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2012/5/26

加害者家族  

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事件報道後、加害者の家族が追い込まれる状況を、NHKクローズアップ現代のディレクター氏が、放送しきれなかった情報をまとめた本である。

冒頭に出てくるケースは、夫が殺人事件を起こした妻への取材。任意同行が始まってからも夫は口を閉ざし続け、逮捕後の取調べ状況は当然知らされず、夫からは事件の理由を何一つ聞けないまま、エスカレートする周囲の非難に身の置き場のない思いをする妻の立場が痛いほど伝わってくる。

インターネット掲示板での攻撃は、第三章「インターネットの暴走」に詳しい。

「ネット特有の目を覆いたくなるような文字の羅列の中に、報道陣のフラッシュに照らされてうつむき加減に写っている両親の写真が掲載され、その暴露的な扱いに胸が悪くなるほどだった。」(125ページ)

日本では年間1,200件程の殺人事件が発生しているそうだが、そのすべてをネット・ユーザーが問題視しているとも思えない。取捨選択は何によるのだろうか。

事件や加害者について意見を述べるなら、最低でも裁判記録のすべてを通読するくらいの情報を、得てからにするべきである。そして実名・匿名を問わず、その行為をするなら、された苦しみも知っておく責任はある。

最近起こった有名芸能人の身内による生活保護受給問題も、すでに「胸の悪くなる」文言がどこかに羅列されていることだろう。しかし、生活保護受給者という完全に保護されなくてはいけない個人情報を漏らした人間は、またそれをブログ上で公開した国会議員は、責めを負わなくても良いものだろうか。

最終章では、犯罪加害者家族をとりまく諸外国の取り組みについて紹介されている。驚いたのは、アメリカの高校で起きた銃乱射事件で公表された個人情報から、加害少年の家族の元には全米からダンボール2箱分の手紙が届いたそうだが、それがすべて激励の内容だったということだ。

異端と目した相手のことを、自分と同じように傷つく心のある人間とは思えなくなる日本人の根底にあるのは、ムラ社会のウチ・ソト意識であろう。

この本によって、世論の暴走に乗らない、意識のブレーキを持つ人は増えていくことと思う。

幻冬舎新書 加害者家族
鈴木伸元 著


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2012/2/17

読書タイム  

長く電車に乗るということは、やっほう!本が読める♪ということ。

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トラウマの現実に向き合う ― ジャッジメントを手放すということ
水島広子著
岩崎学術出版社

私がトラウマをどうこうというわけではなくて、いや、もしかしたらあるかもしれないけど、それよりも副題の方です。

ジャッジメント、されると不愉快ですね。
もうだいぶ前になるのに、ある友人が私に言った一言がいまだに心の中で整理できません。

でもついつい私もしてしまっているでしょう。そしてそのとき、こころは平穏ではないのです。たいてい怒っているか、不安になっているかなのです。

それを少しでもセーブできたら・・・って、それは無理かな?せめて
「あ、今、私ジャッジしてるな」
と自覚できたら、と思って読もうと思いました。


では、週末旅をしてきます。
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2012/1/19

納棺夫日記を読んで  

一、二章は業務記録の内容で、言ってみればブログ風。「おくりびと」で映画化されたのもこの部分で、読みやすい構成です。

でも私が感動したのは、三章。著者の住む富山県では葬儀の8割が浄土真宗(うちと同じ)で行われるそうで、三章も主に浄土真宗の教えについて書かれています。書籍や法話では腑に落ちなかった点が納得できたのは、僧侶でも宗教学者でもない立場で書かれた宗教論だからでしょう。

浅知恵のくせに言い切ってしまえば、日本の仏教の宗派の中で浄土真宗はヨガの思想に一番近いと思います。元がひとつなのだからリンクして当然ですが、親鸞が「念仏すれば成仏する(*)」と説いたのを、厳しい修業で知られる比叡山延暦寺の修行僧たちは、邪義として迫害したとあります。

私は既存の仏教には納得できない点もありました。苦しい修業で地位が上がる制度は生きている人間に、立派な位牌・卒塔婆・追善供養は亡くなった命に、それぞれ序列を作るものです。命に序列や宗派間の食い違いを作ることは宗教としておかしいでしょう。これが今まで持っていた疑問1。

また、現代の日本で宗教に熱心な人というと新興宗教の信者がイメージされがちですが、彼らの中には同じ信仰の人とそれ以外とで付き合い方を変える人もいます。仏教で目指すのは自他の境がなくなること、という考え方に矛盾しないかというのが疑問2。

この本の三章を読んで、それらの疑問が晴れたわけではありせんが、自分を取り巻いて大きな影響を与えるものという感覚から、自分から離れた所にあるどうでもいいものと思えるようになりました。困難の客観視という解釈はヨガでも出てくる考えです。

ヨガだと体操のように動いたり、逆にじっと座っていたりと、身体感覚から上述の視点を導きだしますが、日本の仏教は言葉で、理屈で、その考えを持つように教えます。どちらが良いかは、自分の感覚に聞いて判断すればよいのですが、私はどちらもイイナと最近は思えるようになりました。

しかし、現代の日本においてはヨガの思想の取り込み方を間違えれば、僧侶や行者の立場ならともかく、一般庶民は社会の落伍者となってしまいます。

社会的な承認欲求や慢(自分を立派に見せたい)の煩悩も、ある程度はないと困る現代社会、でも過剰になれば自分も周囲も苦しくなります。両者のバランスの「支点」は、自分の心が温かく落ち着いた状態が保てているかどうかでしょう。自分の内面にあるために軽視しがちですが、本当は一番大切で、見失ってはいけないものなのだと感想文のついでに考えました。

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納棺夫日記 増補改訂版
青木新門 文春文庫


(*)「なまんだぶと言えば極楽に行ける」という意味ではありません。深遠なのです。
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2011/9/29

田舎がきゅうくつなひと 都会がたいくつなひと  

高校までは周りじゅう東京出身者、その次の進学や就職で突然ホームグラウンドにいながらマイノリティになる困惑。

「出身はどこ?」
「(なんでそんなこと聞くんだろう?)東京ですけど」
「うそでしょ」
「は?」

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田舎がきゅうくつなひと 都会がたいくつなひと
笠原真澄著  サンクチュアリ出版

兵庫県郡部出身の著者が、かなり東京寄りに書いてくれています。ありたがいよう(:;)。

間違いだらけの都会イメージ
1.言葉が訛っていると恥ずかしい
2.みんなカッコつけてる
3.地方出身者をバカもする
4.どこもかしこも危険な場所
5.物価がとんでもなく高い
6.不親切な人ばっかり
7.都会は冷たい所

これらを丁寧に否定してくれています。ありがたいよう(:;)。

ほか第三章にある、Uターン・Iターン、それぞれの住まい方のケースは大変興味深いものでした。

最後の東京出身憤慨型の橋本君は、お母様が大阪府出身のため、帰省のときは東京の子とからかわれたり、たぶん全国的に有名な大学に入ってひどい目に合ったのでしょう、私はここまでは考えません(笑)。でも話しとしてはおもしろいので、ありがとう。



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さて、「東京人はカッコつけ」は違うというところで、こう書かれています。
「電車に乗ってみれば、いかに東京の人がかまっていないかが分かります」

確かに。神戸のほうが上、きっとそうでしょう。

東京の人は見てくれに無頓着。本当にそうだな〜と先日再認識しました。

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おまつりに参加している女性が、ほぼノーメイク?精々、通常通りの最低限メイク。

最近東北のお祭りに参加する女性の、華やかなヘア・メイクを見ていた私は、
「うわ、お化粧しないんだ!」
と、よその人目線になって驚きました。

でも私も、もしお神輿をかつぐとなったら、
「どうせ汗で落ちる」
「どうせ誰も私のことなんか見ちゃいない」
と、日焼け止めを塗って眉と口紅ぐらいだと思います。

こう書くと
「都会は娯楽がいっぱいあるから、祭りはノーメイクでも遊びに行くときにするんでしょ?」
と思われるでしょうが、そーゆーとこ行くときもたいした化粧しないんだよ。そもそもやり方を知らない。

これはもう、体質?
ハレとケの区別がないというのかな。

そういえば、入学式・卒業式でいきなり美女になってしまうあるお母様は、やはり関西出身だったものな〜。


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2011/8/4

Yogaではじめる瞑想入門  

つらつらと読んでいると、私はこれまで第1〜3チャクラの機能を軽んじていた。

骨盤底から丹田、臍のチャクラはエゴの部分。エゴは生命のエネルギーであり、意欲・自己肯定感を支えるもの。そこが満たされてこそ、他者に心を開き、穏やかに受け入れ、思い通りにならない物事をやさしく見守ることができるのだそうだ。

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続きを読む「エゴイストとは実はエゴが満たされていない人だ」
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2011/1/13

号外 虚構新聞  

電車の中で読んじゃいけない本ってありますね。笑ってしまうから、という理由で。泣ける小説はわりと我慢できるけれど、笑いは我慢もごまかしもできません。感情として強いんだな。

うーんと若い頃の「ぴあ」のはみだし、その後の「VOW」(後年冴えなくなった)に続いて出会ったのが、こちら

クリックすると元のサイズで表示します 号外 虚構新聞

ちょ〜うど笑いのツボにはまる内容、文章のリズムがたまりません。

発売日頃、ネット本屋は軒並み「在庫なし」となっていました。予約した人も手に入らなかったらしい中、私はリアル本屋で早々に入手できたため、自慢げにJR横浜線の中で読んで、やはり持ち込んだことを後悔したものです、苦しくて。

イギリスBBCがエイプリルフールのときに虚構ニュースを出しますが、こちらはそのニュースと質的に遜色なく、それでこの更新頻度、すごいことです。

この内容・量でお値段はワンコイン500円、かなりお勧めです。


続きを読む「蛇足ながら」
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2010/10/1

新潮文庫 12星座の恋物語  

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 なんか甘ったるい(^^)題名と表紙イラストだが、中身はけっこう辛辣で展開も速く、表紙から受ける印象ほどには読みづらさはなかった。

 構成は、角田光代氏が12星座の男・女で24の短編小説を書き、占星術家の鏡リュウジ氏の解説が入るもの。先頭バッター牡羊座男性の小説で角田氏が
「この男、ほんものの馬鹿だ」
と主人公に言わせれば、鏡氏が引き取って
「男だったら、牡羊座に生まれてみたい」
と書く。2人のちょいスリリングなやりとりもおもしろい。

 鏡氏はルックスや声の甘さに似合わず物言いが鋭いし、占星術の教科書の、現代日本の人間関係には通用しない点にも言及する。それだけに他の点でも言葉に説得力がある。例えばこんな↓

僕の周囲の友人で、ルックスもそこそこ、性格もいいのにもてないと言っている連中が何人かいるが、失礼ながら、僕から言わせればそうした奴らは、自分のキャラと自己イメージに大きなズレがあることが多い。 (P95 蟹座男の正しい見極め方より)


ぎくっ! と、きた。私そうかも。


続きを読む「人の星座って読まないでしょう?」
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2010/8/20

トーキョーの謎は今日も深まる  

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 外国人がよくぞここまで観察したものだ。いや、外国人だからできたことだろうか。一般に個性がないと言われる東京人が、実はかなり変なクセを持った集団であることを、おもしろおかしく暴露している。



続きを読む「今日は長いよ」
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2010/4/15

「考えない練習」 小池龍之介著  

 このごろおとなしくしていますが、hitomiの坊さん好きは健在です。

↓2006年頃、よく騒いでいましたっけね。
http://fine.ap.teacup.com/1yo1yo2/447.html
(この記事を改めて見て「あ、私太ったわ〜」と納得しました)

日頃なにかと考えすぎる傾向にある私なので、「考えない」の文字に惹かれて読みました。
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 不快感が沸き起こるときの精神状態の解説と、そこから自由になるための具体的な意識のしかたが書かれています。細かく書くと私がいかに煩悩にまみれた人間かバレるのであまり書きませんが、一読しまことに深く反省しました。

 感情の解説を書いた本は今は珍しくないものの、それを整理する方法を指導してくれる書物は、あまり見ない気がします。そこはやはり脳科学者や精神科医では手の出ない分野なのではないでしょうか。

 やっぱ坊さんだ。

 著者はお寺の宗派が書かれていないので、ちょっと疑問に思いましたが、どうも日本の仏教で修業されたのではないからなのでしょうか。ご実家は浄土真宗本願寺派で、現在はそちらの副住職も兼ねていらっしゃるとのこと。

 1978年生まれとお年は若いかたなので、文中に出てくる気持ちの表現の文体は若者風で軽やかな印象になっています。それほど読みづらくはありません。

考えない練習
小池龍之介 著
小学館発行
2010年2月14日初版発行で、3月31日には第五刷発行ですって!


↓押していただけるとスコアが上がります。どうもありがとう。
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2010/2/18

日本人の知らない日本語  

 新聞広告で目にしていたけど、マンガのわりには教育くさいかな?と思っていた、この本。
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本屋で目にして少し立ち読みしたら、あまりのおかしさに吹き出してしまい(七夕の短冊に横書きハングルの絵で、やられました)、すぐ隣に立っていた男の人に迷惑そ〜うに背を向けられ、申し訳なさ半分読みたい半分で買いました。

 「マンガだから一回読んだらそれっきりだよね」と思っていましたが、思いのほか繰り返し読んでいます。それでも、中にある日本語検定一級の問題などには、まだ目を通していません。

↓「がんばってください」は目上の人には使うべきではない言葉、と初めて知りました。
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 このイギリス人ビジネスマンのジャックさん↑は非常に優秀な生徒ですが、独学で使った教科書がひどく古いものだったという気の毒な人です。他人事ではありません。日本人だってある年齢以上の人の英語については、怪しいものです。

 学生たちの失敗談はあれこれ載りますが、全編を通して外国人の学生たちができないことや間違っていること、変な憶えかたをしていることを、馬鹿にした表現はしていません。そこが読んでいて気持ちの良いところです。


日本人の知らない日本語
蛇蔵&海野凪子 著
メディアファクトリー
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