復旦大学は、巨大と呼ぶ以外に形容しようがなかった。
タクシーで正門に着いてから、目的の建物を探すのに、キャンパス内を延々走ってもらうことになった。
その間、道を尋ねた相手は約10人。
大半が学生であったが、建物の場所をだれも知らない。
こちらの下手くそな中国語が災いしたのであろうけれど、折からの大雨の中、見かねたタクシーの運転手氏が尋ねてもさほどの違いはなかったから、実際に知らなかったのだろう。
広さも広さではあるけれど、ひとつの大学の中に100を越える研究所があるのだから、一般の学生が知らないのも無理はない。
結局、大学が見えてから正門までタクシーで10分ほど、正門に入ってから(お願いして入れていただいたのだ)さらに10分以上を費やし、目的地にたどりついた。
いやはや、聞きしにまさる広大なキャンパスであった。
ただし、シンポジウム初日にカメラを宿に忘れ、
(持っていてもそれどころではなかったかもしれないが)
2日目も、ほとんど写真を撮っている余裕はなく、大学の風景は、きわめて個人的な興味にもとづく写真ばかりとなった。

0