報道紹介
■傷害容疑で受刑者4人を書類送検 三重刑務所
2011.1.11 21:22 MSN産経ニュース
三重刑務所(津市)は11日、傷害容疑で30〜40代の男性受刑者4人を書類送検した。
送検容疑は昨年8月15日午後6時ごろ、共同室内で30代の男性受刑者の腕や脚を殴るなどして軽傷を負わせたとしている。
同刑務所によると、4人は容疑を認め、「言動に反感を覚えた」などと話している。
■宮崎の刑務官黙認損賠訴訟:男性受刑者の請求棄却−−地裁/宮崎
2011年1月15日 毎日新聞 地方版
宮崎刑務所(宮崎市)の30代の男性受刑者がほかの受刑者3人に脅されているのに刑務官が黙認したとして、男性受刑者が国に165万円の損害賠償を求めた訴訟で、宮崎地裁は14日、請求を棄却した。牧真千子裁判長は「刑務官の処遇に不相当な点はあったが、国家賠償法上違法とまではいえない」と判断した。
判決によると、男性刑務官は08年12月5日、男性受刑者が倉庫の中で、他の受刑者3人に「何か勤め方も悪いし、言葉遣いもめちゃくちゃやわ」などと脅されていたのを黙認した。
■万引き:起訴猶予の看守を停職2カ月−−佐賀少年刑務所 /佐賀
2010年12月25日 毎日新聞 地方版
佐賀少年刑務所(佐賀市)は24日、窃盗容疑で書類送検され、起訴猶予となった男性看守(25)を停職2カ月の懲戒処分にしたと発表した。
同刑務所によると、看守は今年10月24日午後4時ごろ、佐賀市内のドラッグストアで風邪薬1点(1700円)を上着ポケットに入れ、金を払わず店外に出たが、防犯ベルが鳴って万引きが発覚した。「薬が高かったので魔が差した」と話しているという。
看守は11月に佐賀地検へ書類送検され、今月14日に起訴猶予となった。
■あさひ社会復帰促進センター
全国初、刑務所で一般診療−浜田/島根
毎日新聞 2011年1月7日 地方版
◇地元の要望強い「眼科」
民間資金やノウハウを活用するPFI刑務所「島根あさひ社会復帰促進センター」(浜田市)で6日、全国初の一般住民向けの診療が始まった。診療科は地元から要望が強かった眼科。
同刑務所の受刑者向けの診療所は、玉置嘉輝所長を含め医師20人、看護師16人で内科や眼科など8診療科がある。これとは別に診療所が設置され、玉置所長が新しい診療所長を兼ね、眼科医と看護師も兼務となった。
08年の同刑務所開設時から受刑者の受診に支障がない範囲で一般向け診療所の設置は可能だった。県は昨年、受刑者の受診頻度などを調べ支障はないと判断、浜田市医師会に一般向け診療でも協力を求め、月1度の診療が実現した。診療所は刑務所の事務部門が入る建物にある。
この日は2カ月に1度、浜田市中心部の眼科医院に通っていた同市旭町今市の建築業、稲田義治さん(57)ら4人が受診。稲田さんは「行って帰るのに3、4時間かかった。ここは1時間かからない」と話した。診療日は毎月第1木曜。1日約5人の予約(0855・45・8166)診療。【大西康裕】
【留置施設関連】
■ナイフをズボンに隠し留置場に、署員見落とす
2011年1月13日12時37分 読売新聞
昨年8月下旬に三重県警松阪署に窃盗容疑で逮捕された容疑者が、署内の留置場にナイフを持ち込み、県警監察課が担当の署員ら5人を処分していたことが12日、わかった。
同課によると、容疑者は留置場で十徳ナイフ(刃渡り約5センチ)をズボンの中に隠していたが、署員が見逃し、後に身体検査で発見した。「値段の高いナイフなので持っていたかった」などと話したという。同課は昨年10月下旬、「不適切な留置管理だった」として署員ら5人を口頭による訓戒処分とした。
同課は取材に、「再発防止のため、県内全署に身体検査などの基本原則を徹底するよう、引き続き指導していく」とコメントした。
【更生保護関連】
■出所後の障害者・高齢者支援 県がセンター開設
2011年1月18日 朝日ドットコム
刑期を終え出所しても、家族も仕事もなく、刑務所に舞い戻ってしまう。そんな障害者や高齢者の再犯を減らそうと、「県地域生活定着支援センター」(岡山市)が17日、オープンした。
親族の受け入れ先がない満期釈放者は、全国で7200人(2006年)。うち約1千人が、自立困難な高齢者か障害者だった。さらに、65歳以上の再犯率(5年以内)は約70%で、その4分の3は、2年以内の再犯だった(07年版犯罪白書)。
仮出所や保護観察処分の場合は、保護観察所が復帰を支援する。しかし、満期出所者は事実上、何の支援もないまま刑務所から放り出される状態だった。
そこで、国が09年7月から、センターの設置を進めてきた。
岡山では職員4人。対象者の出所の数カ月前から、受け入れ施設や身元引受人の確保、要介護認定や生活保護などの福祉サービスについて検討する。当面、支援対象
者は10人前後いるという。(西山良太)
■「歌舞伎町の駆け込み寺」が刑務所出所者支援
2011.1.19 22:45 MSN産経ニュース
ドメスティックバイオレンス(DV)やストーカーの被害者などにとって、「歌舞伎町の駆け込み寺」として、1万5000人以上の相談に乗ってきたNPO法人「日本ソーシャル・マイノリティ協会新宿救護センター」(玄秀盛所長)が独立行政法人福祉医療機構の助成金を受け、刑務所の出所者とその家族の支援を始めた。昨秋の開始以来、全国から支援を求める声が寄せられている。
「刑務所から出た人は浦島太郎のようなもん。歌舞伎町なら分かりやすいし来やすいやろ」と、玄さんは穏やかに笑う。
昨年9月、憔悴しきった様子の父親に連れられ、30代の男性が駆け込み寺を訪れた。男性は恐喝や監禁などで前科6犯。約10年間刑務所を転々とした末に暴力団から脱退したが仕事もなく、かつての仲間からの誘いに困っていた。地方での生活を希望していたが、運転免許もない。だが、男性の口から出たのは「北海道は寒いから嫌」「沖縄とか暖かいところが良い」…。
「何やおまえ、リゾート感覚か。そもそも選べる権利があるのか」
ふてくされた表情の男性を玄さんはしかりつけた。2回目の面談でやる気を確認し、就職先候補の会社と交渉した。男性は「ここまで親身になって考えてくれる他人に初めて出会った」と振り返る。
面談4回を経て、男性は玄さんの知人が営む介護施設に就職が決まった。
在日韓国人として大阪で生まれ育った玄さん。少年時代は非行に走り、その後職を転々としたが、白血病を起こすウイルスの保持者であることが分かってからは人生を一変させ、平成14年に駆け込み寺を開いた。
少しでも再犯者を減らしたいと始めた出所者支援事業は、有料のカウンセリングを無料で行い、仕事の紹介に重点を置く。
事業は今年3月までだが、すでに予定の20人を上回る24人の相談に乗った。「予定の人数を超えたからって、ハイ終わりってわけにはいかんやろ」と玄さん。赤字覚悟で支援を続けるつもりだ。
■出所者にも不況の影響
支援のNPO、資金難にあえぐ
2011.1.19 23:31 MSN産経ニュース
刑務所や少年院を出ても定職に就けず、再び罪を犯してしまう…。職のない出所者らの再犯率の高さが問題となっている。保護観察終了時の再犯率が有職者の約5倍に上るとの統計もあり、経済界は出所者らの就労を後押しするNPO法人(特定非営利活動法人)を設立するなど支援に動いているが、不況の影響もあり、資金難で十分な活動ができていない。
NPO法人「全国就労支援事業者機構」(東京)は、今年1月で発足から2年を迎える。経済団体や企業が会員に名を連ねる同機構は、刑務所や少年院を出た人を雇ってもよいという「協力雇用主」に出所者らを紹介。実際に雇用に至った場合は、事業者に助成金を交付している。
経済界が出所者らの就労支援に乗り出した背景には、職に就けない出所者らの再犯率の高さがある。
法務省が昨年11月に公表した「平成22年版犯罪白書」によると、殺人など重大事件で服役した約1千人を追跡調査した結果、約31%の322人が10年以内に再犯に及んでいた。さらに同省の20年の統計では、保護観察終了時の再犯率は有職者の7・5%に対し、無職者は約5倍の34・5%。職の有無が再犯の要因という可能性が浮き彫りとなった。
同機構は、これまでに全国50カ所に地方組織を設置、協力雇用主を約8500人に拡大した。雇用主から「とても熱心な人を紹介してくれて助かった」と、感謝されたこともあった。
ただ、助成金の原資となる会費を負担することで事業に協力する事業者会員は約110社。年会費は1社当たり10万円のため、他の資金を合わせても助成金として提供できるのは年間1500万円程度と見込まれ、財政状況は厳しい。
同機構の清水義悳(よしのり)事務局長は「不況で出所者は一般の人以上に厳しい求職活動を強いられる。十分な支援を行うために、理解を求めていきたい」としている。
■追跡・累犯:出所後、ホームレス施設利用 法務省、一時受け入れ委託方針
2011年1月4日 毎日新聞 東京朝刊
帰る場所がない刑務所出所者の一時的な宿泊先を確保するため、法務省は新年度、一時保護施設を持つホームレス支援団体などに、出所者の自立支援事業を委託する方針を決めた。出所者の一時受け入れ施設としては全国に104の民間更生保護施設があるが、いずれも満員で、出所者全員を受け入れられない状況にある。新たな更生保護施設の建設や大型化は住民の反対など困難が予想されるため、ホームレスの一時保護施設を利用して、社会復帰を目指してもらう考えだ。
出所しても行き場がなく、そのままホームレスになる人も少なくないことから、ホームレス支援団体などの中には既に出所者支援に乗り出している団体もある。
頼る先がないだけでなく、就労困難な高齢者だったり、知的障害を抱えた出所者もいるため、就労支援だけでなく、生活保護の受給をアドバイスしたり、福祉施設への入所を模索するなどしているという。
法務省は、こうした支援団体のノウハウを生かしたいとして、新年度予算に約1億1800万円を計上。全国のNPO法人や社会福祉法人などに、出所者の自立支援事業を委託し、年間計約450人分の一時宿泊先を確保する。対象者は、法務省が「比較的自立しやすい」と判断した出所者で、委託先の職員が原則毎日訪問して生活指導を行うとしている。【石川淳一】
■保護司の不足慢性化 背景に不況や希薄な人間関係
2011/01/14付 西日本新聞朝刊
罪を犯した人や非行少年の立ち直りを支援する「保護司」が慢性的に不足している。社会構造の変化や、人間関係の希薄化などが背景にある。「市井の隠れた篤志家」から「活動する保護司へ」と役割も増し、現場からは不満の声も上がり始めているという。県内の保護司の現状を探った。
保護司は法務大臣から委嘱された非常勤の国家公務員だ。保護観察付き執行猶予判決を受けた人や、刑務所から仮釈放された人を定期的に自宅に呼び、生活・就労の指導や助言をするのが主な役目。活動実費が支給されるのみで報酬はない。
65歳までの人が就任でき、2年の任期を更新しながら最長77歳まで活動できる。長崎保護観察所によると、人口などに応じて定員が定められており長崎県は890人。全国的に定員割れが常態化し県内でも74人足りない。県保護司会連合会の大原太郎会長は「対象者は保護司の家が遠いと次第に来なくなる。保護司不足は更生までの期間を長引かせるおそれがある」と懸念する。
同会によると、年金受給開始年齢が65歳に引き上げられたことや、長引く不況で定年退職後も働き続ける人が増え、保護司のなり手が減少している。本人は承諾しても、家族が反対するケースも少なくない。自治会加入率の低下など地域のつながりが希薄化している影響もあるという。
一方で保護司一人あたりの対象者の数は、暴走族の減少などで2005年の0・63人から0・48人まで下がっている。だが、地区によって偏りがある上、仕事は更生の手助けだけではない。
保護司は、受刑者が希望する落ち着き先を訪れ受け入れ環境を調査、調整して定期的に保護観察所に報告しなければならない。さらに、05−06年に保護観察中の対象者による凶悪犯罪が相次いだことを受け、小中学校での講演や不登校児童への声掛けなど地域の防犯活動の先頭に立つことも求められるようになった。
負担増が後継者不足に拍車を掛けるおそれもある。ある保護観察官は「現場からは『やらせてばかり』と不満の声が出始めている」と漏らす。
大原会長は「こんな時代だからこそ支える側に立つ人が必要。地道に活動を続け、理解者を増やしていくしかない」と話している。

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