「フィブリンのり」も救済
薬害肝炎訴訟で国和解方針
薬害C型肝炎訴訟で、これまで感染との因果関係が不明確だと国が主張してきた手術用接着剤「フィブリンのり」について、国は17日、東京地裁で開かれた裁判手続きで、静脈に直接注射して投与する血液製剤「フィブリノゲン」と同様に、被害者救済法に基づく救済の対象とする方針を示した。原告の弁護団が明らかにした。
フィブリンのりはフィブリノゲンと別の薬品を混ぜた物で、心臓手術などに使われてきた。昨年1月に救済法が成立して以降、国は原告との和解協議を進めてきたが、「のり」については因果関係を示す医学的知見が少ないとして留保し、「08年度中に見解を示す」としてきた。
17日は東京地裁で弁論などが開かれ、弁護団によると、国が口頭でこの方針を伝えた。この方針をもとに、のりを使用した原告が国と和解を成立させたという。一方、製薬会社側は因果関係について争っている。
国は今後、のりの使用時に、感染の可能性が疑われる大量輸血などがない限り、和解に応じるとみられる。弁護団によると、のりが使われた原告は全国で約160人おり、このうち100人以上が和解の対象になるという。弁護団の高井章光弁護士は「救済法施行から1年以上たち、原告はつらい思いをしてきたが、大きな問題の一つに国が解決の方針を出したことは評価したい」と話した。
asahi.com 2009年3月17日14時10分

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