万葉集の原文および読み下し文、現代語訳をアップしています。
2009/7/31
寄川
従此川 船可行 雖在 渡瀬別 守人有
この川ゆ 舟は行くべく ありといへど 渡り瀬ごとに 守(も)る人のありて
2009/7/30
寄花
是山 黄葉下 花矣我 小端見 反戀
この山の 黄葉(もみち)が下の 花を我れ はつはつに見て なほ恋ひにけり
2009/7/29
雖見不飽 人國山 木葉 己心 名著念
見れど飽かぬ 人国山(ひとくにやま)の 木の葉をし 我が心から なつかしみ思ふ
2009/7/28
寄木
天雲 棚引山 隠在 吾下心 木葉知
天雲の たなびく山の 隠りたる 我(あ)が下心 木(こ)の葉知るらむ
2009/7/27
潜為 海子雖告 海神 心不得 所見不云
潜きする 海人は告れども 海神の 心し得ねば 見ゆといはなくに
2009/7/26
海神 持在白玉 見欲 千遍告 潜為海子
海神の 持てる白玉 見まく欲り 千たびぞ告(の)りし 潜きする海人(あま)
2009/7/25
海神 手纒持在 玉故 石浦廻 潜為鴨
海神(わたつみ)の 手に巻き持てる 玉故(たまゆゑ)に 礒(いそ)の浦廻(うらみ)に 潜(かづ)きするかも
2009/7/24
遠近 礒中在 白玉 人不知 見依鴨
をちこちの 礒の中なる 白玉を 人に知らえず 見むよしもがも
2009/7/23
寄玉
安治村 十依海 船浮 白玉採 人所知勿
あぢ群(むら)の とをよる海に 舟浮けて 白玉採ると 人に知らゆな
2009/7/22
干各 人雖云 織次 我廿物 白麻衣
かにかくに 人は言ふとも 織り継がむ 我が機物(はたもの)の 白麻衣(しろあさごろも)
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