昨日のNHKクローズアップ現代はアメリカのワーキングプアについてであった。
作家のデイビッドシプラーが書いた「ワーキングプア」を取り上げていた。働けども、働けども、報われない底辺の労働者達。それが今は若い人達にも及ぼしている。以前は努力すれば、今頑張れば、夢を持って・・・それがなんとか叶う時代であった。ところが今はそうではない。一方で高額所得者も増えているという二極化が生まれている。日本も同じ様な状態にあるとのこと。これはもう政府が早急になんらかの手をうたないといけない問題である。彼が最後に言った言葉が印象に残る。「今こそ恥を知るべきだ。」これこそ政府の無力を物語っている。フランスの新大統領がアメリカ的なやり方で経済の建て直しを図るというが、フランスの将来も見えたような気が私にはする。
さて、ジェイコブとデイナのことで最後に書き忘れたことがある。
We love thrifty life. 私達は倹約生活が好き。
ジェイコブはテニスのコーチの仕事を休み、デイナはトレーニングアドバイザーの仕事を辞めてこの1月から旅行を続けている。
「若くて、夫婦でこんなに長くあちこち旅行するなんて、お金持ちの子なの?」なんて思う人もいるようだが。私は詳しくは聞くことができなかったが、ジェイコブは敬虔なクリスチャンなのでウガンダ、ケニヤ、インド、タイ、とボランティアで各国の施設等でのお手伝いをしてきたらしい。タイではミャンマーとの国境近くにあるカレン族という難民施設にいたとのこと。あの辺りは武装勢力もあるのだろうか、一度だけ恐い思いをしたそうである。だから純粋な旅行というのは我が家に来てからのことである。「日本に来て初めて文化について学んだ。それ以前の訪問国ではそのようなことはなかった。」と言う言葉に表されるように、純粋な旅行とは違うと思う。それにしても若い二人が共通して経験したことはこれからの彼らの人生にはプラスになることが大であると思う。
だから、旅行中の彼らを見ていると、本当に質素である。買物はほとんどしない。まあ荷物を増やしてもいけないという制約もあるが。生活の本当の楽しみ方を若い彼らから学んだような気がする。かといって私が同じ様なことは出来ないけれども。
ワーキングプアについての番組を見ていて、同じ若者でも生き方がこのように違うものなのかと、考えさせられた。
ジェイコブ達を見ていて明るい光を感じる一方で、それだけではない今の時代の不安定さを憂う私である。