2009/7/1

『遠くて近いものたち』新見南吉児童文学賞受賞!  館外展・関連イベント

午後から西池袋の自由学園明日館へ行き、第39回赤い鳥文学賞・第27回新見南吉児童文学賞・第23回赤い鳥さし絵賞の贈呈式・祝賀会に参加しました。
というのも、昨年11月に発行された山中利子さんの詩集『遠くて近いものたち』(てらいんく発行)が新見南吉児童文学賞を受賞されたのです。この詩集には、山中さんのたっての希望で、丸木スマの絵11点が挿絵に使われています。

クリックすると元のサイズで表示します

スマ作品使用については、編集者の方とやりとりをしていたので、山中さんに直接お会いしたのは初めてでしたが、今回は花束をお贈りさせて頂きました。

クリックすると元のサイズで表示します

山中さんの詩は、スマさんの絵と溶けあうような、伸びやかで優しい詩です。
丸木夫妻や大道あやさんとも縁の深い詩人の関根栄一さんとも親しくされていたそうで、スマさんの絵については関根さんからもいろいろとお聞きになっていたとのこと。
山中さんは受賞のスピーチで、「今回の詩集にはどうしても丸木スマさんの絵を使って頂きたいと思い、無理をして当初の予定を変えてもらいました」とおっしゃってくださいました。嬉しいですね。
詩集は現在、美術館入口ロビーで販売していますので、この機会にぜひお求めください。

クリックすると元のサイズで表示します

今回の祝賀会の会場となった明日館は、自由学園の創立者・羽仁吉一、もと子夫妻の依頼によってフランク・ロイド・ライトが設計した建物。軒高を低く抑えて水平線を強調した立面や、幾何学的な装飾など、彼の特徴が凝縮されたような建築です。
以前から一度入ってみたいと思っていたので、非常に興味深く室内を見学しました。

クリックすると元のサイズで表示します

食堂では立食形式のパーティが開かれ、松谷みよ子さんもお元気な姿を見せていました。

   *   *   *

その後は徒歩5分ほどの場所にあるブックギャラリー・ポポタムに立ち寄り、いつも丸木俊さんの作品を紹介して下さる店主のOさんにご挨拶。ちょうどギャラリーでは山中あかねさんという若い人形作家さんの個展(7/11まで)が開かれていて、ちょっと東欧を思わせるような魔術的な作品を興味深く見ました。

クリックすると元のサイズで表示します

夜は茅場町の森岡書店に移動し、美術評論家の瀧口修造が1962年10月8日に母校の県立富山高校で行った講演「美というもの」の録音を聴く会に参加しました。
「人生の間に、小石ひとつでもいい、草花ひとつでもいい、何か自分の気持ちに触れたものを大事にして欲しい、それからすべてが始まる」という言葉がとても印象的でした。
森岡書店では、現在、土渕信彦さんの企画・構成による展覧会“瀧口修造の光跡T「美というもの」”(7/11まで)が開催されています。

クリックすると元のサイズで表示します

http://www.moriokashoten.com/?pid=13928022

シュルレアリスムの紹介者として知られ、丸木位里にも大きな影響を与えた瀧口修造のデカルコマニーを中心とした展覧会で、小規模ながらとても見ごたえがあります。シュルレアリスム関連書籍も多数販売されていました。
0

2009/7/1

池袋ECHIKA「丸木位里・俊展」  館外展・関連イベント

東京メトロ副都心線・池袋駅の地下通路に新しくオープンした商業施設「ECHIKA」内の展示スペースで丸木夫妻の特集展示が昨日からスタートしました。
池袋は丸木夫妻が若き日に過ごした「池袋モンパルナス」と呼ばれるアトリエ村があった場所です。今回の展示は、「アトリエ村の小さな画廊 ギャラリーいがらし」の五十嵐健市さんによるプロデュースで、丸木美術館や原爆の図を紹介したパネル、丸木俊の油彩画《ロシア人形》、丸木位里の水墨画(ともにギャラリーいがらし所蔵)などが展示されています。

クリックすると元のサイズで表示します

今日は池袋駅を利用したついでに、この展示スペースを見てきました。
小さなスペースですが人通りはそれなりに多い場所です。池袋駅西口、立教大学方面に行かれる方はぜひ、展示場所を探してみてください。
会期は8月31日まで、7月31日に一部展示替えがあります。
0

2009/6/27

豊島区ボランティアセミナー(予告)  講演・発表・調査旅行など

7月5日(日)午後2時から、豊島区西巣鴨の「にしすがも創造舎」で豊島区在住・在学・在勤者向けに行われる文化ボランティアセミナーのシンポジウム“文化ボランティア活動の可能性”に、パネリストとして参加することになりました。

シンポジウムのコーディネーター・オブザーバーは、昨年、世田谷美術館の文化ボランティア全国フォーラムでお世話になった大久保邦子さんです。
ほかにパネリストは、杉本カネ子さん(NPO法人いけぶくろ大明理事長)、筒井一郎さん(潟kールエデザイン総合研究所代表)、福元保子さん(ドラマリーディングの会代表)が参加されるそうです。

文化芸術に自ら親しむとともに、ほかの人が楽しむことに役立ったり、お手伝いするようなボランティア活動として、今「文化ボランティア」が注目を集めているそうです。長い歳月のなかで丸木美術館が独自に練り上げてきたボランティア活動が、豊島区民の皆さまにどれほど役にたつのかなぁ……と一抹の不安がないでもありませんが、こんな例もあるんだよ、とボランティアの観念の幅を広げるつもりで、丸木美術館の事例を発表してきたいと思います。
2

2009/6/26

板橋区立美術館「日本のシュルレアリスム」展  他美術館・画廊など

午前中にさいたま市の公立高校団体の館内説明を行い、午後11時半頃にNHKさいたま局のFMラジオに生出演した後、午後からは東松山市環境保全課のKさんといっしょに板橋区立美術館で開催中の「開館30周年記念 館蔵品展 幻惑の板橋〜近現代編〜 日本のシュルレアリスム展」に行きました。

クリックすると元のサイズで表示します

Kさんとは、水戸芸術館や練馬区立美術館など、昨年あたりから仕事を離れてときどき展覧会を見てまわっています。
板橋区立美術館にごいっしょするのは、昨年の「新人画会展」以来、二度目のこと。
前回に来たときにも、担当学芸員のHさんが学生相手に展示の解説をされていましたが、今回もちょうどHさんが学生に解説をはじめるところでした。
しかも、学生を引率されているのは《砂川五番》(東京都現代美術館蔵)などのルポルタージュ絵画で知られる画家の中村宏さん。今回の企画展でも中村さんの作品は数点出品されています。これは聞き逃すまいと思って、H学芸員と中村さんの解説を、学生たちに交じって聞いてまわりました。
中村さんはとても話好きな方で、同時代を生きたシュルレアリスム画家についても思いつくままに回想されます。
解説が終わった頃を見計らって、学芸員のHさんに声をかけ、中村さんにもご挨拶。
丸木夫妻とは意外にもそれほど接点がなかったそうですが、位里さんの水墨がとても好きだったことなど、貴重なお話が聞けて本当によかったです。
0

2009/6/25

桐蔭学園「爆心地の記憶」展  館外展・関連イベント

昨日、桐蔭学園のO学芸員とK学芸員が運送業者さんと来館され、原爆の図第4部《虹》、第8部《救出》、第11部《母子像》をはじめ、位里さんの水墨画、俊さんの油彩画、絵本原画を搬出していきました。

クリックすると元のサイズで表示します

今日は朝から神奈川県川崎市の桐蔭学園へ行き、同校のメモリアル・アカデミウムにあるソフォスホールで行われる「爆心地の記憶 丸木位里・俊の「原爆の図」」展の展示立ち会いです。

http://www.cc.toin.ac.jp/MA/main/

桐蔭学園メモリアル・アカデミウムは、桐蔭学園に付属する展示施設。旧横浜地方裁判所陪審法廷(敗戦後にBC級戦犯の裁判が行われた法廷)も移築復元されています。

クリックすると元のサイズで表示します

今回の展覧会では、安全面の確保のため、《原爆の図》を壁に固定して平面の状態で展示することになりました。

クリックすると元のサイズで表示します

いつもの《原爆の図》とはずいぶん印象が違って見えます。
「あらためて展示するとすごい迫力ですね。今回の企画では《原爆の図》だけではなく、水墨や油彩の作品、絵本の原画なども展示して、幅広い視点から二人の画業を見てもらいたいと思いました」とO学芸員。
会場には、秋山庄太郎さんが撮影した貴重な丸木夫妻のポートレートも展示しています。
また、女子美術大学同窓会の協力により、「先輩からのメッセージ」と題する丸木俊の映像も随時上映。
企画展にあわせて、旧横浜地方裁判所陪審法廷の内部も見学できるそうです。
一般の方も500円で入場できるとのことですので、この機会にお近くの方はぜひご覧ください!
0

2009/6/24

NHK−FMラジオにて企画展紹介(予告)  TV・ラジオ放送

明後日、6月26日(金)午前中11時15分頃から、NHK-FMラジオ(埼玉県内向け 周波数85.1:秩父は83.5)の番組「いきいき埼玉11時」の「カルチャーインフォメーション」に生出演し、現在開催中の企画展「丸木スマ・大道あや展」を紹介します。
先ほど、NHKさいたま局のKアナウンサーと打ち合わせを行い、丸木スマさん、大道あやさんの紹介や作品の特徴、展覧会の見どころなどを7分ほどの電話インタビューでお話しすることになりました。
美術館のなかがパッと明るくなったようなスマさんとあやさんの展覧会。ラジオは県内のみの放送ですが、非常に人気のあるお二人なので、お聞きになった方が美術館に足を運びたくなるように、丁寧にお話しさせて頂きます。
1

2009/6/23

「地元学」のはじまり  館外展・関連イベント

先週、東松山市環境保全課のKさんから、『地元学をはじめよう』(吉本哲郎著、岩波ジュニア新書、2008年)という本を借りました。

クリックすると元のサイズで表示します

「地元学」とは、地域の住民が自分たちで、地元の暮らし、文化や資源を見つめ直し(再発見し)それを大切に育てながら、地域らしさを追求していく持続的な取り組みのことです。
著者の吉本哲郎さんは、水俣市の元職員。言うまでもなく、水俣市は公害病で苦しめられ、地域社会の結びつきがずたずたに引き裂かれた土地です。吉本さんは、「もやいなおし」―地域の力を再生させるには、まず、自分たちが主体的に地域のことを調べなおすことが大切だ、と考えました。そして、郷土史のようにただ調べて詳しくなるだけではなく、地域の個性を自覚して、みんなで考えながら地域独自の生活文化を創りあげていくことが必要である、と考えました。

……とまあ、このあたりのことは本を読めば詳しいのですが、「ホタルの里」などの事業で唐子地区の活性化に取り組んできた環境保全課のKさんは、次なるステップとして、その吉本さんを東松山市に呼んで、唐子地区で「地元学」の実践をやってみようと考えたのです。

実は、今週はその第1回目。
唐子地区にやってきた吉本さんグループが、地元の人たちといっしょに農家や地域をまわって、生活の様子や植えられている野菜や植物を調べ歩いたのです。
ぼくは残念ながら美術館ニュースの編集作業に追われていたため、調査に参加することはできなかったのですが、スタッフの皆さんがまとめた絵地図の発表は少しだけ見ることができました。

クリックすると元のサイズで表示します

何だか面白そうだなぁ、参加できなくて残念だなぁ……と思っていたのですが、この「地元学」の集いは、これで終わりではなく、今年じゅうにあと5回行われるそうです。まだまだ参加のチャンスはありますね。
夜は丸木美術館近くのカフェ「天の園」にみんなで集まり、にぎやかに宴会。
「地元学」にとっては、これも大切なプログラムのひとつなのです。
ぼくも夜はしっかり参加して、楽しいひとときを過ごしました。
0

2009/6/23

丸木美術館ニュース第98号  美術館ニュース

ばたばたと慌ただしい毎日ですが、なんとか綱わたりで業務が進行していきます。
本日、丸木美術館ニュース第98号とボランティア新聞第10号の原稿を、S印刷さんに入稿しました。
今回の表紙の絵は、現在企画展で展示中の作品から大道あやさんの《にが瓜の歌》を使わせて頂きました。レイアウトもこれまでと少し変えて、記事全体の目次を表紙に掲載しています。
納品予定日は7月3日(金)。ニュース発送作業は7月4日(土)です。
ボランティア募集中!!

美術館ニュースとボランティア新聞の内容は以下の通りです。

===

丸木美術館ニュース第98号(発行部数3,200部)

クリックすると元のサイズで表示します

表紙の絵 …… 大道あや《にが瓜の歌》
P.2 …… 8月6日 ひろしま忌のご案内
p.4 …… 5月5日 開館記念日報告「沖縄ぬ けーし風」が私たちに問うもの(小寺 隆幸)
p.5 …… 5月6日坂原辰男さん講演「足尾鉱毒事件は終わっていない」報告(鶴田 雅英)
p.6 …… 4月19日花咲皋平さん講演「民衆思想家としての田中正造」報告(遠山 昭雄)
p.7 …… 池袋モンパルナス時代の位里さん・俊さん(五十嵐 健市)
p.8 …… 聞き書き 丸木夫妻とヨシダ・ヨシエ=後編(岡村 幸宣)
p.10 …… 美術館の日常から(中野 京子)
p.11 …… 丸木美術館情報ページ
p.12 …… 今年は天安門事件20周年……今も終わっていない(中野 京子)
     リレー・エッセイ(武井 誠)/ フォト・ギャラリー(土岐 由里恵)

===

ボランティア新聞第10号(発行部数2,700部)

編集・発行=神田成美、満園節子、山口和彦

〔連載〕丸木の人々 「撮影ボランティア」土岐由里恵さん
〔特集〕発掘!丸木美術館ボランティア史 黎明編第2回「都幾川沿いの丸木美術館」 鈴木房江さん

活動報告
連絡掲示板

===

友の会会員の皆さまのお手許には7月中旬に届くことと思います。
どうぞご期待下さい。
0

2009/6/20

ホタルの里のキャンドルナイト  ワークショップ

東松山市との共同企画「ホタルの里のキャンドルナイト」。
午後2時から上唐子のホタルの里で美術館クラブ工作教室を行いました。
案内人はM年山さんを中心とするK会の皆さんです。

クリックすると元のサイズで表示します

この日の工作教室は、ホタルの里で採れた竹に漆喰を埋め込み、木の実を埋め込んで壁かけを作るというものです。
市内在住の親子連れや、地元中学校の生徒たちが参加して、みんなで工作に熱中。

クリックすると元のサイズで表示します

木の実を漆喰ににゅうっと押し込む感触が、心地よいです。

クリックすると元のサイズで表示します

いつの間にか、取材に来ていたケーブルテレビ局の皆さんも作品を作りはじめました。

クリックすると元のサイズで表示します

いろいろと不思議で面白い作品ができあがりました!

そして午後7時からは、いよいよ「ホタルの里のキャンドルナイト」。
夏至の日(本当は21日ですが……)に電気を消して、ろうそくの灯りで夜を楽しむというイベントです。
地元の音楽グループHの皆さんがホタルにまつわる曲などを演奏して下さるなか、背後にぽつり、ぽつりと動く光が……

クリックすると元のサイズで表示します

かすかな光は、ヘイケボタルでした。
唐子地区は、地域の人びとが協力して、ホタルの棲みかを整備しているのです。
その甲斐あって、年々ホタルの数は増えています。
近くには、ゲンジボタルの飛ぶせせらぎもあります。
ゆっくりとホタルの光を楽しみ、心の安らぐ夜でした。
0

2009/6/20

朝日新聞「天安門事件三連作」  掲載雑誌・新聞

朝日新聞の西埼玉版に「故丸木夫妻の特別展 天安門事件描いた三連作」との見出しで、現在特別展示中の《天安門事件》三連作が写真入りで紹介されました。

クリックすると元のサイズで表示します

取材をされたのは、いつも足しげく来館して下さるM記者です。
1956年に毛沢東に招待されて天安門の宴に参加した丸木夫妻が、1989年の天安門事件で民衆が虐殺されたことに衝撃を受けて共同制作を描いたこと、20世紀の負の歴史を見つめ、傷つけられた人の視線から描き続けた夫妻の姿勢が簡潔に紹介されています。

「記事を見ました」と言って来館される方も多く、あらためて新聞の効果の大きさを感じています。
2



Powered by teacup.ブログ “AutoPage”