2017/11/8

ちひろ美術館・東京「日本の絵本100年の歩み」レセプション  館外展・関連企画

夕方、ちひろ美術館・東京「ちひろ美術館開館40周年 日本の絵本100年の歩み」展オープニングレセプションへ。

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ちひろの生まれた1918年は『赤い鳥』創刊の年でもあり、1910年代の黎明期からはじまって、戦争を経て戦後の隆盛期、さらに多様化の進む2010年代まで、日本の絵本の歩みを俯瞰する企画です。1980年代には、丸木俊の代表作『ひろしまのピカ』の絵本原画も展示されています。

ちひろ美術館の学芸員の皆さんが選び抜いた、オールスター級の作家たちの原画がならぶ展示は圧巻。それぞれの絵の説明には、素材や表現・技法的な特徴も丁寧に記されています。

たとえば、日本でもっとも売れている(約650万部)という瀬川康男の『いない いない ばあ』(松谷みよ子・文、童心社、1967年)は、「動物たちはアクリル絵の具で地塗りをしてから、薄い典具帖という和紙をのせて、上からガッシュで色を付けてはがすという複雑な手法を用いて描かれ、独特なマチエールをみせている」といった具合。
こうした詳細な説明とともに、肉眼でなければわからない画面上の絵の具の微妙な隆起などを実際に確認することができるというわけです。

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そして、松本猛さんにご挨拶をした際、新著『いわさきちひろ 子どもへの愛に生きて』(講談社)をいただきました。
息子として、また評論家としての立場から「できるだけ、客観的にちひろ像を描きたい」との思いで記したという著作は、私も丸木夫妻関係の基本的な事実確認について少しだけご協力していたのですが、ちひろだけでなく、彼女に影響を与えた周辺の人物や時代背景も丹念に紹介され、今後のちひろ研究の基礎資料になるであろう、充実した評伝になっていました。

晩年の丸木俊を訪ねた猛さんに、俊がちひろとの関係を「二人は師と弟子ではなく、姉妹のようで、互いに影響しあったのだ」と語ったというエピソードも印象的でした。
猛さんには、今後の企画について重要なご提案をいただきましたが、ちひろ美術館と丸木美術館もまた、「互いに影響」しあいながら、ともに歩んでいければ良いと思っています。
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