■早い春を探しに南房総へ
橋本付近から見た高鶴山(この写真のみ'05年1月23日撮影)
房総半島というと夏の海のイメージが強い。しかし、標高こそ低いものの、山はたくさんある。その大半はあまり登山者に知られていないので、人が少なく静かだし、気候が東京より温暖なので、真冬でも雪や寒さの心配が少なく、早い時期から花が咲き始めるのもうれしい。
鴨川市の海岸から5kmほど内陸に入ったところにある
高鶴山(326m)もそんな山のひとつ。2〜3時間で登れる手軽な低山で、登山口付近にスイセンが群植され、棚田の風情もよい。今回はNHK文化センター横浜ランドマーク教室の「花の遠足」で参加者15人とツアーリーダーのYさん、Kさんとわたしの計18人グループである。
左は山頂から南側の展望。右は千葉県の最高峰・愛宕山。自衛隊のレーダー基地があり、山頂を踏むには事前の許可申請が必要
途中、曽呂温泉、高鶴温泉と、いかにもマニア好みの温泉宿があるのを横目で見て、橋本集落の登山口へ。民家の間を縫って、ひと登りすると山道となる。暖地の海岸特有のタブ、シイの常緑樹林とヒノキやスギの植林、竹林などが入り混じった林を登っていく。さすがにまだ花は少ないが、アオキやフユイチゴの赤い実、ジャノヒゲの青い実などが目を楽しませてくれた。尾根上に出ると、鞍部の十字路になっており、ここから高鶴山を往復する。山頂には天狗の面が奉納された祠が建ち、北西には千葉県の最高峰である愛宕山(408m)、南には木の間越しに太平洋などが望まれる。
日だまりに早くも咲き出す花たち。左からスイセン、ホトケノザ、カンアオイ
下りは、鞍部までもどって北側へ下る。すぐに田んぼの跡が見られる谷となり、道なりに下っていくと貯水池に出る。堰堤から戻るように山腹を巻いていけば、スイセンの群植地を経て橋本の集落へ戻れるが、いったん車道へ出て、金杖(かなづえ)ノ滝を眺めてきた。残念なことに水量が乏しく、下部は木に隠れているが、高さ20mほどあるという。また、車道かたわらの岩には不動明王の石仏が祀られ、信仰の対象であったこともうかがえた。堰堤へ戻り、スイセンの群植地へ出るが、今年は寒さのために花が遅く、また花付きも例年より少ないようだ。しかし、陽ざしがうららかで、スイセンの花の芳香が漂い、あふれる春を先取りした気分になれた。
日本の棚田百選に選定され、東京から最も近い棚田である大山の千枚田
橋本からの帰途、
大山の千枚田に寄り、さらに鋸南町保田漁協直営の食事処
ばんやで獲りたて地魚寿司で舌を満足させたうえにポピーなどの花摘みも楽しんで帰京した。コースは短く、特に危険なところなどはないが、一部、道が細く、指導標も古く目立たないので、多少、山に慣れた人向きといえそう。橋本へはJR内房線太海駅から鴨川日東バスに乗り、約15分の上神社で下車後、徒歩30分ほど。駐車場はないが、金杖ノ滝付近に数台の駐車スペースあり。
左は花摘みシーズンのアイスランドポピー。右は「ばんや」の獲れたて地魚寿司

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