伏見の飲食店長自殺
男性を過労自殺と認定、6500万円支払い命令
−地裁 /京都
◇飲食店経営会社に支払い命令
飲食店経営会社「エージーフーズ」(東山区)で働いていた伏見区の男性(当時49歳)が自殺したのは過労によるストレスが原因として、妻と息子2人が同社を相手取り、約1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、京都地裁であった。松本久裁判長は「社長は(男性に)売り上げの回復を求め続けていた」などと仕事のストレスと自殺との因果関係を認定し、計約6500万円の支払いを命じた。
判決によると、男性は92年に中京区の飲食店店長となり、95年1月から約1年間で平均労働時間は1日約12時間、休みは月平均2・2日だった。95年秋から頭痛や血尿などで通院し、96年2月、勤務後に伏見区内の団地から飛び降り自殺した。
松本裁判長は「長時間労働の結果、うつ病症状を呈した上、意に反する異動の内示を受け、強く説得されていた」と仕事による重いストレスを認定。その結果「衝動的に自殺を図った」と認め、会社側の過失相殺の主張を退け、賠償額で労災給付分などを減額した。【中村一成】
(毎日新聞) 2005年3月26日朝刊 17時46分更新

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