
ルノーが1984年に発売した「元祖ミニバン」がエスパスである。1991年にデビューしたモデルチェンジ版であるこのエスパス2(TYPE2)のシートは、エスパス1(TYPE1)が1980年代のルノーらしい出来であったのと同様に、1990年代のルノーのシートとなっているのが面白い。
だがそこはさすがにルノー、エスパスのシートはTYPE1よりは大分固くなっているものの、その座り心地は極上の部類に属する。
絶対的にはソフトではないが、相対的に見ればやはり柔らかいクッションは、他のフランス車と同様に過度に沈み込むことはなく、またこれも同じく沈み込んだ後は身体に合わせたように包み込んでくれる。
特に大腿部の適度な圧迫感を伴うサポートが絶品。また、身体を大きく崩してもこのサポートが腰を前に出した時の防波堤の役目を果たしてくれる。
特筆すべきは2列目、3列目のシートの出来もまた素晴らしいこと。むしろフロントよりも心地よいという感想を持たれる場合もあるほど、このクルマは運転しても楽しいが積極的に後席を選びたくなる。
シートはリクライン、折り畳み、回転、そして取り外しが出来るが国産ワンボックスやミニバンほどに展開は出来ない。それらのクルマの多くが決して褒められたレベルではないが、エスパスの後席は非常に心地がよい。
着座位置も高く、窓が大きいのもまた魅力的だ。
欠点は、取り外し出来るシートが重すぎること、フルにリクラインしないこと(これは他のルノーにも言える)、2列目以降の背もたれが少々低いことなどだが、それはシート自体の出来に隠されてしまう程度のものであろう。
(助手席も対面状態に出来る:写真参照)
ルノー/エスパス