
素晴らしい実用性と乗り心地を持っていたGS/GSAは非常に高い評価を受け、15年の長きに渡り屋台骨を支え続けた。そのGS/GSAの後継車となるべく1982年に登場したのがこのBXである。
BXはXANTIA同様に、年式を経るごとにシートはどんどん固くなっていく。そのため、ここで取り上げる<最初期のBX>であるボビンメーター仕様は、後半のBXよりも「フランスタッチ」の濃度が高い。
その座り心地に差違はあれど、GTI系以外のBXのシートをひとことでいうなら、「だらんと座るとキモチイイ」。写真を見てもわかるとおり、座面〜背もたれが一体式のようなデザインは、そのまま座った印象にも繋がっている。
ランバーサポート、という考えとは真逆で、背中を埋めて座る「フランスのちょっと古いシート」の典型例ともいえるこのシート、シート全体に体重が四散する。そのため、腰に上半身の体重がかかったりしないので、身体が痛くならない。また、無論沈む→止まる→包まれるというプロセスも持っており、背中、腰が大変心地よい。かなり上等な部類に入るシートだと言えよう。きっちり座るよりも、少しルーズに腰掛ける方が良いので、ぜひ試して頂きたい。
かつてCG誌でボビンBXが長期テストに使用されていたときも、当時の担当者の腰が、BXに乗っているときは痛くなくなったという話はもっともだと思わせる。
リアシートもフロントと同じ程度のソフトさを持ち、背もたれは立ち気味ではあるものの不自然ではない。長距離移動もこの後席なら喜んでしたいほどに、快適。足下も広い。惜しいのはヘッドルームが小さいことであろうか。