「火成岩(かせいがん:igneous rock)」
rock
火成岩(かせいがん、igneous rock)は、
ケイ酸塩を主成分とする高温の溶融体である
マグマが冷却、固結してできた岩石の総称です。
火成岩は、堆積岩、変成岩とともに
岩石の三大区分の一つですが、
この岩石の分類法に従うと、
同一の岩石が二者ないし三者にまたがり
命名されることがあります。
例えば、火山灰層が変成作用を受けてできた緑色岩は、
火成岩であり、堆積岩であり、
また同時に変成岩でもあります。
火成岩は、さらにマグマ固結時の環境条件によって、
火山岩(マグマが急激に冷えて固まったもの)と
深成岩(マグマがゆっくり冷えて固まったもの)の
2つに分類されます。
火山岩と深成岩の分類において重要なのは
冷え固まったスピードであり、
どこで固まったかは分類に関係しません。
マグマが地表に噴出して形成される火山岩類は、
地表を流動し、冷却、固結してできた溶岩と、
マグマを押し出す力が強いため
空中または水中にマグマが放出され断片化したものが
冷却、固結してできる火山砕屑物に分けられます。
火山放出物は、
噴火の際に上昇してきたマグマに直接由来するものを本質、
火山体を構成する岩片よりなるものを類質、
火山体下部の基盤岩の岩片よりなるものを
異質とよんで区別します。
火山砕屑物は、大きさ、形状、内部構造によって、
火山岩塊、火山礫、火山灰、火山弾、溶岩餅、
ペレーの毛、ペレーの涙、軽石、岩滓などに分けられます。
これらの火山砕屑物が
地上に堆積、固化してできた火山砕屑岩は、
火山角礫岩、凝灰角礫岩、凝灰岩、凝灰集塊岩、
岩滓集塊岩、軽石凝灰岩、岩滓凝灰岩とよばれます。
火成岩中にはほとんどあらゆる元素が含まれていますが、、
そのなかでも多く含まれている元素は、
どの岩石でも、大体、限られています。
火成岩中に含まれる主要13成分として酸化物の形で表すと、
SiO2, Al2O3, MgO, FeO, Fe2O3, CaO, Na2O,
K2O, MnO, TiO2, P2O5, H2O(+), H2O(-)
となります。
ほとんどの火成岩では主要13成分で
99%以上を占めています。
とくに、ケイ酸SiO2は
火成岩の40%から70%近くを占めており、
地球がケイ酸塩の惑星と
よばれることがあるのはこのためです。
このほかには岩石によって、
ニッケル、クロム、ジルコニウムなどの酸化物、
炭酸カルシウムなどの炭酸塩、
フッ素、塩素などの揮発性元素などがよく含まれており、
各種の微量元素も存在しています。
火成岩にはさまざまな種類のものがあるのは、
次のような理由です。
1.マントルなどの地下深所で発生した
本源マグマに、すでに数種類の異なったものがあって、
これが主要な原因となっている。
2.同一の本源マグマから晶出分化作用によって、
早期晶出鉱物、後期晶出鉱物の集積の度合いに応じて
多様な岩石種を生じる。
3.上昇してくるマグマと既存の周辺岩石との
混成作用によって、マグマの化学組成が変化し、
さらに複雑な岩相が生じる。
4.地表近くに上昇してきたマグマの冷却、固結の条件
(貫入位置の深さ、冷却速度)、
噴火の条件などによって
火成岩はさらに多様な様相を示すことになります。
どのような本源マグマが生じるかは、
マントルないしは地殻下部の部分溶融を引き起こさせる
地球内部の温度分布によって決まります。
晶出分化作用は、マグマの化学組成と、
そこから晶出する鉱物の
化学組成との差違に起因するものであって、
この差は、晶出する場所の
温度、深さによって決まってきます。
とくに、地球の重力のために晶出した鉱物が下部に沈積して
残りのマグマと反応関係がなくなるかどうかが
晶出分化作用の性質を左右するので、
マグマの占めている空間の形態、
マグマ溜り、火道、岩体の形状が
マグマ成分の変化を大きく支配し、
火成岩の多様性の原因となることが多いとされています。
同じ化学組成のマグマも、
固結するときの環境の相違によって
さまざまな火成岩になります。
マグマは急冷すると
ガラス質ないし微晶質の火成岩となります。
地下でゆっくり冷却すると粗粒な完晶質の火成岩となります。
結晶の大きさは冷却速度のほかに、
水、塩化水素、フッ化水素などの
揮発性成分の含有量に大きく依存しています。
火山岩では火口下のマグマ溜りなどにおいて、
マグマ中に溶け込んでいたガス成分が、
マグマが急激に地表に上昇すると体積を増大して、
発泡現象を引き起こすことになります。
軽石、岩滓(スコリア)をはじめとして、
溶岩中の気孔などもこのようにしてできます。
マグマがゆっくり冷え固まると
結晶化が進むことになりますが、
高温から低温になるにしたがって、
形成される鉱物が変化します。
高温側では、
橄欖石、輝石類、カルシウムに富む斜長石などが
晶出するのに対し、
低温に移行するにつれて、
角閃石類、雲母類、ナトリウムに富む斜長石、
カリ長石、沸石などが晶出します。
少量ですが、
トパーズ、電気石、斧石、蛍石などを伴うこともあります。
マグマ固結の最終段階では、残りのものは熱水溶液となり、
これまで晶出した
どの鉱物にも入ることのできなかった元素が、
この溶液の中に、濃縮されています。
この熱水溶液からは石英、方解石のほか、
金、銀、銅、鉄、スズ、鉛、亜鉛、
タングステン、モリブデンなどの金属元素が
硫化物などの鉱脈として形成されて、
金属鉱床をつくることがよくあります。
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