富山市のフォルツァ総曲輪で、戦前の映画を見てきた。
夭折の天才と聞く山中貞雄監督の『河内山宗俊』である。
未知の作品へのかなりの期待と、同時に昔の映画は音声が聞き取りにくいからなぁという危惧を抱いて出掛けたのだが、悪い方の予想が当って何を言っているのかさっぱり聞き取れず、仕舞いには寝てしまい、何が何だかわからないまま上映終了。
残念であった。
不完全燃焼の気分なので、続いて15分後に上映される同じく山中貞雄監督の『丹下左膳餘話百万爾の壺』も見てみようかと思ったが、まだ見ていないけどこれのDVDが家にあるからなぁ・・・
斎藤佑樹は仲間を持っているそうだが、私は映画のDVDをたくさん持っているのである。
なので映画館を出て、すぐ近くのデパートで開催中の北海道展へ行ってみた。
物凄い人出で、奥の方まで入り込む気になれず、入口付近の六花亭ブースだけを覗いて、「
霜だたみ」などを買った。
北海道展は、先週まで高岡で開催されていて、そこへも顔を出してロイズの「
ポテトチップチョコレート」を購入したのだったが、その時にこんなことがあった。
人込みの中で「こんにちは」と挨拶され、声の主を見て「え〜と、コンビニのバイト男Aくんかな?」と思ったらその通りで、「お久しぶりです。セーブオンのAです」と声が続いた。
8年ほど前、家の近くのセーブオンでアルバイトをしていた男で、その後2年に1度くらい街中で遭遇し、その度に律儀に挨拶してくれる好青年である。
あまり女の子にモテてなさそうな男だが。
ん?
ひょっとして、Aくんは私をモテない男の大先輩として慕ってくれているのではないか?
うむ、私にも仲間がいたようである。
特に嬉しくもない。
ちなみに、Aくんはバンダナを巻いたりはしていないが、折紙コンベンション会場に於ける講習受付の第一人者として名高いN氏と顔が似ている。
北海道展の会場を出て、同じデパートのアートサロンへ足を運んだ。
実は2日連続で富山に来ているのであるが、昨日は「
小島有香子展」開催中のギャラリーNOWへ出掛けていた。
前回ここを訪ねた際、折紙者でもある富山大学の鈴木邦雄教授がギャラリーの常連客であると聞かされたのだったが、今回の小島さんの個展にも2度登場されたそうである。
出品作の中に、私も目を奪われたガラスの複雑な重なりが極めて美しい小さなオブジェがあって、それを前にして鈴木先生は「この中に三角形が○個ある。四角形も見える」などと作家の意図を超越した解釈を2時間ほど熱く語っていかれたとのことであった。
私も負けじと、ここへ来る時にデパート付近で渋滞に巻き込まれたと話す小島さんと「北海道展をやっているからですかね。ロイズのポテトチップチョコは食べ出すと止まりませんよねぇ」と会話し、「伊豆下田のロロ黒船の和菓子ロールというのが抜群においしいんですよ」などと2時間ほどお菓子について熱く語ったのであった。
何をしておるか。
いやまぁ、小島さんもお菓子好きのようで、デパートで陶芸作家の友達が展覧会をしているので、それを見に行って北海道展にも寄ろうと思っているというお話であった。
そういうわけで、そのお友達の陶芸というのは何だろうと思い、アートサロンにやって来た。
あ、釈永陽さんか。
いや、別に知り合いでも何でもないのだが、越中瀬戸焼の釈永由紀夫さんといえば有名であって、その娘さんが釈永陽さんのはずである。
一通り作品を眺めた後、隣のスペースで開催中の「秋の茶道具展」も見物する。
こちらは、正面に永楽即全だったかの数百万円の茶碗がドーンと置かれていて、こんなの買う人いるんかいな?と思いながら辺りを見渡すと・・・
うん?
どこかで見たようなものが・・・
金沢の有名釜師の銘が入った建水、これは私が仕上げた品物だよ。
ふーん。
差し障りがあるかもしれぬので、『河内山宗俊』の音声のように伝わりにくい言葉でちょっと愚痴ってみる。
高岡の鋳造所が造って、私が着色して、作家が名前を入れて、デパートで売ると、折紙コンベンション参加費の48倍くらいの値段になるのか。
私の手間賃は参加費の半分だ。