2018/8/17

もう一つの日本文化(「北大教授の人体実験」ほか)  文化・芸術
 前回(2018/8/10)ブログで、国(内閣官房副長官補、アイヌ総合政策室)の【ゴマカシ】【イカサマ】について指摘したが、これらはもちろん彼らだけの専売特許ではない。

 1週間ほど前、歯医者で女姓週刊誌(女性セブン8/23・30合併号)を読んでいたら、全く同じ手口が書かれていた。

 元教師の女性(60代)は、出産時に歯周病や虫歯で歯を失っていた。「残りの歯を守りたい」という一心でたどり着いたのが「無料の歯科治療相談サイト」だったという。
 ・・・歯科医は女性に2つの選択肢を提示したという。

 ○「その都度悪いところを治して、治療を何度も繰り返す」
 ○「一生にわたって心身の健康に役立つ根本的な治療をする」

 女性は、迷わず後者を選んだ。すると、歯医者が「根本的な治療」として勧めてきたのは、残りの歯をすべて抜いて、インプラントに替える治療だった。費用は約350万円。

 ・・・「残りの歯を守る」という本来の目的はすっかり忘れてしまっていた。歯医者のマインドコントロールにかかっていた、としか言いようがない。・・・密室となる診療室では歯医者が支配的な関係性で治療方針を押しつける傾向がある。・・・ 

 イカサマ師、ペテン師のやっている手口はみな同じということだ。

 さて、話は変わる。
 一昨日、木村さんから電話があり、昨日(08/14)の道新朝刊を読んだかとのこと。

 たまたま読んでいたので、『読みました【北大の人体実験】ですね。』と答えると、『酷い話だ。俺は戦時中とはいえ【北大が人体実験をやっていた】というのを読んでがっかりした。俺はこの小熊という学者の考え方は、篠田・安達の考え方に通じるものがあると思う。ちょっと整理してくれないか。』との指示。

 早速、この人体実験の問題点を整理した資料を作成し、木村宅へFAX、電話での意見交換を2回ほど繰り返した。

 この新聞記事の一部分の紹介と当該部分に対する木村さんの意見を紹介する。
 *斜字部分が木村さんの意見

北海道新聞 2018/08/14(朝刊)
<第1面部分>「北大教授、戦時下に人体実験か 軍が捕らえた中国人の染色体観察」

 北海道帝国大(現北大)理学部の男性教授(故人)が1930年代、旧満州(現中国東北地方)で旧日本軍が捕らえた中国人から摘出した睾丸(こうがん)を使い、染色体を観察する実験を行ったことが、北大図書館の保管資料などで分かった。男性教授は日中戦争開戦直前の37年6月、実験結果を基に論文を米国の科学誌に寄稿しており、専門家は「被験者の承諾がなく、どの時代であれ許されない人体実験だった」と指摘する。

→戦時中とはいえ、被験者の承諾なしに人体実験。北大という組織の罪の深さには言う言葉がない。

 男性教授は小熊捍(おぐま・まもる)氏(1885〜1971年)。生物学や遺伝学が専門で、30年に北大理学部教授に就任。37年から6年間は理学部長を務めた。

 資料は小熊氏が39年に行った講演の速記録「人類の染色体」。旧厚生省発行の「民族衛生資料」に収録された。当時、染色体は遺伝を担う存在として注目されていたが、まだ人間の染色体の本数も分かっておらず、盛んに研究された。

 小熊氏は講演で、遺体や病人から摘出した睾丸は染色体の観察に向かず、若く健康で生存している男性の睾丸が適していると指摘。「匪賊(ひぞく)(抗日武装勢力)を材料にしたらどうだろうか、どのみち匪賊は殺してしまふのだから」と述べた。

→この小熊という学者の考え方は、篠田・安達の考え方と全く同じだ。
 自分の研究内容の社会的意義に酔い、研究材料の有効活用を行ったと思いこんでいるのだから

 満州・奉天(現瀋陽)に渡り、軍に協力を依頼したところ「非常に良い材料を手に入れる事が出来たのであります。捕へた匪賊の一人です」と説明。得た試料によって染色体を明瞭に観察できたとして「匪賊を一人犠牲に供しました事は決して無意義ではありません」と語った。

→ここも、篠田・安達と全く同じだ。 アイヌ遺骨を「人格ある人間のもの」として、取り扱うことをせず、「歯をちょっと削っただけ」みたいなことを臆面なく言う。
 また、それを支援する公的機関(昔:関東軍→今:札幌医大、内閣官房副長官補・アイヌ総合政策室)があるところも同じだ。

 北大は北海道新聞の取材に対し「研究を承知しておらず、回答を差し控える」とした。

→北大に少しでも罪の意識があるならば、最低でも「現時点では研究を承知しておりませんが、調査して回答いたします」と返答すべき。

 小熊氏の札幌時代の自宅は旧小熊邸として知られる。北大退官後は国立遺伝学研究所(静岡)の初代所長を務め、国内の遺伝学の第一人者だった。(吉田隆久)

<第25面部分>
「検体求め倫理逸脱? 北大教授 旧満州で人体実験か 摘出手法 口閉ざす」

 戦時下、北海道帝国大教授が軍の協力を得て、被験者の同意を得ずに人体を使った実験を行っていたことが明らかになった。背景には当時の外地の国民に対する人権意識の低さがあるが、近年、民生分野にも活用できる「デュアルユース(軍民両用)」の研究の是非が議論になる中、軍事と科学技術の距離は今も問われている。

→この学者の被験体は中国人、篠田・安達の被験体はアイヌ。いずれも日本人ではない。これら学者に共通する意識は、研究の被験体は、[日本人以外]である方が研究が簡単にできるといったものだ。

 「この材料からどういふ方法で睾丸(こうがん)をとり出して薬品処理したかといふ事ですが(中略)相当重大な問題でもあり(中略)口を緘(とざ)して置きます」

 中国人から摘出した睾丸で染色体を観察する研究を行った北海道帝国大教授の小熊捍(おぐままもる)氏は、1939年の講演でこう述べ、手法の詳細への言及を避けた。当時は、医学研究について被験者の同意が不可欠とする国際倫理指針「ニュルンベルク綱領」が作られる前だが、小熊氏に非倫理的な人体実験との自覚があったことをうかがわせた。

 731部隊の上位部隊・関東軍の元参謀副長だった旧日本陸軍大将は回顧録で「某国立大学の外科教授が来訪し、匪賊(ひぞく)処分の機会を与えてくれと頼まれた」と振り返った。常石名誉教授は「満州は人体実験など『国内ではできない研究』ができるとされ、多くの研究者が訪れた。小熊氏も検体が欲しいあまり、非倫理的な手段をとったのだろう。資料を読む限り被験者の同意はなく、戦時とはいえ生命倫理に反する研究だった」と話す。

→仮に国際倫理指針があったとしても、中止したかどうかは疑問だ。現に篠田・安達は、国連先住民族権利宣言、国会決議が出て、アイヌ遺骨返還訴訟が始まっても、研究推進の考えを改める意思は全くみられない。
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2018/8/10

もう一つの日本文化(「アイヌ遺骨を用いたDNA研究等の実施について」国からの回答・その2ほか)  文化・芸術
 前回(2018/8/3)のブログで、【国のアイヌ政策推進会議が民主的でない】ことを書いたが、このブログを読んだ某アイヌ関係学者から、次のとおり厳しい現実の指摘を受けた。

 『アイヌ政策推進会議はアイヌ関係者の談合の場だ。委員間での真摯な議論などなく、事務局(内閣官房アイヌ総合政策室)が委員間の利害調整を行っているだけだ。委員の辞任など出るわけがない。』

 個人的には、その学者に対して言いたいこともあるが、指摘自体は正鵠を射ていると思う。その彼としばらく電話で話をしたが、興味深い提案があった。次のような内容だ。

・推進会議の実態は談合の場であり、国連先住民族権利宣言の実現・推進の議論の場になっていない。だが、事務局は会議全員の発言の記録(議事録)を作成している。その記録(議事録)が公文書アーカイブ(保存記録)として後世に残るのであれば、推進会議の意義はゼロではない。

・後世の人間が推進会議の議事録の検証を行うことにより、【2007年の国連宣言以降の日本政府(内閣官房副長官補、アイヌ総合政策室)の政策対応が妥当(優秀)だったのか、愚かだったのかが明確に判定できる】とのこと。

 念の為、解説すると、【会議全員の発言の記録(議事録)】とは、現在、日本政府(内閣官房)がHPで公開している【議事概要】ではない。【議事概要】は、言葉どおり「概要」であって、全ての発言が載っているものではない。日本政府が公開したくない発言は載らない。

 *日本政府(内閣官房)のHPアドレス
 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/ainusuishin/meetings.html

 また、【議事概要】は、H29.4.21開催の第31回(アイヌ)政策推進作業部会の議事概要が、開催後1年以上も公開されなかった事実に代表されるように、【日本政府によって様々な調整が行われてから公開される[日本政府に都合の良い作文]】ということだ。

 つまり、【議事概要】は【会議全員の発言の記録(議事録)】とは、「似て非なるもの」「ほど遠いもの」ということだ。

 なお、事務局(内閣官房アイヌ総合政策室)は、会議が開催された以上、【会議全員の発言の記録(議事録)】を作成する(している)。なぜなら、【議事概要】を作成する作業工程上、【議事録がなければ、議事概要を作成することは不可能】だからだ。

 実際に【会議全員の発言を記録した議事録】がなければ、【議論の流れを踏まえた要約】も【どの発言を載せ、どの発言を載せないか】などの調整作業もできないということだ。

 彼は、こうも言った。『平均以上の能力・教養を有している公務員なら、公的アーカイブの重要性は知っているはずだ。』『審議会等の議事録をなぜ残すのかというと、後世にその議論の中身や経緯の記録を残し、後世からその内容を検証できるようにするためだ。』

 『仮に検証の結果、誤っていたとすれば、同じ過ちを犯さないようにするためだ。こんなことは、よほどダメ公務員でない限り、誰でも知っていることだよ。』

 *確かに、一般論として先進国の政府は、その時の政策決定とは別個の意味付けとして、政策決定の過程については、自身に不利益な情報も含めてアーカイブとしている。だが、私は、【内閣官房副長官補、アイヌ総合政策室】の公文書管理の実態を公文書開示請求で確認した。

 その実態からは、『さあー、彼らに平均公務員以上の能力・教養がありますかねー。疑問ですねー。』と答えざるを得なかった。また、仮に【内閣官房副長官補、アイヌ総合政策室】が無知を装っているとすれば、その行為は、公務員としても、人間としても、許されるものではない。

 さて、話は変わる。
 世の中は、予想もしていなかった【良いもの】に出会うことがある。そんな時はとても嬉しい気分になる。

 だいぶ前から夫婦二人で映画に行くと安くなる年齢になった。当初は嬉しくて沢山行ったが、そのうち、妻との時間の調整や好みの違いから、それほど行かなくなってしまっていた。

 それが、一人でも安くなる年齢になった。では沢山行っているかというと、それほどでもない。映画よりも面白いものがあるということなのか、生活・娯楽への意欲が減ってきたということなのか、それは自分でもよく分からない。

 それが2ヶ月ほど前のある日、急に映画に行きたくなった。見たい映画が決まっているわけではない。急遽、ネットで札幌のシネコン数館の上映スケジュールを捜す。いくつか候補は挙がったが、週刊誌の映画案内欄で名前だけは知っていたアメリカ映画「30年目の同窓会」に決めた。

 *アメリカ映画「30年目の同窓会」のHPアドレス
 http://30years-dousoukai.jp/

 なぜこれにしたかというと、そのちょっと前に、「11月に中学校の同窓会をやる」というメールが来て、飛行機のチケットを取ったばかりだった。私にとっては「40年目の同窓会」になる。

 さて、鑑賞の結果は。この映画は、私にとって【良いもの】だった。とても嬉しい。(この映画はフィクションだが、)どこの国にも、【国に逆らうまともな老人】がいて、【実際には国の名誉を傷つけているお粗末な官僚】がいるという構図はあるということだ。

 映画の中に『老人だって、国に逆らうときがある』という言葉が出てくる。簡単にストーリーを紹介すると、ベトナム戦争で戦友だった3人がある出来事から30年振りに集まり、数日間、行動を共にするという映画だ。

 ある出来事とは、3人のうちの1人の息子がイラクで戦死したことだ。国(官僚)は父親に『息子さんは立派な戦死だった』と説明して、遺体をアーリントン国立墓地(戦没者慰霊施設)に埋葬しようとする。

 ふとしたことから国の説明がウソと知った3人は、国立墓地への埋葬を拒否し、遺体を故郷の墓へ埋葬する話だ。

 この3人はベトナム戦争を戦った愛国者で、現在だって愛国者だ。ただし、それは【正義を行う国家】に対する愛国者であって、【ウソの説明を行い、表面上だけを取り繕う国家(官僚)】に対するものではない。当たり前のことだ。

 『老人だって、国に逆らうときがある』という言葉は【正義でない国の官僚】に対するものだ。なお、「老人」という言葉だが、この映画の主人公3人は、恐らくは木村さんより10歳以上、私よりも5歳程度年下だ。

 この映画の話を木村さんにした時の木村さんのコメントは『良い話だ。【日本の年寄りだって、国に逆らうときがある】ことを外国に見せてやろう』だった。

 さて、前々々回(2018/6/26)のブログで、【国からの回答】の【1】について、何ともお粗末な内容であることを指摘した。

 当該ブログで「この回答文書の表現の実態を伴わない内容の無さは、安倍首相の国会答弁並の不正実さ」と書いたが、続きである【2】以降も同様である。

 一言でいえば、【ゴマカシ】と【イカサマ】の連続である。これらの言葉が、国(政府)に対する侮辱になるというのならば、【ウソ】と【粉飾】に言い換えても良い。内容は同じことだ。

 相手の質問に対して、答えているように見せかけて、実は答えていない。質問の趣旨と違う内容を言葉として返しているだけだ。これは回答ではない。

 論より証拠で、【木村さんの質問項目】と【国の回答項目】を比較すれば、一目瞭然だ。

■質問(1)
・木村さんの質問項目
 アイヌ遺骨を試料とする研究(アイヌ遺骨を用いたDNA研究等)は、当該遺骨の所有者の承諾なしに実施することができないことへの確認

・国の回答項目
 アイヌ遺骨等を用いた調査・研究の在り方について
 
■質問(2)
・木村さんの質問項目
 アイヌ遺骨の所有権は、特別な場合を除き、当該遺骨が埋葬されていた地域のアイヌコタンであるとする事への確認

・国の回答項目
 アイヌ遺骨及び副葬品を巡る所有権に対する考え方について

 以上のように、並べれば誰にでも分る【ゴマカシ】と【イカサマ】だ。次に、項目毎に簡潔に意見を述べる。

■質問(1)
 この回答は、(1年以上議事概要が公開されなかった)【H29.4.21開催の第31回(アイヌ)政策推進作業部会】において、メンバーに説明が行われた【3団体RT報告】=【自然人類学者によるアイヌ遺骨のDNA研究を進める】という事が国の方針だという表明だ。

 つまるところ、国(内閣官房副長官補、アイヌ総合政策室)は、【数万人のアイヌ民族の人権】よりも【(恐らく)数人の自然人類(DNA研究)学者の研究】の方が大事だと判断したということだ。

 一般論であるが、行政においては、【国民(アイヌ)の人権】よりも、【学者の研究の自由】を保護する理由は全くない。
 *当該研究の所管省庁は文科省ではないのか?文科省官僚の矜持はないのか?

 日本政府のこの決定は、「国連の先住民族権利宣言」に反しているだけでなく、明らかに【国際社会の正義】にも【民主主義】にも反している。

■質問(2)
 この回答の最大の【ゴマカシ】と【イカサマ】は、「国連の先住民族権利宣言」に一言も触れていないことだ。

 なぜ、触れないのかの理由は、誰にでも分かる。権利宣言(12条)を出した途端、アイヌ遺骨DNA研究を進める論理展開ができなくなるからだ。これが、木村さんのいう【国(内閣官房副長官補、アイヌ総合政策室)の不正義】の実態だ。

 また、ここでは、権利宣言に触れさせないように、アイヌ遺骨の【所有権】と【管理権】への考え方が示されているが、これはイカサマ師、ペテン師が使う常套手口だ。

 この問題を考えるに当たって、尊重すべき(正解である)「権利宣言12条」を隠しておいて、【所有権】と【管理権】の2つのみを選択肢に挙げて相手(国民)を惑わす。

 イカサマ師、ペテン師に共通していえるが、【自分(達)は頭が良いつもり】なのだろう。

 なお、女性は、定年後の夫の矯正に活用しているそうだ。例えば、『【洗濯】と【食器洗い】とどっちがいいの?』というように2つのみを選択肢に挙げて夫に選ばせる。
 手伝わないという選択肢は与えないそうだ。

 さて、この回答に百歩譲って、アイヌ遺骨の権利について、【所有権】と【管理権】で考えたとしても、明確にいえることは、【3団体RT報告】を作成した3団体(道アイヌ協会、日本人類学界、日本考古学協会)は、いずれも権利も有していない。

 いわば、アイヌ遺骨に係る権利を持たない部外者のみが集まって、アイヌ遺骨をどうするかを決めているということだ。
 これは、世界史に先例がある。1884年に開催された【ベルリン(アフリカ分割)会議】だ。

 1人のアフリカ人の参加もなしに、ヨーロッパ諸国など14カ国が、【アフリカにおける植民地分割の原則】を決めたものだ。
 *この会議を契機として、列強のアフリカ分割は本格化した。

 国(内閣官房副長官補、アイヌ総合政策室)は、自らの頭がいいと思い込んでいるのだろう。自らの手を汚すこと無く、ダミー(道アイヌ協会ほか2団体)を使って実施している。

■質問(3)
 【H30.5.14開催の第34回(アイヌ)政策推進作業部会】の議事概要が国のHPで公開されている。国は、H29(昨年)12月から今年3月までの間に『アイヌ政策再構築に係る地域説明会』を12回開催し、延べ286名のアイヌの意見を聞いたとのこと。次の記述がある。

□遺骨の返還
・遺骨の返還・慰霊の関係については、早期の慰霊環境を整えるために象徴空間への集約を早期に図って慰霊を行うべきという多数意見と、それよりもまず地域への返還を徹底すべきという少数意見。

□遺骨を用いた研究
・遺骨を用いた研究については、進めるべきと進めるべきではないのではないかという意見。これも、研究のプロセスにアイヌの方が参画することを前提に、アイヌの皆さんのルーツを明らかにするなど、その成果がアイヌの方に還元されるなら賛成という意見の方が多数だった。
 
 我国の官僚は、いつからイカサマ師、ペテン師になったのか?
 国が行った次の手口は、イカサマ師、ペテン師そのものではないのか?

□遺骨の返還
 アイヌ遺骨返還について、白老慰霊施設と地域返還の二者択一の意見を聞くが、その前に、日本政府が賛成投票した[国連の先住民族権利宣言]の第12条『先住民族は、・・・遺骨の返還に対する権利を有する。国家は、関係する先住民族と連携して・・・遺骨の・・・返還を可能にするよう努める』の説明はしていない。

□遺骨を用いた研究
 アイヌ遺骨を用いた研究については、進める、進めないの二者択一にして、条件付きで賛成が多数との意見集約はするが、権利宣言の第31条『先住民族は、人的・遺伝的資源・・・を保持し、管理し、保護し、発展させる権利を有する。国家は、関係する先住民族と連携して、これらの権利の行使を承認かつ保護するために効果的な措置をとる。』の説明はしていない。

 この説明会を実施した【内閣官房副長官補、アイヌ総合政策室】の行為は、江戸時代、【アイヌ勘定(シャモ勘定)】と呼ばれた悪意ある商取引方法とどれだけ違いがあるというのか?

 【国際正義】にも【民主主義の本質】にも反する行為だ。

 2018/7/17のブログで、木村さんとアメリカ人記者との会話について触れたが、木村さんの発言を正確に公表すると『国の動きが鈍ければ、国連人権委員会に駆け込む動きができるよう進めている』だ。

 なお、この言葉は、今月3日、北大で行われたアイヌ納骨堂イチャルパにおいて、木村さんは文科省官僚に伝えたとのことだ。

 最後に、国(内閣官房副長官補、アイヌ総合政策室)が現在進行形で進めている【ゴマカシ】【イカサマ】行為について、一つ触れたい。

 【H30.5.14開催の第10回アイヌ政策推進会議】において、【大学が保管しているアイヌ遺骨の返還】については、従来の【祭祀承継者個人への返還】に加え、【出土地域のアイヌ関係団体への返還】が示された。

 だが、国のアイヌ遺骨の活用方針は【自然人類学者によるアイヌ遺骨のDNA研究推進】であり、その為の【白老慰霊施設集骨】だ。できる限り、アイヌ遺骨の地域返還を少なくする為に邪念・邪心で様々なことを考え出す。

 その一つが、【出土地域のアイヌ関係団体への返還】を示しながら、【現在も出土地域に居住していること】を基本にしていることだ。

 *批判を避ける為か?「引き続き検討」と表記されている資料もあるし、他の資料では「出土地域に遺骨を返還することが目的なので、出土地域以外の人々だけで構成することは不可」となっているものもある。

 このように国は、小手先の【ゴマカシ】【イカサマ】を繰り返しているのだが、対象となっているアイヌ遺骨の多くは盗掘されているのである。

 話を置き換えると、北大教授が複数の民家の家財を盗んだとして、数年後、返還する際に、【既に転居済の民家の家財は返還する必要ない】ということになる。

 【話の性質が違う】と主張するなら、どう違うのか説明していただきたい。

 また、盗掘等がなされた年代は、東大の小金井が1888(明治21)年と1889(明治22)年、京大の清野が1924(大正13)年、北大の児玉らが1930年代から70年代にかけてであり、現在からは50〜130年前の出来事だ。

 アイヌに限らず日本人全体でよいが、現在の人口1億2700万人のうち、50年前と同じ市町村に居住している人口(割合)はどのくらいなのか?130年前と同じ市町村に居住している人口(割合)はどのくらいなのか?示していただきたい。

 一般論であるが、特に昭和30年代以降の国策=高度経済成長政策により、若者の就職による地方から都会への集中(移転)施策が取られた。また、国策による離農も進められた。

 一般の日本人同様、アイヌもこの国策により、多数の住居地移転(他市町村への転居)が行われたはずである。

 国(内閣官房副長官補、アイヌ総合政策室)においては、これらの数値を確認した上で、地域返還要件として「現在も出土地域に居住していること」を決めたとは思えない。

 [数値を確認している]と主張するのであれば、具体的な数値(人口数・割合)を提示して説明いただきたい。
  
 また、アイヌには、これら国策による住居地移転に加え、強制移住が行われている。現に木村さんも強制移住の末裔だ。例えば、木村さんには、(静内・新冠の)御料牧場内からのアイヌ遺骨への権利はないことになってしまう。また、樺太アイヌ、千島アイヌの遺骨は、誰も権利がないことになる。

 2018/2/21のブログで触れているが、記録に残っていない(記録されていない)事実上の強制移住は相当数あると推測される。

 以上のことからは、アイヌ遺骨の地域返還の要件として【現在も出土地域に居住していること】を挙げるのは、論理的にも倫理的にも成立しない。
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2018/8/3

もう一つの日本文化(国立科学博物館からの回答書への識者コメントほか)  文化・芸術
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 *作:木村二三夫/絵:本多淳の絵本ができました。詳細は近日中にお知らせします。
 *画像はクリックで拡大します。

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 一つでは取るに足らない小さな事案が、複数、雪だるま式に転がって現象化し、時代の雰囲気を醸成、取り返しのつかない大きな事態に発展していった事柄は歴史の転換期に多く見られる。

 先日のKimura Project会議において木村さんは、最近の安倍首相の品格を欠いた言動と、今回の国立博物館回答文書の【国立機関たる品格を欠いた内容】は、その内容のなさ(無教養)と国民をバカにした態度(民主主義を理解していない)の2点において共通しているのではないかと指摘した。

 木村さんは、2007年の【国連先住民族の権利宣言】及び翌年の【国会のアイヌ先住民族決議】以降における【日本政府のアイヌ政策への取組姿勢】で最も問題があるのは、【日本政府はアイヌ(先住民族)の権利を法的に担保する仕組みを作ろうとしない】事だという。

 例えばアイヌ遺骨返還にしても、他国(米国など)では、当然の事として法律「アメリカ先住民墓地保護・返還法」を作り、明確に先住民族の権利を保障しているが、日本政府は立法化せず、ガイドライン(通達)で対応するという。

 しかもその策定は政府組織(内閣官房副長官補、アイヌ総合政策室)の密室内の作業である。

 遺骨返還の権利を持つアイヌ(*道アイヌ協会は権利を持っていない)が関与できないまま、日本人官僚による一方的な[上意下達の文書通達](ガイドライン)で対応しようとしている。

 この日本政府の姿勢は、[国連先住民族の権利宣言]の第38条「国家は、本宣言の目的を遂行するために、先住民族と協議及び協力して、立法措置を含む適切な措置をとる。」に反している。

 遺骨返還などのアイヌ(先住民族)の権利が法制化されないということは、日本においては、時の政権(高級官僚)の胸先三寸で先住民族の権利が翻弄されるということだ。

 これは、民主主義、社会(国際)正義として、許されることではないだろう。
 これに関連して、国際的には不思議な現象がある。

 日本ではアイヌの意見を政策に反映する為、[アイヌ政策推進会議]が設置されているが、その構成委員(識者?)が、日本政府の非民主主義なアイヌ政策に全く反対の声を挙げていないと思われることだ。(事実として、一人の抗議の辞任もない。)

 *正しいかどうか、望ましいかどうかは別の問題として、昨年、アメリカでは、大統領諮問機関の委員が、政府(トランプ大統領)の対応に抗議して次々と辞任し、複数の評議会が解散した。

 日本の実態を見る限り、本当の意味の民主主義国ではないだろう。

 このような実態、現象、時代の雰囲気は、アイヌ政策に留まらず、日本(日本人)の将来において、取り返しのつかない事態に発展する可能性は極めて大きいだろう。

 さて、[国立科学博物館からの回答書]について、恐らく科学者と思われる識者からコメントが寄せられた。

 このコメントについて、Kimura Projectの法務スタッフのTKは、「このコメントは一流の学者からのものだ。篠○や安○のような三流学者とは違う。科学的な思考に基づいている。」と評価した。

 *TK(氏)は、ここ1年ほど実質的に活動していただいているが、実は、このブログのデビューは4年前だ。余談ではあるが該当部分を紹介する。

 2014/4/7ブログ
 「職場に仲のよい同僚がいる。私と同年代、50歳台だ。・・・彼から次のような言葉があった。「アイヌって、日本語しゃべれるの?」


 私は絶句した。彼は東京の一流大学卒であり、客観的に評価して教養人である。私は仕事でもプライベートでも彼に教えられることが多々あった。

 私は気を取り直し言った。「アイヌは日本語しゃべれるよ。というよりも、普通のアイヌは単語レベルのアイヌ語しか知らないことが多い。日本語しかしゃべれないと言った方が実態に近いよ。」

 彼の「ふーん。」という答えで、この話は終わった。・・・彼や私の年代は、少なくとも記憶に残るようなアイヌに関する教育はなかったと思う。公教育の重要性を考えさせる出来事だった。

 それでは、遅くなりました。識者からのコメントをご紹介します。
 *マーカーの〇番号に対して、ページ毎にコメントを掲載しています。
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 @:両者の名を出して正当化。/ 自らの主体性への言及なし。/ 双方のやり取りを公開せよ。
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 @:両者の名を出して正当化。/ 自らの主体性への言及なし。/ 双方のやり取りを公開せよ。
 A:Cognitive imperialism!
 B:「破壊」という言葉は適切ではないと政策推進作業部会で言っていたのは、篠田ではないのか?
 C:それは行わなかったのか。なぜ?
 D:感情を完全に無視。
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 E:政治的意図を外部から確認できないように「配慮」しているアイヌ政策と同じだ。
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 F:なぜ年代測定を行わなかった?
 G:なぜ? Unclear!
 H:やり直したのではないか?/しかし、明治期でも「混血」は差別によって進んではなかっただろう。
 I:「混血」が進んでいなくとも、江戸期のものとは限るまい。
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 J:詭弁。
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 K:なぜ?
 L:逆に、年代測定を行えば、先行研究を否定せねばならなくなる可能性が出てくるからではないか。「科学者」の姿勢ではなかろう。
 M:2007年に開始したという証拠は?/当時の状況をまったく理解していない。

 *蛇足:当識者から、次の情報提供が寄せられた。
 6,7年ぶりに寄った近隣市の図書館でここを訪問したら、フィルターがかけられていて入れませんでした! フィルターに関しては図書館員に尋ねましたが、どういう仕組みでそうなっているのかは分からないとのことでした。

→このブログが有害サイトに指定されていて入れないという意味と理解しました。仮にこの措置が国(内閣官房副長官補、アイヌ総合政策室)の指示等によるものだとしたら、大変光栄です。

 8/4追記:一読者から掲載提案があったので、ご紹介する。
 ・・・さて、既知のことだと思いますが、昨年のNHKの添付ファイルを参考に送ります。
 https://www.nhk.or.jp/kokusaihoudou/archive/2017/07/0719.html
 貴官のブログからこれ(天下のNHK)にリンクを張ってみてはどうでしょうか?

 上記NHK番組にあるフレーズ、
 「もし、自分の先祖の骨が知らない間に墓から持ち出されていたら、どう思うでしょうか。今日(19日)の特集は、世界の先住民族の遺骨をめぐる動きについてです。」

 このフレーズは、非常にわかりやすく、多くの人の心情に訴える(共感)ものだと思います。
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2018/7/30

もう一つの日本文化(国立科学博物館からの回答書へのKimura Projectコメント)  文化・芸術
 2010年から国立科学博物館副館長人類研究部・篠田謙一氏および山梨大学医学部法医学講座教授・安達登氏両氏は札幌医科大学に保管されている115体のアイヌ人骨を利用して、発掘されたコタンの構成員であるアイヌの承諾を得ずにミトコンドリアDNA研究を実施し、その成果を研究論文として公表した。

 木村さんは、北大開示文書研究会・共同代表/清水裕二氏・殿平善彦氏、遺骨返還訴訟原告/小川隆吉氏、コタンの会/神谷広道氏、コタンの会副代表/山崎良雄氏・葛野次雄氏、コタンの会事務局長/高月勉氏、紋別アイヌ協会長/畠山敏氏と連名で本年5月14日付けで「国立科学博物館および山梨大学に対する質問状」を出した。

 その回答が国立科学博物館から7月27日付けで来た。

 *質問状及び回答は、【北大開示文書研究会のサイト】、次のアドレスで確認できる。
http://hmjk.world.coocan.jp/index.html
NEW! 国立科学博物館「質問状に対するご回答」(2018/07/27づけ)
NEW! 国立科学博物館および山梨大学に対する質問状(2018/05/14)


 さて、木村さんから、Kimura Project会議の招集がかかり、恒例のフリートーキングを行った。木村さんを中心に、次のとおり取りまとめたのでご紹介する。

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 まず、回答書本文に「…ご指摘のあった件について、…問題となる点はないものと認識しています。個々のご質問に対する詳細は、別紙のとおり回答します。」と書いてある。

 早速「別紙」を読んでみたが、「なんだこりゃ」としか言いようのない教養のない内容の列記だ。

 日本をはじめ、世界中の「分子人類学者」に、この「別紙」を送って、「この回答内容はマトモと思いますか?」というアンケートを行いたいくらいだ。

 この「別紙」=回答は、一言でいえば、「ゴマカシ」と「イカサマ」の集合体だ。
 「別紙」の全てが、相手の質問に対して、答えているように見せかけているだけで、実は答えていない。実質的に、これは回答になっていない。

 論より証拠で、4つの質問について、それぞれ「質問のポイント」と「ゴマカシ、イカサマ回答」を簡単に総括する。

■質問1
・ 質問のポイント
 アイヌ遺骨の所有権は、墓地があったアイヌコタンの構成員であるアイヌ。そのアイヌの承諾を得ることなく行った【アイヌ遺骨からのDNA検出】は、研究倫理規定に反する研究。
 また、北海道アイヌ協会は、なんら遺骨の権利を有していない。

<ゴマカシ、イカサマ回答>
・アイヌ遺骨の所有権に一言も触れず。研究開始は2007年、【当時唯一のアイヌを代表する団体であった北海道ウタリ協会】の関与の下に行われた、と回答。


 *地域のアイヌ協会を完全無視。*北海道ウタリ協会の権利根拠に触れず。
 *どんな職業にもいえる普遍の定理として「自分の仕事の対象物(飯の種)を大事にしない人間は、大した人間ではない」というものがある。アイヌを研究の対象としながら、アイヌを大事にしない学者は、技術はともかく学者としての品格は三流だろう。

■質問2
・質問のポイント
 研究に使用された32体の遺骨は、DNAサンプル採取の為、損傷を受けた。損傷を受けたアイヌ遺骨に対し、いかなる責任を表明されるのか。

<ゴマカシ、イカサマ回答>
・【…遺骨を傷つけるのは必要最小限、…遺骨の歯…をDNA試料として用いる方法…、歯を…戻してしまえば、遺骨の外観が損なわれることはありません。】、【貴団体が考えておられる「損傷」の程度は分りませんが、私たち研究者もむやみに遺骨を損傷しようとしているわけではありません。】との回答。


 *遺骨を損傷させる行為へのためらいは全くないとの言だ。これを人非人と言わずして何と言おうか。

■質問3
・ 質問のポイント
 研究に使用された【浦河町東栄遺跡発掘】の32遺骨は、明治時代以降に埋葬された遺骨。
 研究の前提となっている【和人との混血が進んでいない、アイヌ文化期の遺骨を選別した】の前提が覆(くつがえ)る。

<ゴマカシ、イカサマ回答>
・ <主旨>【浦河町東栄遺跡のアイヌ遺骨】は、これまで多くの研究で「近世」(江戸期)とされていたから、自分達も」そのように取り扱った。
・ DNA調査結果は、この【浦河町東栄遺跡の遺骨】は、「和人との混血が進んでいない」事が確認された。
 *屁理屈以外、理屈も何もなく、「自分がやったことは問題ないと、言い張る幼稚園児並みの駄々っ子」としか言いようがない。

■質問4
・質問のポイント
 <主旨>【浦河町東栄遺跡のアイヌ遺骨】が【埋蔵物の文化財認定】を受けているのは、同遺跡の土器、石器と共に発掘されたからであるが、「土器、石器は縄文時代」、「遺骨は明治時代以降(アイヌ墓地)」であり、歴史的関係がない。【埋蔵物の文化財認定】したのは誤り。
 誤った認定を前提に行った研究論文は取り消しすべき。

<ゴマカシ、イカサマ回答>
・ <主旨>【浦河町東栄遺跡のアイヌ遺骨】は、これまで多くの研究で「近世」(江戸期)とされていたから、自分達も」そのように取り扱った。
【浦河町東栄遺跡のアイヌ遺骨】が明治時代以降のものかどうかは、今後検証されていくもので、現時点では研究論文は取り消す意思はない。
 *屁理屈以外、理屈も何もなく、「自分がやったことは問題ないと、言い張る幼稚園児並みの駄々っ子」としか言いようがない。

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2018/7/17

もう一つの日本文化(FMピパウシ原稿「アイヌが辿った、辿らされた150年の歴史」ほか)  文化・芸術
 木村さんからは今月初めに原稿をいただいたのだが、ちょうど私の個人旅行日程と重なったため、ブログアップがとても遅くなりました。お詫びします。それでは、まず、FMピパウシ原稿から、ご紹介します。

■FMピパウシ 7月分原稿
 *実際の放送では、若干変更する可能性があるそうです。

 『今日は「アイヌが辿った、辿らされた150年の歴史」を少し振り返ってみたいと思います。

 FMピパウシ・リスナーの皆さんイランカラプテー。 木村二三夫の言いたい放題の時間です。

 今、平成から次の年号に変わろうとしています。時の流れるのは早いものです。明治維新以降、日本政府は、私達のアイヌモシリ、アイヌの国を略奪、植民地化し、全ての権利を奪い、とどめを刺すかのようにアイヌの先人達の遺骨を盗掘し、奪い、持ち去りました。

 日本政府が勝手に北海道と命名してから、今年で150年になるとの事で、道内各地では色々なイベントが催されようとしています。

 国民、道民は、この「北海道、命名150年」の歴史をどう思い、どう考え、アイヌ達が辿った、辿らされた悲惨な歴史を振り返った事があるのでしょうか。

 江戸時代の幕末の探検家、松浦武四郎への評価は様々です。ペリーの黒船来航時、彼は36歳。自分の国を憂う皇国の士、水戸藩や幕府の隠密とか、蝦夷地(アイヌモシリ)の開発、アイヌを皇国の良民にすることを考えていたとか、アイヌのために何をしたとか諸説あります。

 しかし、武四郎は、28歳以降、6回のアイヌモシリ探検を通じてアイヌ語を習得、アイヌ語を流暢に話し、また、函館開港後の幕府のお雇いになってからは、アイヌの惨状を見かねて、函館奉行に「場所請負人の悪辣なやり口」を訴える願書を提出するなどの事実も残されています。

 そのような時代にアイヌを人として寄り添ってくれた、数少ない、真っ当な日本人だった事を私は評価します。

 しかし、北海道では150年式典に向けて、必要以上に武四郎を賞賛し、祭り上げ、歴史を歪曲して、アイヌモシリで起きた残虐で卑劣極まりない歴史事実をカモフラージュしようとしています。

 このような日本人が得意とする卑劣なやり口には、断固として反対の声を出していかなければならないと思います。

 さて、明治時代の武四郎は、アイヌの為に何かをと思いながらも、力及ばなかったという自責の念からか、うつ病を患い、3年程、家に閉じこもっていたという話を伝え聞いたことがあります。

 その事からも、武四郎は「アイヌ ネノアン アイヌ(人である人)」であったと私は信じたい。私は、一人のアイヌとして、武四郎の足跡には敬意を表します。

 なぜならば、武四郎は、アイヌの手を借りながらもアイヌモシリを隈なく巡り、数多くのアイヌ語地名を地図に、当時のアイヌ人物像を記録に残してくれました。

 武四郎は、当時、文字を持たなかったアイヌ達の思いを、アイヌに寄り添う視点で文書で残してくれました。私は、この功績は多大なものがあると考えます。

 その後、明治政府の強制同化政策によりアイヌ文化を全否定され、徐々にアイヌ文化を失っていた時期のアイヌ達にとって、そしてアイヌ文化を取り戻す活動が活発化している今のアイヌ達にとって、大きな心の拠り所となっています。

 アイヌモシリ(北海道)の先住者はアイヌであり、アイヌモシリはアイヌのものであるという証を日本人である武四郎が残してくれました。これ以上、確かな証はないのでは、と思います。

 その武四郎は旅の終わりに函館でこんな事を書き残しています。「日本人の役人達がアイヌの骨、血肉を宴席で飲み食いしている夢を見た」と。まさに正夢だったのでしょう。

 ここから明治時代が始まり、アイヌにとって新たな苦難の歴史が始まりました。日本人にアイヌモシリを略奪、植民地化され、全ての権利を奪われ、強制移住、強制同化を強要され、不平等を強いられての150年です。

 このFMピパウシは、アイヌ語の普及を目指して開設したもので、開設者は私の仲人でもあるソンノ シーノ ニシパ(偉大な人)、今は亡き萱野茂さんです。

 萱野さんが、生前、折に触れ、「我がアイヌモシリは、日本国に売った覚えも、貸した覚えも無い」と言っていたことを思い出します。

 リスナーの皆さん、今年は「北海道命名150年」とのことです。アイヌの歴史を深く掘り下げて認識してもらい、今後の日本人とアイヌとの交流に生かしていただければと思います。

 最後に、私が念仏のように唱えている事があります。私達に歴史を変えることはできませんが、歴史に学び、より良い未来を創り出していくことはできます。

 過去に眼を閉じる者に未来はない、ということです。イヤイライケレ。』


 *FMピパウシ「木村二三夫の言いたい放題」を音声で聞きたい人は、こちらのサイトで聞けるようです。http://www.geocities.jp/fmpipausi/menu.html


 さて、話は変わる。
■2018/6/3のブログで次の2つを紹介したが、木村さんは活動を加速強化している。

・FMピパウシ・6月分原稿
 『・・・目の前に国(日本政府アイヌ総合政策室)の不正義がある。こんな馬鹿げた状態は、我々が住む日本の名誉の為に、一刻も早く終わらせなければならない。私は覚悟をもって絶えず挑み続けます。それは正義は我にありと確信していればこそです。 

 そのうちに必ずピンチをチャンスに変えることができる状況が巡ってきます。相手が誰であろうと諦めない限り、勝つチャンスはあると信じています。』

・フリートーキングでの木村さん
 『・・・アイヌ総合政策室小山参事官は木村さんに対し、1月26日の会談では耳当たりの良いことを話し、一時は木村さんの信頼を得たが、文書回答は不誠実そのものであり、木村さんの信頼を失った。そのことによって木村さんはアイヌ総合政策室(内閣官房副長官補)に立ち向かう意志を改めて固めた。

 私はブログを用いて木村さんへの支援を行っているが、木村さんの意志は、今後、直接、木村さんの行動でも実施されるだろう。』

■木村さんの活動のほんの一部を紹介する。
 昨日(07/16)は、国労大阪会館(JR大阪環状線天満駅)で「アイヌ民族と北海道150年」という講演を行った。

 この講演会には、アメリカ人記者も取材に来た。彼は日本語が話せるので、木村さんとは交流を深めたらしい。木村さんは、今後、国際的な活動を予定しているので、その際は取材して欲しいと依頼したそうだ。(トランプ大領領へのささやきも依頼したそうだが、こちらは断られた模様)

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