「アヤメ平〜尾瀬ヶ原〜至仏山 ’06/07/15〜17」
▼尾瀬・日光・栃木
■梅雨空に花の名所をひと巡り
海の日の3連休、花の尾瀬へ出かけてきたので、北海道の続きの前に速報版というか、花の見ごろなどを。
例年なら梅雨が明けないまでも、中休みで青空も期待できる時期だが、連日の雨続き。15日は、連休初日ということもあり、車で都内を7時前に出て、戸倉に着いたのが10時30分近かった。途中、雨が激しくなり、このころ尾瀬では雷が鳴っていたという。しかし、鳩待峠に着くころには雨がやみ、この日は雨具を着けずに行動できた。

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アヤメ平(1)と、その手前の横田代は山上の湿原で、晴れれば山岳展望も得られるなど、尾瀬ヶ原とはまた異なった趣がある。横田代でビックリしたのはタテヤマリンドウのみごとさ。今年が当たり年なのかもしれないが、湿原一面に水色の星をばらまいたよう。ほかにも、アヤメ平にかけてイワカガミ、ワタスゲ、トキソウ、ヒメシャクナゲ、ウラジロヨウラクツツジ、オノエラン、咲き始めたニッコウキスゲ、樹林帯ではゴゼンタチバナやマイヅルソウ、ギンリョウソウ、ミツバオウレンなどが迎えてくれた。
富士見峠から下田代十字路への下り道は、雨続きのこともあり、ぬかるみや水たまりが多く、意外に歩きづらい。しかし、途中で出会った登山者は1組2人だけで、静かな山を味わえた。沼尻川に架かる橋は雪害で6月まで通行できなかったが、すでに補修されている。この日は原の小屋に宿泊。
翌16日は、もともと三条ノ滝を往復して山ノ鼻までののんびりプランだったが、朝から雨模様なので三条ノ滝はカットして、さらにのんびりと花をウォッチングしながらの尾瀬ヶ原の縦断のみに変更。そのかわり、原の小屋の奥さんが教えてくれた下田代十字路〜六兵衛堀のカキツバタ群生を先に往復することに。

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下田代十字路へもどり、東電小屋、ヨッピ橋を経て竜宮十字路へ。さらに竜宮の伏流現象を見てから中田代のミズバショウポイント(2)に寄るなど道草を食いつつ牛首分岐を経て山ノ鼻へ。雨は降ったりやんだりで、なんとか写真も撮れる。
今年は雪解けが遅れたため、初夏の花も遅れ気味。一方で盛夏の花は例年とあまり変わらずに咲き始めており、いちどに見られる花の種類が多い。横田代〜アヤメ平で見られた花に加えてハクサンチドリ、ヤナギトラノオ、ハクサンタイゲキ、クロバナロウゲ、トキソウ、カキツバタ、ヒオウギアヤメ、ツルコケモモ、ヒツジグサなど見ごろの花が妍を競っていた。
ニッコウキスゲは三分咲きくらいの感じで、今週末の22日〜23日ごろはよさそう。当たり年の昨年よりツボミが少ないようだが、充分にきれいな花のじゅうたんを楽しめそうだ。終期だがイワイチョウ、さらになんとミズバショウやリュウキンカも数えるほどだが咲き残っていた。燧ヶ岳や至仏山は頂きを雲に隠していたが、露をつけて凛と咲く花たちがみずみずしく、美しかった。この日は山の鼻小屋に宿泊。

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左からニッコウキスゲ、ツルコケモモ、カキツバタ
最終日、17日も朝から雨。至仏山を越えるクライマックスの日だが、雨の降りは3日間で最も強い。雷雨注意報が出ているようだが、激しい悪天候にはならないようでもあり、覚悟を決め、一眼レフを防水のコンパクトカメラに替えて出発する。雨が道の上を流れているが、階段などが整備されているおかげで苦労することもなく高度を稼ぎ、森林限界を超える。と、思いがけなく、雲が切れて尾瀬ヶ原や燧ヶ岳の眺めが開けた。
花もミヤマダイモンジソウ、ミヤマキンバイ、ヤマブキショウマ、マルバシモツケ、イワイチョウ、コメツツジ、ミネウスユキソウ、イワハゼなど次々に現れる。低木が少なくなり、その分、砂礫地や草原が多くなって、ウサギギク、ハクサンチドリ、イブキジャコウソウ、タカネバラ、ハクサンイチゲ、シナノキンバイ、キバナノコマノツメなどが見ごろ。とりわけヨツバシオガマが群生してみごとだった。至仏山、というか、上越国境の蛇紋岩地の特産種はオゼソウが見ごろ、シブツアサツキやジョウシュウアズマギクは咲き始め。ホソバヒナウスユキソウ、クモイイカリソウ、ミツバノバイカオウレンは終期だったが、まだ花を見られたのはうれしかった。また、チングルマやハクサンコザクラ、イワカガミ、ハクサンシャクナゲも咲き残っていた。

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至仏山山頂(4)でも雲は切れており、燧ヶ岳を始め笠ヶ岳、上州武尊山、皇海山などが遠望できた。蛇紋岩が露出した岩尾根を小至仏山へ縦走し、オヤマ沢ノ田代からは樹林に入る。鳩待峠に帰り着くまで、ゴゼンタチバナ、マイヅルソウ、ミツバオウレン、ミヤマカタバミ、イワナシ、ユキザサ、ツマトリソウなど林下の花が次々に現れて、楽しませてくれた。
ほとんどが冷たい雨の中を歩いた一日だったが、晴れの日も、雨の日も、風の日も、山は変わることなく存在し続け、花も咲き続けている。いろいろな日の山や花の姿にふれることで、山登りという行為はより深いものになっていく。そんなこともひしひしと感じさせてくれた花の尾瀬一周だった。
[参考]
尾瀬保護財団
片品村観光協会
原の小屋