「いつか大きな舞台で踊りたい」
昇り始めた太陽を眺めながらカオルは言った。
夢を語るその目は雪解け水のように澄んでいて、シンは思わず顔を伏せた。
「でも、できないの」
カオルは少し俯いた。
シンは込み上げる疑問を飲み込んで、カオルの次の言葉を待った。
「私、死ぬの」
顔を上げ、呆れたような笑顔でカオルは言った。
「・・・冗談だろ?」
「だったらいいのに」
沈黙を埋めるように、鳩が低い声で鳴いていた。
「ふざけた世界だ」
シンがふと呟いた。
「いいか、よく聞け。君は死なない」
「うん、そうだといいね」
カオルは笑いながら言った。
「ちゃんと聞くんだ!君は死なない。死ぬはずがない」
シンはカオルの肩を掴みながら言った。
「・・・痛い」
「いいか!死なないんだ!君は絶対!死んだらいけないんだ!いいか!絶対にだ!」
血走ったシンの目からは涙が溢れていた。
目を丸くした鳩がその光景を不思議そうに見ていた。
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「私、テレビでしか海を見たことないの」
「海?」
「うん」
「・・・俺もだ」
「見たいな」
「見に・・いくか?」
「無理だよ、みんな心配するし」
「・・・そうだな」
陽の光に暖められて体温が戻っていく。
「よし、俺が君に海を持ってくるよ」

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