2017/11/27

もう一つの日本文化(木村ニ三夫さんと常本照樹氏)  文化・芸術
 2017/10/16のブログで「恐らく明日も別の文書の配達完了メールが私の携帯に届くはずである。」と書いたが、その内容は木村さんから常本氏への質問文書だ。

 提出期限は、11月20日であるが、1週間経過した本日現在も、常本氏からの回答はない。常本氏には氏自身のお考えがあるのだろうが、木村さんはこの質問文書を公開することを決めた。木村さんは回答をいただくことについて諦めていない。

 今後、どのように回答を求めていくかについては、現時点で未定であるが、いずれにせよ木村さんにとっては重要な事柄であり、回答を求めていく考えだ。

                        <質問文書>
                                         平成29年10月16日
アイヌ政策推進会議
 政策推進作業部会部会長 常 本 照 樹 様
                              北海道沙流郡平取町○○○○○○○○
                              木 村 二 三 夫

           国(内閣府)のアイヌ政策推進会議に関連する事項について

 貴兄が国(内閣府)のアイヌ政策推進会議 政策推進作業部会部会長として、様々な課題の調整に尽力されていることに敬意を表します。

 さて私、木村ニ三夫は貴兄とは種々の会合等で挨拶・話をしており、電話ではかなり厳しい意見交換をしたこともありましたが、今回は改めて私の率直な質問に対するお考えを確認いたしたく、本文書を送付いたしました。

 貴兄におきましては、政策推進作業部会部会長としての回答提出をよろしくお願いします。

 なお、ご提出いただいた回答はどのような形であれ、内容的に「私の質問主旨に対する有効な回答」と判断されない場合には、アイヌ政策推進会議代表者あて同様の文書送付を予定しておりますことを申し添えます。
                           記
1 質問
(1) 作業部会の構成メンバー11人中、日本人が7名でアイヌが4名。その審議内容から考えると構成が逆ではないか?アイヌの問題の検討はアイヌが主体となるべきであり、構成メンバーはアイヌが多数者となり決定すべきと考える。この実施の可否。否の場合は、その理由を伺う。

(2)作業部会の会議は、アイヌの多数が住むアイヌモシリ(北海道)において公開の上に開催されるのが望ましいと考える。この実施の可否。否の場合は、その理由を伺う。

(3)国(日本政府)は「アイヌの人達」という言い方をするが、2008年の国会決議により我が国においてはアイヌは先住民族であることが正式に認められたはず。「アイヌ民族の人達」と言うべきと考える。この実施の可否。否の場合は、その理由を伺う。

(4)アイヌ遺骨の地域返還については、本年3月に開催された[政策推進作業部会]において、「地域返還を求める方たちは、かつてのコタンというものに返してほしいというところから話が始まっているということもあるので、出土地域におけるアイヌ関係団体への引き渡しをすることとしたい。…基本的な枠組みとしてはこういう形で、今後、地域返還を考えていくということにさせていただく。」 とされたにもかかわらず、本年5月に開催された[アイヌ政策推進会議]では全く反映されていない。何故かその理由を伺う。

(5)国(日本政府)は、「遺骨問題のアイヌ側窓口」は道アイヌ協会と決めているように感じられる。アイヌ民族が持つ様々な権利は「コタン単位」で考えるべきであり、現存する地域のアイヌ協会などがコタンに代わることができる場合がある。「遺骨問題のアイヌ側窓口」は、出土地域のアイヌ協会などにすべきと考える。この実施の可否。否の場合は、その理由を伺う。

2 提出期限   平成29年11月20日(月)必着

3 提出先   北海道沙流郡平取町○○○○○○○○    木 村 二 三 夫      以上

 さて、木村さんは過去何回か常本氏と一対一で懇談している。もちろん、何から何まで意見が合わないということではないが、こと「先住民族の権利」については、その意見の隔たりは大きい。

 前回(11月10日)のブログで木村さんが台湾先住民族との交流ツアーに参加している事を書いたが、実はこの平取町主催の4泊5日のツアーには常本氏も同行していた。
 木村氏さんと常本氏の二人は最終日(11月10日)の朝、30分ほど話したとの事。木村さんは、改めて常本氏と「先住民族政策に対する考え方」の違いがはっきりした確認できたそうだ。

 例えば、木村さんは「今回ツアーで知った台湾政府の先住民族政策を素晴しいと絶賛」したことに対し、常本氏は「日本には全く当てはまらない」、「何の参考にもならない」と冷めた対応。
 木村さんが常本氏に「あなたはアイヌの歴史・実状を知っていて権力も知識もある。あなたが先住民族政策を進めないで誰が進めるんだ」と詰め寄る。

 常本氏は「方針は国が決めるんだ。私に権限はない。」と逃げる。木村さんが「政策推進作業部会部会長は、先住民族政策を進めるのが仕事だ。進めないのなら部会長を降りろ」と言おうとした矢先、「バスが待っている。」ということで、そのままとなったとの事。

 常本氏の考えは、「日本には日本の事情がある」ということなのであろう。
 この考え自体は表面上は何の問題がない。どの国であれ、その国なりの事情はある。

 ただし、常本氏のいう[日本の事情]というものが、国連・先住民族宣言の意図を外れているものであるならば話は別だ。宣言の解釈、裁量の余地の権限は各国(日本)にあるとしても、宣言の恣意的な解釈は許されるものではないからだ。

 恐らくは、常本氏が唱える「日本型先住民族政策」の内容は、国際的には先住民対策として通用しないものだろう。
 さて、私は日本という国は、経済、文化、国力、民度など様々な分野で世界有数の先進国だと考えている(考えたい)。

 だが、[国際的な人権]問題ではとても先進国とはいえない状況だ。「先住民族(アイヌ)の権利」に加え、「国際難民の受け入れ」も同様だ。日本は1981年に難民条約に加入したが、現状の国際評価は「日本は先進国の中で唯一、難民をきちんと受け入れていない国」というものだ。

 具体的なデータを示す。2015年のG7における難民認定数は日本27人、イタリア3,573人、カナダ9,171人、イギリス15,376人、フランス21,287人、アメリカ23,361人、ドイツ138,666人だ。
 *日本の2016年は28人、改善傾向は見られない。

 一桁(ヒトケタ)違うなどという程度ではない。なお、日本の認定数が少ないのは、日本への難民申請が少ないからではない。2015年の難民認定率を示すと、日本0.6%、イタリア5%、カナダ68%、イギリス33%、フランス22%、アメリカ77%、ドイツ59%だ。

 日本の実態は国際的にも問題になっているはずにもかかわらず、一向に改善される様子はない。恐らく現在の日本政府内にいる頑迷な有力者、もしくは政府に強い影響力のある右派団体の意向が反映されているのだろう。

 私は、日本政府が【アイヌ先住権を認めない】方針と【国際難民を受け入れない】方針は同根のような気がする。単純に言えば、【日本という国には、日本人(大和民族)以外は要らない。もしくは、日本人以外はできるだけ少ない方がいい】という考えだ。当然、【日本人以外の権利は抑制する】ということになる。

 このような主張をされる方々は、昔、日本列島に住む人々(縄文人)が縄文時代、弥生時代と様々な海外からの(渡来)人、文化、技術を寛容に迎え入れ、共存し、世界にも類がない独創的な日本文化を造り上げてきた歴史を知らないのだろうか。

 なお、縄文人自体も「均一な集団」ではなく、様々な人々が、色々なルートで日本列島に入ってきたという。いずれにしても海外から渡来した多様な人々によって日本国家と日本文化は成り立ってきた。この歴史事実を考えれば、先のような器の小さい対応にはならないはずだ。

 さて、話は変わる。
 一部の人が否定しようと、日本には【将来へ引き継ぐべきでない「アイヌ差別」の事実(歴史)】が現存する。

 この認識は木村さんと私で全く同じだ。そして【過去の歴史は変えられないが現在や将来は変えることができるかもしれない】と考えていることも同じだ。この共通認識があるために木村さんと私は協力しあえる。

 木村さんは常本氏とも何回も懇談しているが、先住民族(アイヌ)政策を巡っては同じ認識にならないという。

 木村さんと私の推測は、常本氏は他国の現状、例えばアメリカのマイノリティ優遇策での問題点、弊害などの実状を十分把握していることなどもあって、先住民族政策に慎重になっているのではないかということだ。

 ここでちょっと違う視点の話をする。
 法治国家とは、【結論の正しさ】と【手続きの正しさ】の2つが併存していなければダメだといわれている。「政策が正しければ手続きはどうでもいい」というのでは【法の支配】の根本が揺らいでしまうということでもある。

 言い方を変えれば、【民主的な手続きを経た政策決定でなければ、国民の声が政策に反映されたことにはならない。】ということだ。

 では、常本氏が座長を務める「(アイヌ)政策推進作業部会」での実態・現状はどうであろうか(その上部組織のアイヌ政策推進会議も同様であるが)。
 その実態・現状への疑問部分が、木村さんが10月16日に常本氏に送った質問書だ。

 部会メンバーは、いわゆる見識が高い有識者で構成されている(そうでない学者も一部混じっているが)。だが、仮に見識が高いとしても、常本氏をはじめ部会メンバーは部会の運営内容についてもっと謙虚になるべきだ。

 なぜなら、作業部会という密室で論議し決定することはできても、そこでの結論を政策として実施する権限を持っているわけではないからだ。また、限られた人員での議論でえあり、自分達の判断が常に正しいとは限らないことも自覚すべきだ。

 あくまで一般論だが、ここいらへんの認識が、いわゆる有識者や政策官僚に欠けていることが時折見受けられる。

 ではどうすれば良いのかは簡単な事だ。「民主的な手続きを経た政策決定」をすることだ。具体的には、国会、県議会、市町村議会と同様「公開での議論」、または「議事録の完全公開」にすべきということだ。

 一見、混乱と時間の浪費になると思われるかもしれないが、先進国においては、この方法が結果として最も効率的な政策決定方法だ。

 なお、木村さんは既にホットハート・クールヘッドを開始した。
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2017/11/10

もう一つの日本文化(地元河川での鮭捕獲アイヌへの奇妙な事実〜政府はアイヌの鮭捕獲を容認か・その2)  文化・芸術
 木村さんは台湾の先住民族(*台湾の表現では原住民)との交流事業で本日午前中まで在台中、ブログ原稿の確認がいただけないまま数日が過ぎてしまったが、本日の北海道新聞第一面は【米抜きTPP(環太平洋連携協定)大筋合意】記事だ。

 日本政府は、本年7月に大枠合意したEUとのEPA(経済連携協定)に引き続き、大型通商交渉を主導し、最終的に各国の了承を取り付けたという。

 近隣国からはアメリカがいなければ何もできない日本と言われ、安倍がトランプに尻尾を振っていると揶揄されるが、実はアメリカ追従が戦術で米抜きTPPが戦略だとしたら、韓信の股くぐりではないが、日本政府(安倍、官僚)も大したものだ。

 なお、本年1月17日の日経新聞には「日ロ(海上自衛隊とロシア海軍)の共同訓練が2年3カ月ぶりに再開する」記事が載っていた。海上自衛隊はヘリ搭載型護衛鑑「ひゅうが」と多用途支援鑑「ひうち」を派遣する本格的なものだ。

 その2年3カ月前の日ロ共同訓練では、海上自衛隊は護衛鑑「はまぎり」をウラジオストクに派遣した。この時は、ヨーロッパを中心に海外紙から「日本は注意深くバランスと取りながらアメリカから離れようとしている」旨の記事が多く出された。

 ともあれ、世界も日本も歴史も動いている。過去の歴史からは盤石不動に思える状況も、未来・将来に変わらないことの証にはならないということだ。

 さて、前回のブログで、【奇妙な出来事・1】畠山さんの鮭漁に係る警官の押し問答、【奇妙な出来事・2】(恐らくは)オホーツク総合振興局・北海道警察・紋別漁協の3者による共同行為〜鮭漁実施日の前に遡っての[特別採補許可]について書いたが、【奇妙な出来事・3】がある。

 まず、前記の3者には動機が感じられないことだ。前記の3者はいずれも実施に伴う利益がないと思われる。特にオホーツク総合振興局及び北海道警察という行政機関は、根拠法令や上位機関からの指示(命令)という根拠がなければ、組織として不法行為を行うことは考えられない。

 ここから先は推測になる。木村さん達と共にこの不法な行政行為の背景(目的)を考えた。あくまで憶測だが、【先住民族アイヌが地元の河川で鮭を捕るという行為は、罪に問えない】という結論があり、誰かがオホーツク総合振興局及び北海道警察に指示したと考えることが妥当だ。

 では、「先住民族アイヌが地元の河川で鮭を捕るという行為」、畠山さんの主張では、国連の先住民族宣言第26条の権利を我国において担当する部署はどこだろうか?

 日本政府の担当部署は、内閣官房アイヌ総合政策室であろうし、内閣官房長官が座長を務めるアイヌ推進会議やその作業部会である政策推進作業部会(構成員・審議委員)が何らかの形で関与しているのかも知れない。このテーマについては、後段で再度触れる。

 さて、話は少し変わる。
 8月5日の北海道新聞に『アイヌ政策を担当する菅義偉官房長官は7月に国会内で北海道新聞のインタビューに答え、検討中のアイヌ民族に関する新法に生活・教育支援を盛り込むことについて、憲法14条の「法の下の平等」との関係など整理する課題があることを理由に「難しい」との姿勢を示した。…』という記事が掲載された。

 木村さんはこの記事に大きく反発し、自身がパーソナリティーを務める【FMピパウシ・木村ニ三夫の言いたい放題(9月)で舌鋒鋭く追及した。
*2017/9/6のブログ参照

 このブログ記事取材の為に畠山さんを訪問した際にも、畠山さんは【菅官房長官に大きな怒りを持っている】ことを話された。近々具体的な行動を行う予定ともお聞きした。

 どこかの大学教授や菅内閣官房長官が唱えている【先住民族の権利は、日本国憲法第14条の全て国民は法の下の平等原則に抵触する】などという理屈は、世界視野や先進国の国際標準から俯瞰した場合、合理性を持たない。

 理由は、何よりも2007年9月の国連総会で日本政府が「先住民族の権利に関する国連宣言」採択に際して賛成票を投じたことだ。

 加えて、このお2人は、国連宣言の翌年(2008年)6月の国会・アイヌ民族先住民族決議後に福田閣官房長官が要請し、翌2009年7月に取りまとめられた「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会報告書」を知らないのだろうか?
 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ainu/dai10/siryou1.pdf

 そこでは、次のように記述されている。
 「・・・憲法等を考慮したアイヌ政策の展開
 また、国及び地方公共団体により実施されるアイヌ政策が、我が国の最高法規である日本国憲法(以下「憲法」という)を踏まえるべきことは当然である。例えば、アイヌの人々に対して特別の政策を行うことは憲法第 14 条の平等原則に反するのではないか、という指摘がある。

 しかし、事柄の性質に即応した合理的な理由に基づくものであれば、国民の一部について、異なる取扱いをすることも、憲法上許されると一般に解されており、既述のようにアイヌの人々が先住民族であることから特別の政策を導き出すことが「事柄の性質に即応した合理的な理由」に当たることは多言を要しない。

 さらに、我が国が締結している「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約」第2条2が、締約国は特定の人種への平等な人権保障のために特別な措置をとることができるとしていることも視野に入れる必要がある。

 これらの観点を踏まえると、憲法がアイヌの人々に対する特別な政策にとって制約として働く場合でも、合理的な理由が存在する限りアイヌ政策は認められるといえる。・・・」

 この報告書は、前年の国会決議を受けて、「国(日本)の政策のあり方のために取りまとめられたものである。
 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ainu/index.html

 その「おわりに」では、次の記述がある。
 「本報告書は、…懇談会の全会一致を持って取りまとめたものである。…今、われわれは、アイヌの人々と正面から向き合い、アイヌの人々が「先住民族」として誇りを持って積極的に生きることのできる豊かな共生の社会を現実のものとしようとする新たな局面に立っている。

 この真摯な試みは、諸々の困難を抱える日本にあって、国民一人ひとりがお互いを思いやる気持を持ち、アイヌを含めた次の世代が夢と誇りを持って生きることのできる社会を形成することに寄与するに違いない。そのことは、また、日本が国際社会において「名誉ある地位を占め」(憲法前文)ることに通ずると信じるものである。」

 2007年の国連宣言の後、世界情勢が変化して『○○○○○○○○の理由から、世界及び日本において、先住民族政策を行う必要性が無くなった】などの合理的理由がない限り、【日本政府における行政の継続性】は強く求められるものである。

 一人の内閣官房長官や大学教授等の持論によって方向性を変えて良い性質のものではない。「先住民族の権利は憲法第14条に抵触する」などという戯言は通用しない。

 幸いなことに、この報告書を取りまとめた委員の一人である常本照樹氏は、現在、国(内閣府)のアイヌ政策推進会議・政策推進作業部会部会長である。

 この政策推進作業部会の開催趣旨は、当該報告書などを踏まえ、アイヌ政策の推進を図るためとされている。是非とも2009年「有識者懇談会報告書」を踏まえ、アイヌ先住民族政策を発展させていただきたい。 
 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ainusuishin/seisakusuishin/dai1/haifu_siryou.pdf


 さて、木村さんは勉強家だ。その木村さんは随時(気まぐれ的に)様々なテーマで勉強会を主催し、論議を行う。あるときのテーマは【国のアイヌ関係審議会等の委員のあり方】だった。

 自由討議の結論は、アイヌ政策推進会議や政策推進作業部会等日本政府の検討部会の構成員(審議委員等)は、その開催(設置)の趣旨から【@先住民族政策の国際的な考え方を理解している、Aアイヌの生活の現状や文化等についての広範な知識を有している、Bアイヌと日本人の関わりの歴史を理解しているという資質が求められる】というものだった。

 私は、審議委員の方々を個別には存じ上げないが、木村さんは数名の方とは様々な懇談等で存じている。木村さんによれば、政策推進作業部会の篠田氏は残念ながら資質に欠け、常本氏にはその活躍を期待したいとの言であった。

 私は、木村さん、畠山さん、さらには他のアイヌとお会いしたときは、その機会を活用して様々な話をするが、お互いに住んでいる所が遠い為、電話の方が多い。

 木村さんなどは何かを思い立ったときは直ぐに電話とFAXをくれる。私も同様だ。電子メール、SNSなどは使わない。いわゆるローテクだが、ブレインストーミングが断続的に行われているような効果がある。

 先日、木村さんとお話していたテーマは、【菅内閣官房長官が唱えていた[憲法第14条の法の下の平等]が現在のアイヌに当てはまるのか?】ということだった。
 *菅内閣官房長官の憲法第14条発言が、木村さんや畠山さんに与えた衝撃は本当に大きいものがある。繰り返し繰り返し話題(課題)として出てくる。

 木村さんも畠山さんも、2008年国会のアイヌ民族先住民族決議及びそれに対する内閣官房長官談話で、【法的には等しく国民でありながらも差別され、貧窮を余儀なくされたアイヌ】という表現があったことを忘れていない。

*衆議院本会議及び参議院本会議においては、【我が国が近代化する過程において、多数のアイヌの人々が、法的には等しく国民でありながらも差別され、貧窮を余儀なくされたという歴史的事実を、私たちは厳粛に受け止めなければならない。
 http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/ketsugian/g16913001.htm       
 http://www.sangiin.go.jp/japanese/gianjoho/ketsugi/169/080606-2.html

 *「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」に関する内閣官房長官談話においては、【本日の国会決議でも述べられているように、我が国が近代化する過程において、法的には等しく国民でありながらも差別され、貧窮を余儀なくされたアイヌの人々が多数に上ったという歴史的事実について、政府として改めて、これを厳粛に受け止めたいと思います。
 http://www.kantei.go.jp/jp/tyokan/hukuda/2008/0606danwa.html

 木村さんや畠山さんなどにしてみれば、「法的には等しく国民でありながらも差別され、貧窮を余儀なくされ・・・」というのは過去の話ではない、現在の話であり、現実に感じていることだと強く主張された。

 例えば、前回及び今回のブログテーマである「畠山さんの鮭漁」についてだ。
 比較事例として「我国の沿岸捕鯨」を挙げる。


 在シドニー日本国総領事館HPでは、「捕鯨問題における日本の立場」が説明されている。
 *オーストラリアの世論調査では94%が捕鯨反対。
 http://www.sydney.au.emb-japan.go.jp/japanese/top/important_info/standpoint_of_japan.htm

 一部分を紹介する。
 『鯨と日本人のかかわり
 日本人は、鯨を頭から尻尾、皮から内臓まで丸ごとすべて完全に利用してきており、日本人と鯨の深い関わりは石器時代の遺跡、伝統芸能、鯨の墓や碑、食文化として日本全国至る所に見受けられます。

(1)食文化(略)
(2)文芸(略)
(3)祭りと芸能(略)
(4)信仰(略)』


 日本の捕鯨問題は、BBCニュースでも取り上げられている。
 「日本とクジラ なぜ日本は捕鯨をするのか」 2016年02月9日,ルパート・ウィングフィールド=ヘイズ、東京特派員
 http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-35529672

 一部分を紹介する。
 『捕鯨は、日本の食料確保になんら影響がなく、世界からは激しく非難されている。もちろん経済的な理由もない。それでも日本が捕鯨をするのはなぜか。日本政府の答えは、捕鯨が日本の伝統文化に基づくもので、日本の漁師は何百年にもわたってクジラを捕獲してきたし、何を食べていいか悪いかを外国人に指図されるいわれはない、というものだ。

 ある政府高官がかつて私に「日本人はウサギは絶対食べない。だからといって英国人に食べるなとは言わない」と語ったことがある。なので私は、ウサギは絶滅危惧種とは言えない、と指摘しておいた。

 それでも、(日本)政府の言い分に理がないわけではない。
 海岸地域に住む多くの日本人が何百年も捕鯨を行ってきたのは確かだし、今も続けられている。和歌山県太地は毎年のイルカ漁で有名だ。有名どころか、悪名高いと言う人もいるかもしれないが。千葉県や東北の石巻などでも沿岸捕鯨が行われている。

 なので、確かに沿岸捕鯨は日本文化の一部だ。ノルウェーやアイスランド、カナダ北部の先住民イヌイットたちと同様に。しかし、地球の反対側の南極まで船団を送り、捕獲したクジラを処理する母船まで持っているのは日本だけだ。・・・』

 日本政府は【沿岸捕鯨は日本文化の一部】ということを国際的に主張する為に多額の労力と経費を使用しているようだ。おかげでBBCの記者からも『確かに沿岸捕鯨は日本文化の一部だ』と理解いただいたらしい。

 さて、前回のブログで紹介した畠山さんの本年鮭漁での警官の押し問答だが、畠山さんの主張は『アイヌにそんなものは必要ない』、『先住民族が持っている権利、紋別に住んでいるアイヌが何百年、何千年と鮭を捕ってきた権利で鮭漁をしているだけ』というものだ。

 仮に日本政府が【沿岸捕鯨は日本文化の一部】として認め、【畠山さんのようなアイヌが、地元河川で何百年、何千年と鮭を捕ってきた権利】を認めないのであれば、現在においても【アイヌは法的には等しく国民でありながらも差別されている】ことになるだろう。

 だが、その心配は杞憂(無用)なのかもしれない。
 北海道内水面漁業調整規則という法律上は、違法と思える畠山さんの鮭漁であるが、恐らくは、国(内閣府)、オホーツク総合振興局、北海道警察の3者による連係プレーで【アイヌ(先住民族)の鮭漁(捕獲)を容認した】可能性があるのだから。

 ただし、その手法は、結果的には【不法な行政行為】だ。このオチは最悪だ。
 畠山さんの主張については、正式に国(政府)から回答をもらう必要があるかもしれない。

 再述するが、国(内閣府)のアイヌ政策推進会議・政策推進作業部会の開催趣旨は、2009年有識者懇談会報告書などを踏まえ、アイヌ政策の推進を図るためとされている。

 そして、同報告書では「…憲法第 14 条の平等原則に反するのではないか、という指摘がある。しかし、事柄の性質に即応した合理的な理由に基づくものであれば、国民の一部について、異なる取扱いをすることも、憲法上許されると一般に解されており…」とされている。

 木村さんの考えは、当該報告書を取りまとめた委員である常本氏は、現在、政策推進作業部会部の会長である。何とか頑張ってもらって【アイヌ(先住民族)の鮭漁(捕獲)を容認】する合法的な手続き(立法を含む)を検討してほしいというものだ。常本氏の健闘に期待したい。
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2017/10/25

もう一つの日本文化(地元河川での鮭捕獲アイヌへの奇妙な事実〜政府はアイヌの鮭捕獲を容認か・その1)  文化・芸術
 浦川太八さんは、2008年から10年、浦河町元浦川で、北海道知事による(さけ・ます)特別採補許可を受けてサケを捕獲している。

 私のブログでも、2008/7/24、2009/1/10、2011/11/14、2016/11/9で紹介してきた。
 北海道庁(日高振興局)への書類申請は、当初、浦川さんの甥の修さんが担当していた。

 この特別採補許可、当初の申請時はなかなか許可が出なかった・・・というよりも許可申請書を受理してもらえなかった、地元漁協の協力を得て受理してもらったと聞いている。

 また、担当の道職員からは「サケが欲しかったら、道立水産孵化場で何匹でもあげますよ。」などというアイヌへの侮蔑的発言があったとも聞いている。
 *2009/1/10のブログ参照

 5年前、修さんが亡くなった後は、浦川さんがパソコン(ワープロ)を使えないため、修さんの同級生が申請書を作成していたが、ここ数年は私が申請書を作成している(日高振興局との交渉・提出などは浦川さん)。

 さて、10/19ブログの最後に「木村さんが最近、交流・連携を強めている道内某地域のアイヌリーダーから、信じ難いような不法な行政行為が報告されている」ことを書いた。
 真偽確認の為、現地へ赴き聞き取りを行い証拠書類も入手したのでご報告する。


 ご本人の承諾を得ているので実名でご紹介するが、紋別アイヌ協会の会長でもある畠山敏(ハタケヤマサトシ)さんは、本年8月に地元河川で鮭の捕獲を行った。

 北海道知事による特別採補許可は受けていない。

 畠山さんは、「先祖が何百年、何千年と鮭を捕ってきた権利を行使しただけ」、「国連の先住民族宣言・第26条で保証されている権利を行使しただけ」という認識だ。

 その行動は先住民族として尊重されるべきものである。

 ただし、法治国家である我国においては「法は遵守すべきもの」であり、「法による手続きを得ていない行為(違法行為、不法行為)は処罰される」ことになっている。

 標題の「地元河川で鮭を捕獲したアイヌへの奇妙な事実」は、大きく2つある。畠山さんからお聞きしたお話を基にご紹介する。

 【地元河川で鮭を捕獲したアイヌへの奇妙な事実・1】
 畠山さんは、本年8月25日〜27日、紋別市の藻鼈(モベツ)川で鮭を捕獲した。

 その2日目の26日、畠山さんが朝5時半に藻鼈(モベツ)川に行くと、土手の上にパトカー2台が止まっていた。

 漁を始めようとすると警官がやって来て『知事の特別採補許可証を持っていますか』と聞かれた。

 畠山さんは『アイヌにそんなものは必要ない』、『先住民族が持っている権利、紋別に住んでいるアイヌが何百年、何千年と鮭を捕ってきた権利で鮭漁をしているだけだ』と堂々と説明した。

 加えて『私の鮭漁が日本の法律違反というならば逮捕してくれ』と迫った。

 以降、警官からは『逮捕はできない』。畠山さんからは『逮捕しろ』というの押し問答が続いた。

 この押し問答の中、紋別漁協の専務が現場に来た。最終的には、漁協専務が始末書的なものを一筆警察に提出しくれればよいということで、その場は収まった。

 しかしながら、この収まり方は奇妙だ。

 畠山さんは昨年までは紋別漁協の組合員だったが、今は紋別漁協とは法的に何の関係も有しない。紋別漁協の専務も畠山さんとは法的に何の関係も有しない。
 過失も法律違反も犯していない漁協専務が書いた始末書は法的に効力を持たない。誠に奇妙だ。

 【地元河川で鮭を捕獲したアイヌへの奇妙な事実・2】
 前記で紹介した畠山さんと警官の押し問答がおきたのは、8月26日だ。
 警官の質問は『知事の特別採補許可証を持っていますか』だ。畠山さんは『アイヌにそんなものは必要ない』ということで押し問答になったのだ。

 それから暫く経った9月11日(畠山さんの記憶)、畠山さんの電話に連絡が入った。

 北海道庁(オホーツク総合振興局)の職員2名(畠山さんによれば1名は恐らく課長)が【知事の特別採補許可証】を持って紋別漁協に来ているので、来てほしいとの依頼だ。

 畠山さんは漁協事務所に出向き、『自分は申請書を作成も提出もしていないので受け取れない』と断ったのだが、振興局課長は『受け取ってくれ』との押し問答だ。

 この押し問答でも、漁協専務が活躍する。最終的に畠山さんは、漁協専務の顔を立てて【自身が作成していない申請書に基づく許可証】を受け取った。

 さて、不本意ながらも許可証を受け取った畠山さんだが、許可証の発行日及び許可期間を確認して驚いた。

■許可証の発行日 平成29年8月16日
■許可期間 平成29年8月20日から平成29年9月20日まで
*文末に許可証画像を貼付

 たくさんの奇妙なことがある。

 まず、申請書は畠山さんが作成していないということだ。
 *だが申請書なしに北海道庁(オホーツク総合振興局)が「許可」という「行政行為」を行うはずはない。

 誰かが畠山さんの依頼も関与もなく申請書を作成し、オホーツク総合振興局に提出したということだ。具体的には「私文書偽造」による申請書という事だ。

 *当該許可証を持ってきた振興局課長は、畠山さんの『自分は申請書を作成も提出もしていない』との主張に対して何の抗弁もしていない。この振興局課長は「私文書偽造」を承知していたということだろう。

 つまり、オホーツク総合振興局は「私文書偽造された申請書」と知っていて受理し、「許可」いう不法な行政行為を行ったということになる。

 *畠山さんによれば、漁協事務所には、昨年まで組合員だった時代の「畠山さんの三文判」がある。それを使って申請書を作成したのだろうとのこと。

 また、許可期間(平成29年8月20日〜)は、前記の「警官との押し問答となった事件日である8月26日」以前となっている。

 【特別採補許可証】は、北海道内水面漁業調整規則という法律に基づく「許可」という行政行為を証する公文書であり、北海道知事 高橋はるみの公印が押印されている。

 その公文書が、私文書偽造の申請書により、問題が生じた事件日の前に遡って作成・交付されている。

 こういった事実を第三者的に考えると、オホーツク総合振興局、警察、漁協(専務)の3者は【共謀】して「私文書偽造の申請書」によって申請を行い、「遡った日付での許可証」を出す不法な行為を行った」可能性がある。

 この事例は、行政によって「無かった事」が「有った事」にされ、「有った事」が「無かった事」にされた見本のような「行政の不法行為」だ。

 「無かった事」が「有った事」にされたというのは、【申請書】だ。
 「畠山さんが作成を考えてもいなかった申請書」は、私文書偽造により「畠山さんの申請書」とされた。恐らくはオホーツク総合振興局が関与した捏造・不正行為だ。

 「有った事」が「無かった事」にされたというのは、【8月26日の警官との押し問答となった事件】及び【畠山さんが8月25日〜27日の3日間行った鮭の捕獲行為】だ。

 「許可期間(平成29年8月20日〜平成29年9月20日)」により、「8月26日の警官との押し問答」及び「8月25日〜27日の無許可による鮭の捕獲(違法行為?)」は無かったことになるのだろう。

 これが、【我国の[法治国家]の実態】だ。
 「我国は法治国家だ」などという言葉は、政府(行政)が国民(住民)を統治するときだけに都合良く使う言葉ということか?

 今回のオホーツク総合振興局をはじめとする3者による不法行為は、単に畠山さんという個人の権利を侵害したことに終わらない。

 この不法行為、行政のあるべき姿から大きく外れた姿は、浦川さんのように法を遵守して【特別採補許可】を得て鮭漁をしている全道のアイヌ、また、浦川さんの鮭漁を遠くから恨めしそうに見ながらも、川での禁漁を遵守している釣り人達など道民からの信頼を大きく失う反社会的行為だ。

 この反社会的行為は、許せるものでないとしても疑問が残る。前記した3者は、この行為によって得たメリットはあるのだろうか?動機は何なのだろうか?とても疑問が残る。

 今回の信じ難いような不法な行政行為が行われた本当の目的は何なのか?誰かが何かの為に辻褄合せを目的に行ったのではないのか?

 木村さんと私が考えた最も辻褄が合う説明は、「アイヌ(先住民族)の権利」を所管している国(政府)の存在だ。これについては、次回のブログで展開したい。

 なお、許可証を一旦は受け取った畠山さんだが、9月21日、この【特別採補許可】は容認できない旨15項目の意見を付して、当該許可証を振興局あて返送している。

 意見概要をご紹介する。
■当該許可は当該河川での禁漁を前提とするものであり、アイヌ民族が有する当該河川での権利を侵害している。
■当該河川は元々アイヌの居住地、アイヌの生活拠点として漁獲等を行ってきた。
■畠山アイヌは自然環境を破壊、サケ・マス資源を減少させることなく漁を行い、神への感謝を行った上で自ら同じ心ある人々で分かちあった。
■今後とも、振興局(北海道庁)の許可にとらわれることなく、サケ・マス捕獲を継続する所存。
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2017/10/19

もう一つの日本文化(朝鮮人とアイヌ民族の歴史的つながり)  文化・芸術
 木村二三夫さんから、できるだけ早く掲載してくれと、FMピパウシの「木村ニ三夫の言いたい放題」の草稿がFAXされてきた。ご依頼により急遽アップする。
 *草稿ですので、大幅に変更する可能性があるそうです。

■FMピパウシ・木村ニ三夫の言いたい放題 草稿


『今、アメリカの尻馬に乗って北朝鮮の脅威論を安倍総理大臣が先頭となって閣僚が唱えているが、ここまで北朝鮮の怒り・憎しみを増幅させた原因は何なのか?

 FMピパウシ・リスナーの皆さん、イランカラプテ。
 木村二三夫の言いたい放題の時間です。

 アメリカは、太平洋戦争終結という大義名分の名の下で、どれ程残虐非道な事を日本にしたか。広島・長崎に落とした原爆、東京をはじめとする日本全国の都市の非武装住民(非戦闘員)の住居地区への無差別爆撃によって、100万に近い非戦闘員が殺されたという。

 これは明らかに1907年のハーグ陸戦条約・第25条の「無防備都市、集落、住宅、建物はいかなる手段をもってしても、これを攻撃、砲撃することを禁ず」に違反している。

 アメリカの行った残虐で非人道的な鬼畜にも劣る行為を、日本人は忘れたのだろうか?
 ただし、日本もアメリカに先駆けて、中国重慶で非武装住民の住居地区への無差別爆撃を行っていたことは、日本人全員が知っていなければならないことです。

 また、中国、朝鮮半島での日本による残虐で非人道的な行為は耳を覆いたくなるような話ばかりでです。

 日本が対米戦争に突入したのは、アメリカをはじめとする連合国による経済締め付け・圧力によって経済的に追い詰められ、座して死を待つよりはとの想いから真珠湾攻撃に踏み切ったのではないか。

 自らがそのような歴史を有する日本は、その開戦の判断が止むを得なかったのか、果たして正しかったのかどうかを総括する必要がある。

 今の北朝鮮も似たような状況に追い込まれようとしているのではないか?圧倒的軍事力を背景にした、アメリカ「ドナルド・トランプ(大統領)」の恫喝・挑発は、北朝鮮を暴発させる為かのようにも思えます。

 窮鼠・猫を噛むという諺がある。「北朝鮮に毅然とした対応を取る」と強調する安倍首相も含め、あまり北朝鮮を挑発しないでもらいたい。

 最近、北朝鮮を訪問した平岡秀雄・元法務大臣(元民主党衆議院議員)は『北朝鮮の核ミサイルは断じて許されるものではないが、【なぜ開発しているのか】というと【断首作戦】を含む米韓合同演習を目の前で見せ付けられ、核ミサイルしか自衛の手段がないと考えているからだろう。北東アジアで絶対に戦争を起こさせないようにするにはどうすれば良いのかを日本として考えるべきです。…』と主張している。

 アメリカが日本に落とした核爆弾、あんな恐ろしいことは二度とあってはいけない。今こそアイヌの言う「ウレシパチャランケ(育みあう議論)が必要な時ではないだろうか。

 話は変わるが、戦前のみならず戦後も朝鮮半島から多くの朝鮮人が肉体労働者などとして日本に渡ってきました。その中には一攫千金を夢見て来た者、日本に永住して結婚を夢みて来た者など様々な想いで、日本各地の道路工事、橋の立替、トンネル工事などに関わっていました。

 朝鮮の人たちは体も大きく丈夫な上、器用で勤勉な為、多くの工事現場で活躍したと見聞きしています。

 実際、私も昭和45年、今から50年ほど前の事ですが白糠町で林道工事があり、一年ほど朝鮮の人達と飯場暮らしで寝食を共にした事があります。正確には、20人位の南北朝鮮の人達と測量技師2人、人夫5人の日本人、アイヌの私は測量見習いで計28人ほどの共同生活ですが、朝鮮の人達中心の生活です。

 毎日、仕事が終わり夜になり、酒が入ると南北の意見の相違からか、罵声、物は飛ぶ、戦争のようでした。そんな中、憶えた朝鮮語がいくつあります。これはしっかりと頭に残っています。

 アイゴー(意味は分りませんが…)、アンギョ(眼鏡)、シゲ(時計)、コチョカリ(南蛮)、アボジ(お父さん)、オムニ(お母さん)でした。
極めつけは、ご飯以外の料理は何でも辛かった事を憶えています。

 飯場全員で28人中、私一人がアイヌだったが、何故か私の名前・二三夫(フミオ)を「フミヨ」と呼んで可愛がってくれた事が、朝鮮の人達との忘れられない良い思い出です。

 さて、10月8日(日)の北海道新聞の書評欄に『朝鮮人とアイヌ民族の歴史的つながり』石純姫(ソク スニ)著、寿郎社、2376円が載っていました。

 戦中、日本が植民地としていた朝鮮半島から、道内の鉱山や炭鉱に動員され、タコ部屋と呼ばれる事実上の監獄宿舎で、奴隷的な重労働を課された結果、過酷な扱いに耐え切れずに逃走した朝鮮人をアイヌがかくまい、追っ手から逃がしていたという内容です。

 著者は多数の聞き取りをもとに、逃がすアイヌ側にも身の危険を覚悟しなければならない時代に、こうした事例が相当数あった事実を紹介しています。

 早速、本書を取り寄せ読ませていただきました。私にとって身近な地元では、平取町振内と平取町豊糠のクロム鉱山での採掘、現在では岩田地崎建設(株)となってしまいましたが、地崎建設グループの下請会社だった川口組におけるトンネル工事での朝鮮人労働者の取扱いは、神をも恐れぬ非人道的ものであったようです。

 このような歴史の事実を私は知らなかった。我が無知を恥じ入るばかりで、自分自身に怒り心頭です。

 朝鮮人労働者が、過酷な労働環境から命がけで逃れ、アイヌに助けを求めた事、又アイヌ達も命がけでかくまい逃がした話は昔から言い伝えられていました。

 アイヌ・ネノアン・アイヌ(人である人)としての先人アイヌが取った優しさと思いやり、勇気ある行動の事実は、改めて世界の誇れるものと思いました。

 他にも日本人が子供を育てきれず、アイヌのチセ(家)の前に捨てたり預けたりした話は数多く聞きますが、日本人がアイヌを育てた話は聞いた事がありません。

 先人たちの「人(アイヌ)としての行い」に心よりイヤイヤイケレです。そして、この本を世に出してくれた著者・石純姫(ソク スニ)様にもイヤイヤイケレ、心よりお礼申し上げたい。

 一人でも多くの人々に、この事実を知ってもらう事が、今、世界中で争い・憎しみ合いが増え、愛が薄れてきている時代だからこそ必要なのではないでしょうか。

 最後になりますが、安倍総理大臣をはじめ現閣僚たちは、憲法第9条を改憲しようと目論み、選挙活動においては北朝鮮の核脅威論を誇大に政治利用しています。

 リスナーの皆さん、正しい情報をキャッチする為にアンテナを張り巡らし、誤った・偏(カタヨ)った情報に翻弄されないように選挙に臨もうではありませんか。

 木村二三夫の言いたい放題でした。イヤイヤイケレ。』


 話は変わるが、木村さんが最近、交流・連携を強めている道内の某地域のアイヌリーダーから、信じ難いような不法な行政行為が報告されている。真偽確認の上、近日中にお伝えしたい。
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2017/10/16

もう一つの日本文化(木村ニ三夫さんから北大総長に送付した質問文書)  文化・芸術
 本年7月23日のブログで、木村二三夫さんが本年5月に文科省へ出した問合せに対する実質ゼロ回答が届いて、木村さんは【アイヌ遺骨の「あるべき姿」を求める活動】を強める決意をした事を書いた。

 また、本年8月6日のブログで、木村さんは怒りまくっており、既に幾つかの強化行動を開始した事を書いた。

 強化した理由は単純だ。国、北大、具体的には篠田氏や常本氏などからはアイヌ遺骨の取扱いに係る考え方の変化、誠意などが感じられないからだ。

 事実、木村さんの行動はより積極的になった。以降にアイヌ遺骨の地域返還が行われた浦幌、北見紋別のアイヌリーダーなどとの連携は深まっている。

 木村さんは怒っているが、その行動は冷静な中長期計画に沿って進められている。今回はほぼ同時期にいくつかの行動が実施された。

 北大総長あての質問文書もその一つだ。本日11:25に文書配達が完了した旨のメールが日本郵便株式会社より私の携帯に届いた。
 恐らく明日も別の文書の配達完了メールが私の携帯に届くはずである。


<北大総長あての質問文書>
                                         平成29年10月13日


北海道大学総長 名和 豊春 様


                               北海道沙流郡平取町○○○○○○○○
                               木 村 二 三 夫


 貴大学における教育倫理綱領においては、教育の基本的目標を「…人権を尊重し、社会的要請に的確に対応しうる基盤的能力の育成を目指す」と定めている事に敬意を表します。

 さて、私、木村ニ三夫は、北海道平取町貫気別に住むアイヌであり、先祖は100年前の1916年、新冠御料牧場(当時)内にあった「姉去(アネサル)コタン」(日高管内新冠町)から50kmほど離れた上貫気別(カミヌキベツ/日高管内平取町)への強制移住を強いられました。
 
 更に、その地の墓地に埋葬されたアイヌは、貴大学による違法な発掘により遺骨6体が貴大学に収奪されたまま現在に至っております。

 私は、この日本人によるアイヌ遺骨問題については、平取アイヌ協会の副会長としての活動のほか、個人として、昨年12月及び本年5月に文部科学省大臣宛に質問状を送付し、回答いただいた文書については、友人の日本人によりネットでの公開を行うなどの活動を行っております。

 私は、貴大学の過去の所業、いわゆるアイヌ遺骨盗掘については許せるものではないと考えている一方、今後の貴大学の行動の如何によっては、アイヌとの和解も十分可能と考えるものであります。

 ついては、下記に掲げる私の率直な質問に対するお考えを確認いたしたく、よろしくお取り計らい願います。

                            記

1 質問
(1)地域への遺骨返還について、浦河杵臼、浦幌、北見紋別と裁判所による和解が相次いでいる。被告である貴大学は、これらの和解から自己の責任を総括し、今後は地域からの提訴を待たずに自ら地域返還を進めるべきと考える。この実施の可否。否の場合は、その理由を伺う。


(2)貴大学は地域への遺骨返還について、国のガイドライン待ちとの主張を繰り返し表明している。これは貴大学単独の判断なのか、それとも文科省の指導に基づく判断なのか伺う。また、貴大学単独の判断の場合には、地域受入の環境が整っている地域には早急に返還すべきと考えるが、その実施の可否。否の場合は、その理由を伺う。

(3)平取町に係るアイヌ遺骨については、アイヌ協会、行政、議会ともに、地域受入環境が整っているので、貴大学においては一日も早く返還すべきと考えるが、その実施の可否。否の場合は、その理由を伺う。

2 提出期限 
  平成29年11月15日(水)必着


3 提出先
  北海道沙流郡平取町○○○○○○○○
  木 村 二 三 夫

4 参考
(1)昨年12月の文部科学省大臣あて質問状
   2016/12/28もう一つの日本文化(配達証明付き「文部科学省に関する問合せについて」書留)
   http://fine.ap.teacup.com/applet/makiri/201612/archive

(2)本年5月の文部科学省大臣あて質問状
   2017/5/11もう一つの日本文化(「文部科学省に関する問合せについて・第2弾」) 
   http://fine.ap.teacup.com/applet/makiri/201705/archive
 
                                                   以 上


 多くの日本人には木村さんの要求が過激と感じられるだろうが、日本が2008年に受け入れた国連の先住民族宣言は、実態として先住民族を有する先進国、アメリカ、オーストラリア等をはじめとして国際標準、国際常識になっている。

 日本だけが国際常識に外れた解釈となっている。篠田氏や常本氏が先頭となって唱えているいわゆる「日本型先住民族政策」だ。国際的に通用しないこの立場は、核ミサイルにおける北朝鮮の立場といい勝負だ。

 さて、国連の先住民族宣言全体の解釈からすれば、木村さんはいわゆる穏健派だ。とても控えめな要望だ。

 その木村さんからの今回の北大総長への質問状に対し、北大側がどのような形であれ、内容的に「質問に対する有効な回答」をしない場合は、北大は過去の所業に輪をかけて「アイヌを尊重する意思はない」という新たな証拠を作ることになる。

 北大(国側)は、オウンゴールを重ねていることに気付いているのだろうか?
 外国人が現状の国側の対応を知った場合、「日本政府は、国連先住民族宣言を批准しているにも拘わらず、先住民族アイヌを弾圧している」と思うだろう。

 このような「先進国における先住民族への侮辱」は、第三者的な外国人から見た場合、国際的に許容されないだろう。北大(国側)の行動は、間違いなく国益を損ねている。

 木村さんは、自身の不利益を覚悟で行動している。木村さんのように自身の不利益を覚悟で行動しているアイヌは何人もいる。彼らのこういった行動は、他のアイヌや日本人、外国人の意識形成・変化に必ず影響するだろう。

 私も微力ではあるが協力していく。私のように微力でも行動する人が増えることを木村さん達は希望している。
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