山岳小説の金字塔と言われる、井上靖さんの名著「氷壁」が発表されたは昭和31年。その後50年も経ちますが、未だに話題をふりまいています。
この「氷壁」が新年明けにリメイクされドラマ化されることを「25000分の1地図の読み方」の著者である
平塚晶人さんのブログを見て知りました。

そういえば7月に丹沢で行われた平塚さんの地図読み教室に参加した際に、山麓のぶなの湯に浸かりながら「氷壁」が話題になりました。中高生のころ「氷壁」を読んだ平塚さんは、この小説の虜になってしまったとのことです。実は平塚さんは1965年(昭和40年)生まれ。私とはタメなのです。
そのころの私は、井上靖といえば「しろばんば」「夏草冬涛」などに感動していました。平塚さんに比べ何と”うぶ”な少年であったことでしょう...
そして平塚さんから遅れること二十余年、40歳を目前にした一昨年に私も「氷壁」を読みました。
物語の中には、男女感、夫婦感、浮かび上がる銀座や新宿の情景など、今では失われたものがそこには残されていました。しかしながら、対照的なことに山のシーンはまったく錆びていないのです。山そのもの、山に対する人の気持ちは変わらないんだと思った次第です。
平塚さんの少年の熱い感動に比べ、なんとも醒めた感想になってしまったのが少し寂しく感じてしまいます。
ともあれ大人気の新聞連載、映画化、山岳小説か恋愛小説なのか?議論など、発表後50年にわたり話題をふりまく超大衆作ですが、今回のリメイク・ドラマ化も楽しみです。
1月14日の第一回の放送を待つこととしましょう。