春風が運んだ桜花の果て 前編2
ザクザクと音を立てて突き進んだ先は、予想していた光景と違っていた。
この森深くに立てられている、母が大地に還った場所。
きっと、荒れ果てているだろう・・・・そう思って疑わなかった。
どうして、簡単に行けない場所へ母が眠るのか。
子供心に感じていた疑問。
いまでも、その気持ちは晴れないままここへ向かってきたが、
考えても道理は何一つ変わらないはずだった。
過去は変えられないのだから・・・・。
けれど、そこには確実に母がいるとだけ。
だから、期待などなかった。
波久がやってくるということと、久しぶりに墓参りするということ以外、なにも・・・。
草があちらこちらを妨害して道が曖昧だったが、先を進むと直ぐにわかった。
そこは疑心に溢れた気持ちを振り払う、木漏れ日が溜まる森林の湖だったから。
「なんだか、暖かい場所ですね・・・・。」
華は足を緩やかに止め、この陽だまりの中に沈む世界を前にして安堵の表情をみせた。
「ああ・・・・。」
母の名に相応しい・・・.
古都はその日和が待つ場所へ足を踏み入れ抱かれる。
苔むしてこの森の一部になって、大地に染まる。
そんな風景・・・。
いまなら、ここに母がいる理由がなんとなしにわかる。
父は、母を安らかにそっと眠らせたかったんだ。
心の内々で争う村の側よりも・・・・。
朽ち果てる体が溶け木を癒し雨を吸い、
葉を広げ日をあびて実を生らし、
風を受け葉を落とし、種をゆだね土へ還る。
そんな当たり前の循環の中で母を癒したかったのかもしれない。
自然と古都のまなこからは、滴がたれた。
父の大きな掌と、母の優しい腕の中を急に懐かしく感じたから。
もう、あの頃にはもどれない。
薄っすらと残る母の記憶。
甘い鼻先にかかる匂いはもう、遠いから。
春風が運んだ桜花の果て 前編2・おわり
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*一言*
最近、夜になるとサーバーが重いようでご迷惑をおかけしております。
昨日から昼までにいたっては、メンテのために表示されない状態でしたので・・・。
今日の昼14:00にメンテが終了したようで少し期待をしているところです。
様子を見たいですね、しばらくのうちは。
コメントもUPも出来ない状態が続くのはちょっと辛いですね。
チェックも出来ないですから・・・汗
と、今回はお墓についた・・・というところまでです。
チマチマ修正しながらUPしているので、
(10回程は読み直してるので)更新速度や文章の進みが遅いですが
気長に見てくだされば、幸いです。