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2013/7/11

震災トラウマと復興ストレス 宮地尚子著  

つい最近、図書館で見つけた本ですが、発行は2011年7月です。本との出会いは、自分がそれを読める状態になったからだと思います。この内容は、震災があった年の私には理解できなかったでしょう。

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震災トラウマと復興ストレス
宮地 尚子著
岩波ブックレット No.815


あとがきの書き出しは「言葉の力を信じてみたい。そう思ったのが、本書執筆の理由です」とあります。

以前から著者がトラウマの臨床をする中で作ったモデル「環状島」(内海を持つ島)を、震災後の日本社会に当てはめ、内斜面の被災者・外斜面の支援者・外海に当てはまる被災地から遠い人たちの、三者それぞれのつらさについて、当事者を代弁するように説明され無理なく理解できます。

私は一応「外斜面の支援者」となりますが、その章にあった「支援競争・共感競争」の説明には、身につまされるものがありました。

また、「被災地から遠い人たち」の章を読むと、当時は意識していなかったにしても、私はこのつらさから逃げたくて、ボランティアに行ったり、被災企業に出資したりといった行動を取ったのかもしれない、とも思いました。

日本人は自責の念や罪悪感を持ちやすい国民性なのかもしれません。どの位置にいても日本人として、皆それぞれが自分を責めて苦しんでいること、それを知ることで、ともすれば自分のつらさばかりに目が行き、他の人は楽をしていると批判的になることを防ぐことができます。

この本から得た「知」のおかげで、無用な批判から自分を遠ざけられることには、ああ、読んでよかったと心から安堵できました。その安堵があるから、「内海の水位を上げない(詳しくはお読みください)」努力をしていかねば、と思えるようになります。

60ページほどと薄く、表現も平易でとても読みやすく書かれていますが、かなり読み応えのある内容です。私は何度も読むのを止めて、自分で経験したことなどを思い返してしまい、案外時間がかかりました。

読んでいて、人それぞれに「ドキッ」と来る場所は違うことでしょう。私も実はここには書けない「ドキッ」がありました。でもこの本の全体を読んだ後ならば、その「ドキッ」を罪悪感に発展させることもなくいられます。その意味でも、ありがたい出会いでした。

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