川から上がって林道を歩いていると、着物の端切れで作ったような
サイフらしきものが落ちていました。
ファスナーを開けると免許証やクレジットカードが入っており、
もうひとつのファスナーを開けると現金1万数千円+小銭。
さてさて、ややこしい物を拾ってしまったものだ。
近頃は物騒な事件が多いので、そんなことと関係ないことを祈りつつ
帰り支度をし、クルマを走らせる。
山の中なので当然交番なんてないし、サービスカウンターもないし、
帰る途中にも交番があったかなーなどと考えましたが、結局家まで
持って帰ってしまいました。
警察に行くのは面倒なので、クレジット会社に電話してみました。
このカードを拾ったらここに電話しろと書いてあるし。
「どこで拾われましたか?」
「え〜っと、○○県のたぶん○○市の林道です」
「はい?」
「渓流沿いの林道です」
「拾われたのは個人様ですか?」
「?」
「カードの他に何か一緒ですか?」
「サイフの中にカードがあったんで、他に現金とか・・・」
「少々お待ちください・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・それでは警察に届けてくださいますか」
「?」
「警察に届けてくださいますか」
「とりあえず、持ち主には見つかったことを連絡してもらえるのですよね?」
「警察に届けてください」
(プチッ!)
「何メンドクサイこと言うとんねんコラァ!」
「・・・・警察に・・・・」
「警察に行くのが面倒やからここに電話しとんじゃコラァ!」
「謝礼をお送りしますので・・・・」
「何言うとんねん!そんなもんいらんわい!もうええわ!」ガチャッ!!!
だいたい、拾われたのは個人様ですかって、どういう意味や?
団体様でサイフを拾うことってあるのか?
法人様がサイフを拾うことってあるのか?
とも言いたかったのですが、憤り過ぎて言えませんでした。悔し。
ヒートアップした頭を麦茶で冷やしながら、次の手を考えます。
サイフの中に歯医者の診察券がありました。
よっしゃ、ここに電話するべし。
「はい、○○歯科です」
「そちらに通院されてる○○さんのサイフを拾いまして、云々」
「ちょっとお待ちください・・・・・・・・・・・・・・・・・
電話番号は・・・・・・」
(おおおおっ!無防備なまでの対応の速さ!)
「わかりました、じゃ、こちらに電話してみます、ありがとう」
「ご苦労様です」
なんと気持ちの良い対応でしょう!!!
自分を守ることしか考えていないアホな大企業と、
物の本質を理解することができる田舎の歯科受付嬢。
ぼくは現代日本のゆがんだ構造をここに見た気がしました。
ま、そんなワケでサイフは無事に持ち主の手にもどり、
ぼくはちょっともらいすぎと思うほどのお礼をいただき、
すがすがしい気分に浸っている今日この頃です。
教訓として正しい項目に○をつけよ。
1.面倒でも警察に行くべし。そのほうがあとあと面倒ではなくなる。
2.警察を信用しないのも、そろそろやめたほうが良いかもしれない。
3.免許証には住所だけでなく、電話番号も記載されるべきだ。
4.落ちているサイフを見つけたら、拾わず、放っておこう。
5.落ちているサイフを見つけたら、拾って、現金だけいただいておこう。
正解はCMのあと
*画像は本文と関係ありません