裁判員制度実施まで3か月余 辞退関連相談3分の2
地裁 周知徹底へ10日催し 傍聴解説やDVD配布など
DVDが並べられた地裁の「裁判員制度コーナー」(和歌山市二番丁で) スタートまで3か月余りとなった裁判員制度で、県内で「裁判員候補者」の通知書を受け取った人から計86件の問い合わせが、2日までに地裁に寄せられていることがわかった。辞退の方法を尋ねるなど、参加に消極的な内容も目立つため、地裁は、10日に「裁判員制度100日前イベント」を開くなど、県民への周知をさらに図る。
地裁によると、通知書は昨年11月下旬、最高裁から全国の29万5027人に発送され、県内では2400人が裁判員候補者に選ばれた。最高裁の専用コールセンターには、1月24日までに3万3699件が寄せられた。
地裁にも、「70歳以上だが、参加しなければならないのか」「どうすれば辞退できる」などの問い合わせが電話などであった。辞退に関する内容が約3分の2を占め、「守秘義務が守れるかが心配」「仕返しを受けることはないのか」など、不安を訴える声もあった。また、制度そのものについて知らない人もいた。
100日前イベントは、和歌山市二番丁の地裁で10日午後1時15分から開く。第1部では、酒気帯び運転などで道路交通法違反の罪に問われている被告人の裁判を傍聴し、終了後に成川洋司裁判官が解説する。第2部では、裁判員制度の説明会を予定している。
また、地裁正面玄関には、パンフレットなどを並べた「裁判員制度コーナー」を設け、最高裁が企画・制作したDVDを無料配布。DVDは、「裁判員 選ばれ、そして見えてきたもの」「審理」「評議」の3種類で、裁判員候補者の通知書を受けてから、法廷で被告人の刑が決まるまでの流れが描かれている。
このほか、目が不自由な人のために、点字や音声コードが付いたパンフレットも用意した。
地裁では「まだまだ制度が周知されてなく、少しでも多くの人に理解し、参加してもらえるように呼びかけていきたい」としている。イベントは参加無料、定員50人。申し込みは平日午前9時〜午後5時に地裁総務課庶務係(073・428・9873)へ。
(2009年2月3日 読売新聞)

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