2018/8/11

ギャラリーOGU MAG「吉國元展」  他館企画など

田端のギャラリーOGU MAGで開催中の吉國元展「アフリカ都市経験:1981年植民地期以降のジンバブウェ・ハラレの物語」を観ました。
https://www.motoyoshikuni.com/

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ジンバブウェ近代歴史研究者の吉國恒夫を父に持ち、1986年にジンバブウェ・ハラレで生まれた吉國元の初個展。
彼は10歳で日本に来ているのですが、今でも記憶の中のジンバブウェを描き続けています。
カンヴァスに油彩で描かれた作品だけでなく、段ボールやスケッチブックに色鉛筆などの素材も用いた大小さまざまな絵を組み合わせた展示構成が、「記憶の断片」としてのアフリカを立ち上げます。
イギリスの植民地支配からの独立を導いたムガベ大統領の独裁下という複雑な社会の中で、幼い彼と出会った人びとの肖像。そして日常生活のありふれた風景。

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作者が展覧会に寄せたテキストの一部を抜粋します。

私は子供の頃に始めた絵だけは続けていて、今でも描く事でアフリカで出会った人たちを記憶しようとしている。アフリカの光の中でほんの短い時間だったのだが、彼らの生と私の生が交差する瞬間があったのだ。この展覧会はひとつのドキュメントであり、私にとってのクロニクルなのかもしれない。

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例えば、アイロンをかける女性像の右上隅には、どこの家でも掲げているというムガベ大統領の肖像が、画面の外へはみ出すように切断されて描かれ、新しい世代への変化を象徴する少年の姿が赤い絵具で描写されています。

その絵の左隣の鳥打帽の男性像は、彼が10歳のときに描いた、つまり出品作唯一の、記憶の再現ではない「リアル」な肖像。男はムビラ(アフリカ伝統の親指ピアノ)の奏者で、彼に演奏を教えてくれていたそうです。

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絵は現実を論理的に説明するものではありませんが、しかし、彼の展示からは、一度も訪れたことのない、それどころかほとんど知識さえもないジンバブウェの人たちの輪郭が、少しずつ見えてきます。

彼の仕事は、まだ始まったばかりだという予感がしています。
ジンバブウェからの越境者という立ち位置から、どんな視界を構築していくのか、期待しながら見ていきたいです。
展覧会は8月12日まで。
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