2017/3/16

もう一つの日本文化(独から返還決定のアイヌ民族遺骨 偕楽園で盗掘 北大教授が確認ほか)  文化・芸術
 木村さんが共同代表になっている[平取「アイヌ遺骨」を考える会]の学習会【先人たちの遺骨をふるさとの地・平取へ】の開催も明後日(3/18)となった。
 木村さんは一人でも多くの人の来場を心待ちにしている。

 さて、FMピパウシの「木村ニ三夫の言いたい放題」の読み原稿については、木村さんからの依頼により、昨年10月/2日と11月9日の2回、当ブログに掲載した。

 今回は3月(今月)12日放送分について、若干言い足りなかった部分も付け足したので掲載してくれとの依頼が入った。ご紹介する。

『FMピパウシのリスナーの皆さん、イランカラプテ、「木村ニ三夫の言いたい放題」の時間です。
 今日は「ボブ・ディラン語録」から、少し拾い上げてみたいと思います。

 ディラン曰く、『俺にとってアメリカはアメリカインディアンを意味する。彼らは昔からこの地に住んでいて、ここは彼らの国なのだ。だから白人は皆、ただ不法侵入しているだけなのだ。

 俺たちがアメリカインディアンにした事は恥ずべき行為だ。物事を正す為に、アメリカはまずそこから始めなきゃならないと思う。』 とある。


 今のアメリカ、トランプ大統領が就任後、異常に増えてきたとされる「オルトライト」、白人至上主義者達の台頭が気になる。

 あちこちで黒人との摩擦が起きて、やがては内戦が勃発するのではと気がかりでアメリカの情勢から目が離せない。

 ボブの言っている事は、そのままそっくり日本国、北海道に当てはまる。日本国(政府)がアイヌにしてきた事は【恥ずべき事】だ。
 物事を正す為には、まずそこから始めなければならないと思う。それが今問題のアイヌ遺骨なのでは。


 2月24日の北海道新聞にこんな記事が。
 「菅」官房長官が「民族共生象徴空間」の開設時期について、2020年4月末までに間違いなく公開できるように工事をすると明言した。

 そして全国の大学に収蔵されているアイヌ民族の遺骨を集約する慰霊施設も整備するともあるが、余計なお世話である。

 つい最近、共同通信社のスクープで【札幌医大と北海道アイヌ協会理事長との間で交わされた遺骨に関する覚書が取交わされた後も、アイヌの魂を売渡した一部の者達の承諾で研究に使われていた】という新聞記事と覚書の写しが出回った。

 アイヌ遺骨研究に係る事実、実態はこんなものである。私が懸念していたとおりだった。

 日本政府においては、アイヌ政策を2020年の東京オリンピック開催に向けての対外向けパフォーマンスに利用し、なおかつ研究材料として使おうとする魂胆が見え見えである。

 立派な施設が出来て、北大の総長が慰霊に来るという話もあるが、ふざけるなと言いたい。現在の北大に慰霊の気持ちがないことは断言できる。
 なぜなら、昨年7月の浦河町(杵臼)への12体の北大保管遺骨返還の際、北大からは一切の謝罪はなかったのだから。
 
 慰霊の気持ちがないまま、慰霊するフリをして慰霊場所へ来るのなら、それは遺骨(死者)への二重の罪を犯していることになる。

 教養に欠ける北大の一部教授などには理解も出来ないだろうが、【1つは、遺骨(死者)を自分たちの欲望、彼らの言葉では「研究」に使用し、今後も使用しようとする罪】、【もう1つは、欺瞞の罪、わかり易く言えばダマシの罪】だ。教養のある人間はこのような事はしない。

 形だけの慰霊をしても、エカシ、フチ達の供養にはならない。アイヌ達よ。こんな話には用心、用心。何度でも言う。【盗んだ物は元へ返す。】当たり前のことだ。


 「木村二三夫の言いたい放題」の時間でした。』

 
 話は変わるが、一昨日(3/14)の北海道新聞の夕刊に【独から返還決定のアイヌ民族遺骨 偕楽園で盗掘 北大教授が確認】という記事が載った。

 私は記事を読み、画期的だと感じたことがある。この記事では【盗掘】という言葉を使用していることだ。

 記事では、【ドイツの民間学術団体・ベルリン人類学民族学先史学協会】が【収集者(ドイツ人シュレジンガー)は夜陰に乗じて掘り出したと報告しており、協会独自の倫理規定に照らして不法な収集方法だったと認定した】事が【返還を決めた理由】と紹介している。

 【発掘の主体側・ベルリン人類学民族学先史学協会】が、自ら【不法な収集方法だったと認定】しているのだから、新聞社(北海道新聞)も安心して【盗掘】と書けるのだろう。

 では、翻って、【北海道大学等の盗掘、無断発掘】は、どうなのだということになる。
 現在、問題として捉えなければならない事は、過去に不法な発掘、盗掘をした事そのものではない。

 【ベルリン人類学民族学先史学協会】のように【過去の行為】に対し【現在において、どのような認定を行うか】だ。

 もし、北大が、【自分たちの盗掘、無断発掘は、ドイツ人のやったこととは違う】と言うならば、堂々と記者発表すれば良い。
 逃げられるだけ逃げ回って、「コメントできない」などと発言する無様な姿を晒すのであれば日本人の恥だ。


 ちょっと話は変わる。以前から私が考えていた[アイヌ遺骨のDNA研究]と[医学研究用献体]の比較の話だ。

 私は、このアイヌ遺骨のDNA研究を考えるに当たって、最も近いイメージは、医学研究用の遺体提供「献体」だと思う。

 「人は、人生を精一杯生きて、死後は安らかに土に還る。」私は日本人として、こうした死生観を当たり前のことと認識しているが、この認識に立ってみても、日本における医学献体の手続きは納得できる。

 医学等の献体になるには、本人の意思に加え、遺族の承諾が必要とされている。
 本人及び遺族≒民法に定める祭祀承継者が了承しているのならば、第3者がとやかく口出しする必要はない。


 これは、理に叶っている。
 ちなみに、日本では身元不明の遺体があったとしても研究目的に使用してよい、ということにはなっていない。本人も遺族も了承していない場合は、いかなる状況でも研究目的には使用できない、ダメだということだ。

 これは遺体であっても、日本の文化では「人」として取り扱う。「尊厳ある人間」として取り扱うという思想に基づくものだと思う。

 さて、不思議なことがある。北大等に所蔵されているアイヌ遺骨の状況だ。
 その多くは、本人の意思も遺族の意思も、何の確認もなく、違法な発掘で収奪されたものだ。


 その北大等の研究者は、違法な手続きで得たアイヌ遺骨を堂々と研究に使用してきたという事実がある。

 過去の事実はとりあえず置いておくとして、問題の本質は、現在及び将来だ。
 なぜ、医学献体であれだけ【遺体であっても、[尊厳ある人間]として取り扱う】日本文化の思想が、アイヌ遺骨に関しては準じた取り扱いにならないのか。

 教養がない一部分子人類学者や教授達だけの問題ではなく、問題の本質はもっと根が深いのかもしれない。

 アイヌ遺骨の問題に止めず、ちょっと視点を広げてみると、この国において、圧倒的多数派の日本人が空気のように享受している権利が、ことアイヌや沖縄人に対しては、認めないような事柄が増している気がする。

 短期的に見れば、アイヌや沖縄のような少数派に犠牲を押し付けた分だけ、それを見て見ぬ振りをする多数派の日本人は権利(利益)を持ち続ける事が出来るだろう。

 だが、長期的に見れば、犠牲はアイヌ(沖縄)だけに留まらなくなる。
 
 あるべきでない暴挙や愚行の現実に対して、抗議なり何なりの行動をする事ができる身分の人間は何らかの行動をすべきだと思う。それは、自分や自分の子孫など多数派日本人の為でもある。私はそう考え行動している。
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2017/3/17  16:21

投稿者:退役軍人
DNAは、自己だけのものではなく、親兄弟子孫全てが持っているもので、遺伝学は非常に複雑な倫理問題を合わせ持っている。研究者一人ひとりは自らを厳しく律し、崇高な倫理観の基に新たな知の創造や社会に有用な発明に取り組み、社会の期待に応えていく必要がある。「研究活動における不正行為への対応等に 関するガイドライン」(平成26年8月26日文部科学大臣決定)にあるように、科学研究の実施は社会からの信頼と負託の上に成り立っており、当然のことだが、もし、こうした信頼や負託が薄れたり失われたりすれば、科学研究そのものがよって立つ基盤が崩れることになることを研究に携わる者はしっかりと自覚せねばならない。研究者も学究の徒である前に、一人の人間としての品格が問われていることを肝に銘じるべきである。闇雲に前のめりに研究してはいけない。


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