「悩み吐き出す窓口」
豊中・サポートセンター開所
犯罪や非行をした人らに生活上の助言や就労の支援を行う更生保護活動の拠点として、大阪府の豊中市更生保護サポートセンター(中桜塚2丁目)がこのほど、オープンした。法務省の通達のもと、更生保護サポートセンターはこれまで全国に21カ所開設されているが、府内では初めて。従来の更生保護活動の強化に加え、保護司同士や地域の更生保護団体との連携を深めていく上での拠点として、活用が期待される。
今後の活動について熱心に話し合う保護司ら保護司とは法務大臣より委嘱された無給・非常勤の国家公務員。犯罪や非行をした人らの社会復帰を地域に根差して支えるもので、同市内には現在100人の保護司が活動している。対象者と月1回の面談や生活、就労支援のほか、毎年7月の社会を明るくする運動では犯罪予防活動の啓発を行っている。
保護司の多くはボランティアのため、面談や指導を自宅の一室で行っており、対象者のプライバシーに十分配慮できていないなどの問題が以前から指摘されていた。また、保護司自身も対象者との関係や指導方法に悩むことも多く、身近な地域で更生保護の拠点の開設を求める声が多かった。
そこで今年3月、同市が場所を提供、豊中地区保護司会(岡野昭三会長)が同センターの運営に当たることになり、5月から開所準備を行っていた。
今月12日には同市の武井眞一副市長や大阪保護観察所の西村穣所長ら関係者約30人が参加して同センターで開所式が行われた。開設後は8人の保護司が交代で運営に当たっている。要望の多かった面談室も用意されており、市内で活動する更生保護活動の拠点の役割を担う。
同センターは「豊中における更生保護活動の拠点として、関係団体と協力しながら相談の受け付けや情報発信などを行います。他人には相談しにくい犯罪や非行に関する悩みなどを吐き出す窓口として活用してもらえれば」としている。
開所時間は月曜日から金曜日の午前10時〜午後4時。問い合わせは電話 06(6852)5205、同センターへ。
2011年10月31日 大阪日日新聞

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