最近の社会ネタのトップ記事といえば大分県の教育委員会における教員採用人事に係る不祥事であろうか。そもそも教員採用に係る需給は逼迫する要因が大きいのでこのようなこともあろうかと、まず思う。
まず、地方には比較的優秀な人材がいても、都会に比べて職が少ない。安定した雇用を確保している産業が少なからずある地方なぞ異例中の異例であって、教員、公務員、警察、銀行、医者、農業、漁業・・・・他には自営業の他には、都会のサラリーマンに比較すべき雇用がなかなか、という部分がある。ましてや両親ともに教員で、場合によっては代々教員の家庭に育ち、などというケースもあろうから、大学も教育学部を卒業したとなれば、必死になるのも無理もない。
もちろん、それが理由で不正を正当化すべくもないのであろうが、そうした親の不安につけこみ、裏口入学のような誘いを受ければ、あるいはそうした話を聞けば、藁をもつかむような気持ちでつい乗ってしまった、という理解であろうか。
しかし思うに、この記事、どれくらいの人たちが驚いたのであろう。この話が、落下してきた隕石が頭にぶつかって通行人が志望した、といったようなくらい驚くべき偶然のように理解した人は、予想するに皆無ではないのか。地方に育ち、教員採用や公務員採用、警察官採用に際して縁故や議員さんにお願いすると云々、といった話を聞いたことがない人はいったいどれくらいいるのであろう。
「事件は痛恨の極み。教育行政への信頼を失墜させ、心より深くおわび申し上げます」と汚職事件で揺れる大分県教育委員会の波多野順代委員長が、全国の都道府県教育委員長と教育長らに陳謝したそうである。大分県日出町で行われた全国都道府県教育委員会連合会の総会では、教員の採用と昇任について信頼の確保に努めるとする宣言が採択されたらしいが、憤慨している教育委員会の先生方に、地元であなたの教員生活30年間に、そうした噂は一度も耳にしたことがありませんか、と敢えて問いたい。
憤慨している人たちにまして、「どこでも起きうる事件」とか「事件は、対岸の火事ではない」という声が多いと感じるのは、そういうことである。その意味で「民間でも教員でも、縁故採用はゼロではないと思う」と話した教育委員会の方の言は、素直にうなずける。
結局、こうした不正の根は表層に出てきた部分よりもずっと深いところまで到達しているのであって、だからこそ、今回の事件は本音と建て前が交錯する中で建前の陥穽にはまっただけであるとシニカルに理解するだけなのであれば、採用人事のシステムとして不正が客観的に通り得ないものを構築しない限りは、再発するに違いないと思うのである。
で、おそらくは当事者の処断で終了するんでしょうね。

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