2017/8/12

人工知能美学芸術研究会「人工知能と軍事」  イベント

人工知能美学芸術研究会(AI美芸研)第8回研究会「人工知能と軍事」を開催。
AI美芸研を主宰する中ザワヒデキさんの「8月15日付近に丸木美術館で人工知能と軍事について考えたい」という持ち込み企画で、午後2時から6時半までホールで一般公開の研究会を行い、その後午後9時まで美術館に隣接する古民家・野木庵で懇親会を行いました。

懇親会では、先方の希望もあって、丸木美術館のイベントなどでお店を出して下さるチャンドラ・バザールさんに、地場産の野菜などを使った料理を用意して頂きました。

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丸木美術館で企画するイベントは、どうしても傾向が似てしまうので、たまに異なる趣旨のイベントをするのは悪くない、と個人的には思いまあす。
まったく違う発想からこの場所や作品の意味を再考することができるからです。
ただし、やっぱり疲れるし、摩擦も起きるから、「たまに」の範囲にとどめたいところ。

3時間を超える研究会の内容は、AI美芸研が動画で記録していたから、興味のある方は見ることができます。

1/3 http://www.ustream.tv/recorded/106806833
2/3 http://www.ustream.tv/recorded/106809176
3/3 http://www.ustream.tv/recorded/106811472

ふだんの丸木美術館における、ある種の蓄積や「共通認識」がない研究会は、聞いていてハラハラすることもありました。

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「せっかく丸木夫妻の絵に囲まれて話をしているのだから、絵の話を聞いてみたい」と発言したのは、脳科学者の茂木健一郎さんでした。
椅子に座って他人の話を聞くのではなく、自由に立ち歩き、せわしなく体を動かし、何度も丸木夫妻の絵を見上げる茂木さんの姿は、ちょっとユーモラスでした。

後で聞いたのですが、20年ほど前の理化学研究所時代に、何度か丸木美術館を訪れているのだそうです。丸木スマの絵が好きらしいということは以前から知っていましたが、丸木夫妻の絵にも関心があるとは、初めて知りました。

全体の討論が終わり、最後の挨拶の中で、茂木さんのリクエストに応えるように、丸木夫妻の絵について少し話しました。

   *   *   *

この会場にある絵には、(今回の研究会の発言を借りれば)「不要」と見なされた人たち、つまり殺してもいいと誰かに思われた人たちの姿ばかりが描かれている。
丸木夫妻は命をかけて、その人たちの側に身を置き、表現活動を行なった。
今日の討論と会場の雰囲気にズレがあったとしたら、それは丸木夫妻の絵の力だと思う。

人間が人間を殺すのとAIが人間を殺すのはどちらが良いかと問われると、それはわからない。
けれども兵器の進化は、人間が人間を殺すことの痛みをいかに遠ざけ、効率良く大量の殺戮を行えるかという発想のもとに続いてきた。
刀より爆弾、核兵器……その延長線上にAIの軍事利用があるならば、答えはすでに絵の中にある。

死を想え。
殺されていく側の死を想え。

20年前に初めてこの美術館に来たときには、心のどこかで、時代に取り残された絵だと感じていた。けれども今は、丸木夫妻の絵を古いとは思わない。
むしろ、私たちは二人の想像力の射程の中に生きている。今日の議論を聞いて、あらためてそう思った。これから先も、古びることはない。
歴史に残る芸術とは、そういうものだと思う。

   *   *   *

こんな感じで、穏やかに話したつもりですが、文字に起こすと、やっぱり少し心がざわついていたのかもしれません。

せっかく初めて丸木美術館に来る、そして初めて《原爆の図》を観る人たちが多かったから、AIと芸術の文脈だけでなく、丸木夫妻がこの土地に根を下ろして何を表現しようとしてきたか、そしてこの美術館が50年かけて何を積み重ねてきたのかに関心を向けてほしいと思いました。
その思いがどれだけの人に通じたのかはよくわかりませんが、研究会の後で声をかけてくれる人たちはいました。

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茂木さんとは、《原爆の図》の前でしばらく話し込みました。
あまり茂木さんのことは知らなかったので、丸木美術館に強い親近感を示してくることが、少し意外で、驚きました。

企画して下さった中ザワさん、草刈ミカさんには、心から感謝。
この日の経験は、時間をかけて自分の中でも消化していきたいです。
貴重な機会を、どうもありがとうございました。
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