機を総動員したものの、比喩ではなく本当に“熱気”が凄かったのです。

クリックすると元のサイズで表示します

そんな熱気のなか、《アウシュビッツの図》の前で、祖国ポーランドを奪われたショパンの名曲を次々と演奏したのは、ピアニストの崔善愛さん。
「暑ければ暑いほど燃える」(拍手喝采!)との名言を口にしつつ、外国人登録の指紋押捺を拒否して一時特別永住権を奪われた自身の体験とショパンを重ねるように力のこもった演奏を聴かせて下さいました。
会場には、目に涙を浮かべながら演奏を聴く人たちもいました。

クリックすると元のサイズで表示します

そして井上ひさしの舞台『父と暮せば』で主人公の娘を演じたことから、広島の被爆者と関わりはじめ、原爆小頭症患者と家族の生活史をまとめた著書まで出版された女優の斉藤とも子さんは、第1部ではショパンの手紙や日記を朗読し、第2部では、大陸から必死の思いで引き揚げてきた父親が朝鮮の人びとに命を救われたという話を、心に沁み渡るように語って下さいました。

クリックすると元のサイズで表示します

丸木夫妻の壁画に囲まれた空間、広島で被爆したピアノ、そして忘れられなくなりそうなほどの暑さ……といった条件はもちろんですが、このコンサートで一番響いてきたのは、崔さんと斉藤さんの、これまで生きてきた姿勢がにじみ出るような存在感だったのではないかと思います。

クリックすると元のサイズで表示します

お二人とも、音楽と演劇というそれぞれの表現手段を持ちながら、一人の人間として、目の前の社会の現実と関わり続けている。昨夜の「マクリヒロゲル」粟津潔の展覧会で感じたものと同じような種類の感動が、心に湧き出てきました。
「芸術は人間の心を内側から変えることができる」という言葉も、ふと思い浮かべました。

暑さのなかで、すばらしい演奏と朗読を聴かせて下さった崔さん、斉藤さん。そして広島から被爆ピアノを運び、調律して下さった矢崎さん。駐車場の案内や駅までの車での送迎、売店コーナーの販売など、イベントを手伝って下さったボランティアの方々。何より、会場あふれんばかりに集まって下さった大勢の観客の皆さま、本当にありがとうございました。

いつまでも心に残り続ける、とても素敵なコンサートと出会いになりました。
心から御礼を申し上げます。
4



トラックバックURL

トラックバック一覧とは、この記事にリンクしている関連ページの一覧です。あなたの記事をここに掲載したいときは、「記事を投稿してこのページにお知らせする」ボタンを押して記事を投稿するか(AutoPageを持っている方のみ)、記事の投稿のときに上のトラックバックURLを送信して投稿してください。
→トラックバックのより詳しい説明へ



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ