2012/4/26

映画『いわさきちひろ〜27歳の旅立ち〜』試写会/ポロック展など  館外展・関連企画

六本木シネマートで行われた映画『いわさきちひろ〜27歳の旅立ち〜』(海南友子監督)の試写会に行ってきました。
絵本画家として知られるいわさきちひろの初のドキュメンタリ映画です。

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現在、丸木美術館で開催中の「生誕100年 丸木俊展」でも紹介していますが、戦後すぐに上京したちひろは、丸木夫妻のアトリエに通いながら絵画を学んでいました。
映画には、ちひろがモデルを務めて描かれた位里や俊のデッサンも登場します。

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こちらは位里によるデッサン。

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そして俊によるデッサン(ともに1947年10月2日の日付あり)。

取材に3年をかけたという映画は、戦争に大きく翻弄されたちひろの波乱の生涯を丹念にたどりつつ、黒柳徹子さんや高畑勲さん、中原ひとみさんなど関係者や家族たちの証言を集めた内容で、とりわけ晩年の絵本の代表作『戦火のなかの子どもたち』の制作過程を追った部分は非常に興味深く感じられました。

個人的には、戦争の痛みや悲しみを、子どもたちや母親の視点から、誰にでもわかるようなイメージで伝えたという点において、ちひろと俊は戦後の日本を代表する二人だと思っています。
その一方で、二人はしばしば“力強くたくましい”俊と“やさしく繊細”なちひろという、わかりやすい対比で語られることが多くあります。
しかし、この師弟の残した仕事は、本当にその対比だけで見てしまって良いのか。
両者の仕事を固定観念を抜きに見かえして、きちんと影響関係を考えていくことが必要なのではないかと、映画を観ながらあらためて考えさせられました。
『戦火のなかの子どもたち』について語るちひろの言葉は、根底の部分で『ひろしまのピカ』について語る俊と重なっているように思えてなりません。

映画は7月から、ヒューマントラストシネマ有楽町などで公開される予定です。

   *   *   *

せっかく都心に出たので、今日は朝早くに家を出て、東京国立博物館で開催中の「ボストン美術館 日本美術の至宝」展、国立新美術館の「セザンヌ−パリとプロヴァンス」展「大エルミタージュ美術館展」、東京国立近代美術館の「生誕100年 ジャクソン・ポロック展」を観てまわりました。

「ポロック展」では、会場で池田龍雄さんと画廊主のKさんに偶然お会いしました。
以前、池田さんの講演をお聞きした際、1950年代にポロックを代表するアンフォルメル旋風が吹き荒れ、それまでの日本のルポルタージュ絵画の流れが吹き飛んでしまったときに、「わが国の現実に根ざした必然性に基づくものではなく、いわばファッションの流行に近い変化だから、一過性のもの」と冷ややかに見つめていたと話されていましたが、ポロックの作品自体は、池田さんにどのような印象を残したのか。
同時代の証言をぜひ伺ってみたいと思いつき、後から追いかけたのですが、どこへ行かれてしまったのか、あるいはもう帰られてしまったのか、残念ながら池田さんの姿を見つけることはできませんでした。
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