《嫌いな食べ物》
先生 あら、昭ちゃんまだ給食食べ終わらないの?
ああ、インゲンをダメなのね。
でも早く食べないとお昼休みなくなっちゃうわよ。
昭平 これは絶対食べたくない。
先生 けれどずっとこのまま食べないでいる事はできないでしょ。
昭平 断固として拒否します。
僕にはインゲンという存在が許せないのです。
あの苦味、食感、臭いすべてが許せないのです。
先生 インゲンはすごく栄養があるのよ。
昭平 こんなものを食べられる人間なんて信じられません。
インゲンを食べる事は僕にとっては非常に受け入れがたいのです。
インゲンという存在自体を抹消したいのです。
考えただけで吐き気がする。
先生 だったら食べちゃえばいいんですよ。
食べてしまえばあなたの目の前から消えてなくなるわよ。
ほら、周りを見て御覧なさい。
もう誰もインゲンの苦味や臭いや食感のことなんか考えている人はいないわよ。
昭平 それでは根本的な解決にはならないじゃないですか。
僕にはできません。
先生 昭ちゃん聞いて。
食べない限りそのインゲンと向き合い続ける羽目になるのよ。
あなたは嫌いなインゲンについて誰よりもずっとこだわり続けているわ。
インゲンの存在を忘れるためにインゲンが出されたらすぐに食べちゃうの。
じゃなきゃ先に進めないわよ。