加藤さん:うーん。でもなんかこう、ねぇ、自分が始めたサーフィン、最後にはサーフィンで通してサーフィンで終われたらなと思ってね。うん、まぁ、それが希望かな。吉川スノーボードすごい一生懸命やってた時はさぁ、お前スノーボードで何とかしろよって。
Y: うん、言われた!
加藤さん:思ったもん。うん、やっぱりどぅせならさぁ、やるなら頑張って一番じゃん。自分が始めたことなんだからね。とことん、やって、納得して、そこまで行かなきゃ。
Y: その通り!
加藤さん:でもねぇ、あれだよ。色んな人が助けてくれなきゃぁ、そこまで行けないからね。まぁ自分もやらなきゃイケナイけど、そやって助けてくれる人もいるからね、やりきれるんであって。全部100パー自分じゃないから。
Y: うん、そう思います。
加藤さん:色んな人がいてくれて、自分が成り立つ。
Y: 加藤さんってなんっかおっかない人に見えるんだけど、意外とさ、紳士で色々よくしてもらったりしたもんな。ま、あんまり足向けて寝れんなぁって。
加藤さん:初心者の人にはね、しっかり色んな事教えるよ。危ないからこっちで入れとかね、朝寄ってきなさいとか。危険なとこでは入らないようにとか。
Y: それすっごい大事なことで、それをちゃんとしとかないと結局その人に何かなってからじゃ遅いんだから。
加藤さん:だから毎朝みんなに付き合って一緒にサーフィンしてるよ、初心者なんか特に。自分の技量以上のことはしないように。で、一緒に居ればぁ、何で怒られたか説明してやれるじゃん。「なんか怒鳴ったんですよ、あの人ぉ」「そりゃお前が悪いよ〜」って。
「そこで「ゴメンなさい、僕初心者なんで…」って一言いいなさい」って。そしたらなんだ初心者かって大体思うから、謝れば、相手の気分もそれ以上にはなってこないから。で、とりあえず謝れ、って。で、謝ってからちゃんと教えてやる、何で悪いかって。
Y: なるほどなぁ〜。…だって俺、加藤さんと一緒の大会に出たとき、昔。
加藤さん:一緒の大会に出たっけ?
Y: 出たことあるよ、TSAのときにさぁ、ロングボードで。
加藤さん:そぉそぉ、ロングボードでね。
Y: 出てたもん、加藤さんも出てたもんね。
加藤さん:あれねぇ、TSAが作ったロングで出ようってことで、それでねぇ、実はネェ、俺、級別も全日本いったんだよ。ロングで。凝っちゃったねぇ、ロングボードに。
Y: そぉ、でねぇ、加藤さんが優勝で俺が3位だったの。なんかインチキくっさいさぁ〜。
加藤さん:アハハハ。でもねぇ、8回か9回優勝したの、連続で。で、その次にぃ、「もぉお前らに負けたら俺止めるわ」って言ったらその日にホントに負けたの。
Y: ウハハハハハ。
加藤さん:で、その日にやめた。ロングボードその日から乗んなかったの。マジ止めた。
Y: そぉそぉ、加藤さんまだロングやってたらベテランの域だよね。でもさ、知らん間にまたさぁ、ショートボードに変わっっとって。
加藤さん:だからその頃、ロングとショート両方やってたの。
Y: やってた。
加藤さん:でね、TSA、でもTSA に出てたのってあの、ロングをやりだして、それから全日本や級別出てぇ、俺全日本でねぇ、大喧嘩したの、ロングボードで。浜松で大会があったの、舞阪で。その時、クローズしてぇ、もぉ舞阪の堤防横のアライでやんなさいって。あそこしか出来ないっつって。んでアライとぉ、こっちの何だっけ舞阪のホントの堤防の、あの横で、俺ロングなのにぃダブルくらいあんのにあの舞阪の横の堤防の、堤防をこぅギリギリゲットして、5人ヒートで、俺まだ覚えてるもん5人ヒートで、俺だけアウトにいったの。
あと全員スープに乗ってんの。で、俺アウトから一本乗ったの、ビューって岸まで、でも一本しか乗ってないの。そんなのに負けたの。でぇ、ジャッジんとこ行ってぇ、「お前らサーフィン知ってんのかよ?テメーらスープくらいの3本とアウトの一本どっち取るバカヤロー!お前らサーファーなら降りて来ぉい!!」って、その場で大喧嘩して板捨てて帰ってきたの。
M:え〜。。。
加藤さん:腹立ったぁ〜。
M:それはちょっと腹が立ちますよね。
加藤さん:いや、そういう時代だったの、ジャッジが。スープ3本で、3本乗ったのよりアウトの波1本乗ったのが点が高いのに、そういう時代だった。
M:へぇぇぇ〜。
加藤さん:「お前らサーフィンなめてんのかぁ?!沖まで行ってみろぉっ!」って、板投げて帰って来た。
M:ヒャハハハ。
加藤さん:ハハハ、ジャッジの前で。格好悪〜い、今考えると(笑)
Y: ニャハハハ、若かったから。
加藤さん:でもそん時シニアでも出てたよ、俺。シニアも準決で負けてぇ、ロングも準決で負けたから余っ計腹立った。で、まだその後があって、パドルリレーも出てたの、俺。
Y: ホントぉ?
加藤さん:シニアで人がいなくて。石原がまだ支部長のとき、知ってる?
Y: ノブちゃんが?あぁ。
加藤さん:うん。あいつと俺で、二人で〜。俺なんか「出るのかよぉぉ?」って言いながら、あの中パドルリレーでリーシュもないのに沖まで行って帰って来たよぉ〜。エッグイでしょぉ〜??
Y: エグイねぇ〜。
M:その状況で決行しちゃうところもスゴイですねぇ。。。
加藤さん:スゴイでしょぉ〜?俺なんか帰って来たときなんか頭真っ白だったからね。
M:それ…だって出来る人じゃなければ行けないですもんね、そんなリーシュもない状態で。
加藤さん:あんなえらい思いは、二度としたくないねぇ。
M:(笑)今だったらやります?
加藤さん:あ、棄権(笑)
M:大会自体が。。
加藤さん:あぁ、大会自体。そぅそぅ、やんないね。
Y: (笑)今はちゃんとフンベツが分かるようになってきたモンで。
M:そっかそっか、それくらい曖昧というか、ファジーだったんだ。
加藤さん:そぅそぅ。そういう時代だったねー。でも俺実はそっからだもん、NSAに入ったの。「こんなジャッジ全員変えたるわー」っつって。その翌年から支部長になって、で本部行って、俺を入れろって言ってジャッジ委員会に入って、で理事になっちゃったんだもん。それがきっかけで。
M:へぇ〜。
加藤さん:その大会がきっかけ。全員変えてやろうって気で行ったんだよ、こんな若造がさぁ〜(笑)。
Y: ワッハハハハ。
加藤さん:でも熱くない?
M:熱―い!それおいくつくらいの時?
加藤さん:27。
M:えー、それすごぉい。
Y:そぉそぉそぉ。
加藤さん:まだ覚えてるよ、その辺はしっかり。
Y: 俺はある意味、加藤さんはこのエリアの、どうであれ土台を作った人だと思ってるよ。
加藤さん:いや、みんなが作ったんだけど、たまたま俺がそういう場所に居ただけだよね。そぅいぅ自分が考えたポジションに居て、それが上手くいっただけ。違う人が居たら、ターザンがやってたかもし、うん。僕らはやっぱ、ターザンとか兄さんとかシゲキ君とかが苦労してるとこを見てきてるから。うーん、エビンの兄さんなんかホント苦労してさぁ〜、すんごい苦労してTSAやってたの、あの人は。
で、俺もそういうの見てきてるからぁ。そういう先輩が居たからね、ターザンだって大会のときなんか走り回って一日中。でもそういうのを俺はやっぱり見てきてるから、ま、今があんじゃないの。うん、あの人達に向かっては言わないよ、俺は。「兄さん頑張ってね」くらいしか言わないけど、でもそぉいうの見させてもらって、今の俺があるのかなぁって、気はするよ。
それが名古屋の人の熱いところだよ。そういう人達が居なかったら、多分俺も居なかったかもしれない。ひょっとしたら。そういう人達がさぁ、会長が伊良湖オープン持ってきたり、ターザン達がTSA作ってぇ、ね、その大会を持ってきたり。バリハイをやろうとかぁ、そういうのをー、僕も見させてもらわなければ多分自分もそこには居なかった。今は。
そういうことが基本的にあったからさぁ、「俺たちにも出来るんだなぁ〜」とか「やれんじゃねぇかぁ」とか、そういう、気持ちの中にそういうのがあったね。うーん、そりゃ大っきいよ。だからねぇ、あの頃みんな喧嘩したりさぁ、「あんなターザン達がやってっからダメなんだよー」とか言いながらも、基本的には『そこ』なんだよ。うん。基本的にはそこがあったから、反発もしたしぃ、クソッ!と思ってやってきたけど、基本はそこがあったからぁ、俺たちはあるんだと思うよ。名古屋の人って結構熱いじゃん?
M:熱いですねぇ〜。
加藤さん:それがなきゃねぇ〜、やっぱ無理だったね。ただ単にサーフィンして、好きにやって、クシャクシャで終わってたよ。そぉいうとこはねぇ、やっぱ分かる。それと、その全日本のロングボードの一件がなければぁ、アッハハハハ。あれホンット腹立ったモン!
Y: あの当時は、まだロングボーダーは10人も居なかったね。そっから90年代に入った真ん中くらいからぁ、急激に増えて今に至る。…いやぁ〜、面白い、やっぱ加藤さんは。俺の好きな人の一人だからね。
加藤さん:よく言うよ〜。ホンット、でもやっぱりねぇ、世界中CTとか回って来てねぇ、僕もすんごいいい勉強になったけど、選手の話とかね、選手の態度とかね。あと大会をやる人達の姿勢、世界中の人達の。こぉれはホントにためになったね。「選手のためにやってんだな」って、自分達のためじゃないよ。選手のために大会をやってんだよ、彼らは。やっぱね、クイックシルバーのブルックスとかね、そういう人達と一緒に仕事してきたけど、ホンットに彼らは選手のために試合をやってる。そこが違うね。うん。
Y: あのさぁ、3年くらい前かなぁ〜、WQSでトム・カレンが来たときぃ。あのとき「うぉーっ!」と思ったもん。
加藤さん:あれあれ、あいつ(ホット赤羽根に飾ってある絵を指して)。でもねー、トム・カレンねー、来たとき可哀相だったよ〜。土っ砂降りの大会の前日に来て、リップカールのヤツがぁ、「加藤さん連れて来ました。トム・カレン、お願いします。」って言うんだよ。「お前どーすんの?」って聞いたら「あ、僕帰ります〜」って。「はぁ〜?お前トム・カレン置いて帰んのぉ??」って。「僕はここまでなんですよぉ」ってわけ。そんなだから、ウチの若い子に「お願いだからホテル連れてってあげて。」って、土っ砂降りの中だよ、ホテルまで行かないの。土砂降りの中車に全っ部荷物入れ替えて、奥さんと二人で、俺が「もぅすぐホテル連れてくから」って言うと「あぁ、いいいい、俺は大丈夫だよ。」って言うんだけどぉ、俺たちトム・カレンを一週間ずっと面倒見てたの。
Y: へぇ〜。
加藤さん:で、ウチの息子が、カイドウが、「お父さん、俺がじゃぁ足になろうか?」って言うから「お、頼むわぁ。」って。あいつだから、いつも試合の全部送り迎えはアイツがしてぇ、でもぉアイツ、多分トム・カレンにぃコンビニ行く度に何かおごってもらってた。
M:アハハハハー。
加藤さん:ウフフフ、チップスとかアイスクリームとかぁ。「お前ぐらいだろ、多分、トム・カレンにそんなおごってもらったのって」って。
Y: そーだよぉ〜。
加藤さん: でも「いい経験した。」って本人は言ってた。うーん、すぅごい物静かでいい奴。あいつのおかげでね、トム・カレンのおかげでウチの息子、あの今乗ってる板がぁ、トム・カレンが「ダイアモンド・テールに乗れば?」とか「ちょっと厚みのあるのが」ってちゃんと教えてくれたね。うーん、だからヤツの今サーフィンはぁ、トム・カレンのあぁいうカービングから来てるね。
Y: カイドウ、大きなったもんなぁ、こんな小っちゃい時から知ってんだからぁー。
加藤さん:でもホンっとすっごいいい人だよ、トム・カレン。
Y: いや、まず来たのがビックリだったもん。
加藤さん:うーん、嬉しかったぁ、俺も。でもねぇ、トム・カレンと写真撮ってないの、すごいショック!!
M:アララ〜。
加藤さん:忙しくて撮ってなかった。息子ちゃっかり撮ってんだから、腹立つわぁ〜(笑)。
Y: そんな一緒にいる時間あったのにねぇ。
加藤さん:でもぉ、サインだけくれたの。帰る前に、俺にサインしてってくれたの。「来年もまた来るから」ってちゃんとサイン一つして置いてってくれたの。俺やっぱり忙しかったから、トム・カレンも悪いと思って、サインだけ置いてってくれたの。
Y: でもそういうのがなければぁ、いわゆる世界を代表する選手がまた来るってことは、100%ないと思う。
加藤さん:ないねぇ〜。
Y: プロモーションでぇ、メーカーが連れてきたりするのはあっても、そぅいうのは…ないと思う。
加藤さん:でもね、ここで勝った選手がさ、CTとか上がってくれたら嬉しいじゃん。でやっぱみんなもそぅいうの観ればさ、全然気分的にも違うしさ。うん、今みたいなタイヘンな世の中でそういうものがやっぱりね、目の前で、インターネットの時代で何でも見れんだけどぉ、実物を観るのって大きな違いだしさ。WLTはケビン・コネリーをポスターの表紙にして、そのまま優勝してってくれたのが良かったけどね。
Y: あれは嬉しかった。
加藤さん:僕まだあのポスター持ってるからね。
Y: そぉそぉ、ケビンが丁度優勝したんだよね。
加藤さん:ポスターの表紙も彼にしておいたの、そいで優勝したの。
M:すぅごいですね〜!
加藤さん:うーん、スゴーイ。あんな事はないぞって。あ、今回も優勝したね。
Y: 優勝した。
加藤さん:写真見たけど、すっごいのがあったね。何これ、足乗っちゃってぇ〜。
Y: グウのねも出ないノーズ゙ライディングでぇ、マニューバの方が点が高いって中で、まぁ奴はそれを証明したね。
加藤さん:ヤツはそれに懸けて、ずっとそれにぃこう、それだけで勝負しようって気持ちがあるじゃない。あーれがスゴイよね。うーん、俺がこれは世界では俺にはねって、俺に勝てるか?ってとこまで出すじゃない。あーれはスゴイ!!あぁれはね、見習うベキものがある。ホンっとに。
M:ウフフフ。
加藤さん:いや、ホントだよ。その『一つに懸ける』気持ちってねぇ、生半可なモンじゃぁないからね、うん。それが出来る人ってのは、限られた人なんだけどね。言い方を替えれば『神に選ばれた人』なんだと思うよ、ホント。ゴッドハンドじゃない、『ゴッドフット』だよ、うん。
M:本当にそうだと思います。
加藤さん:うん。ホントに。神の足だよ、それを持ってる人なんだよ。そぅいう人は少ない。でもそぅいうことを実証してぇ、大会でも勝っていくってのはスゴイことだよ。今のネぇ、あの、ケリー・スレーターと一緒。
Y: そぉだよね〜。
加藤さん:だからぁ、30いくつになっても、衰えずにああやってやっていくんだから、そういう人達がいるってのはいい見本だよ。うーん。サーフィンってのはみんなそぉなんだけど、何かちょっと道がズレちゃう人も多くて。フフフ。違う方向に行っちゃう人も居る。トム・カレンなんか、もぉ誰が見ても分かる!このスタンスの狭さとかぁ。
Y: いやー、でも今日は面白い。色んないい話が聞けたから。
。。。続きは次回☆もぅ少しだけ、あと一回で完了で〜す。。。

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